2022年05月18日
螺鈿三段箱の修理㉔ 内布直し・・・
螺鈿三段箱の修理㉔ 内布直し・・・
昨日から今日にかけての修理作業メインは、
摺り漆トラブル発生による検証と手直し、そして内布直しであります。
前者はかなり込み入った話なので、
それはまた後に回すとしまして、、、後者=内布直しの件から。

昨晩の様子~螺鈿三段箱から取り外した内布たち。

一番手前に置いている短めの細い布(箱内側の側面プレート)は、
台紙になっている厚紙がフニャフニャに!(^^;
これはしっかり直さないと~です。

まずは布を剥がすことが出来るか、、、
貼り合わせ部分に水を少し垂らしてみますと、
結構簡単に外せるようで、ホッとしました~(^_^;)
どうやら水性の糊でくっつけてあったようです。

剥がし終わってからよく確認すると、厚紙の状態が良くなし。
グニャっと曲がっている所を矯正です。
まずは水を湿らせ膨らませておいて、の~ば~し~ます。

厚紙を乾かしている間に、水性接着剤を取り出しまして、、、
布や厚紙治療のための環境設定を~(^.^)
接着剤はどれにしようかな~?

治療台(剥離シート付)の上で、厚紙の補強をば。
曲がって弱っていた部分に接着剤を浸透させ、乾燥&強化させます。
ここで選択した接着剤は、、、
あの螺鈿貼付の仮テスト時に膠の代用で使っていたタイトボンドです!
木工用として使われるだけに、紙の補強には最適と考えました。

そして、ついでに布貼りでもタイトボンドが使えそうかテストを!
余分にはみ出そうでカットした切れ端をくっつけてみました。

このような状態で暫く乾かしましたが、、、
厚紙の補強そして布貼りで、結果ともに良し!!
タイトボンドは初期乾燥が早いので、
結果が出るのも早かったですね。(^^)/
そして、今日は別件の仕事から帰って来てから布貼り作業を。い

布をよく水洗いして既存の糊を落とし、しっかり乾燥させてから
厚紙(台紙)の表側にタイトボンドを多めに塗布。

表側を貼り終わって5分ほど経ってから
今度は裏側にタイトボンドを塗布して貼付。
問題なく表裏両面を貼り終えることが出来ました。

もう一つ取り外してあった長めの側面プレートも、、、
裏側の布が外れかかっておりましたので、
これもタイトボンドで補修致しました。
直しはこれで完了しましたが、布に関してはもう一つやることが。。。
そう!清掃作業であります。

底面プレートの布には、積年のホコリがたっぷりと!(^^;
マスキングテープを使って清掃していきます。

慎重に、丁寧に、そして念入りに、、、
たくさんのホコリたちを除去致しました~。
箱本体に取り付けてある内布たちは、
摺り漆が完了次第清掃をする予定です。
その摺り漆、、、、、
最後の最後で最大の難関が待ち受けていました!!(^^;
そのお話は、、、やはり次回に致しましょう。
つづく。。。
昨日から今日にかけての修理作業メインは、
摺り漆トラブル発生による検証と手直し、そして内布直しであります。
前者はかなり込み入った話なので、
それはまた後に回すとしまして、、、後者=内布直しの件から。
昨晩の様子~螺鈿三段箱から取り外した内布たち。
一番手前に置いている短めの細い布(箱内側の側面プレート)は、
台紙になっている厚紙がフニャフニャに!(^^;
これはしっかり直さないと~です。
まずは布を剥がすことが出来るか、、、
貼り合わせ部分に水を少し垂らしてみますと、
結構簡単に外せるようで、ホッとしました~(^_^;)
どうやら水性の糊でくっつけてあったようです。
剥がし終わってからよく確認すると、厚紙の状態が良くなし。
グニャっと曲がっている所を矯正です。
まずは水を湿らせ膨らませておいて、の~ば~し~ます。
厚紙を乾かしている間に、水性接着剤を取り出しまして、、、
布や厚紙治療のための環境設定を~(^.^)
接着剤はどれにしようかな~?
治療台(剥離シート付)の上で、厚紙の補強をば。
曲がって弱っていた部分に接着剤を浸透させ、乾燥&強化させます。
ここで選択した接着剤は、、、
あの螺鈿貼付の仮テスト時に膠の代用で使っていたタイトボンドです!
木工用として使われるだけに、紙の補強には最適と考えました。
そして、ついでに布貼りでもタイトボンドが使えそうかテストを!
余分にはみ出そうでカットした切れ端をくっつけてみました。
このような状態で暫く乾かしましたが、、、
厚紙の補強そして布貼りで、結果ともに良し!!
タイトボンドは初期乾燥が早いので、
結果が出るのも早かったですね。(^^)/
そして、今日は別件の仕事から帰って来てから布貼り作業を。い
布をよく水洗いして既存の糊を落とし、しっかり乾燥させてから
厚紙(台紙)の表側にタイトボンドを多めに塗布。
表側を貼り終わって5分ほど経ってから
今度は裏側にタイトボンドを塗布して貼付。
問題なく表裏両面を貼り終えることが出来ました。
もう一つ取り外してあった長めの側面プレートも、、、
裏側の布が外れかかっておりましたので、
これもタイトボンドで補修致しました。
直しはこれで完了しましたが、布に関してはもう一つやることが。。。
そう!清掃作業であります。
底面プレートの布には、積年のホコリがたっぷりと!(^^;
マスキングテープを使って清掃していきます。
慎重に、丁寧に、そして念入りに、、、
たくさんのホコリたちを除去致しました~。
箱本体に取り付けてある内布たちは、
摺り漆が完了次第清掃をする予定です。
その摺り漆、、、、、
最後の最後で最大の難関が待ち受けていました!!(^^;
そのお話は、、、やはり次回に致しましょう。
つづく。。。
2022年05月15日
螺鈿三段箱の修理㉓ ネジづくり・・・
螺鈿三段箱の修理㉓ ネジづくり・・・
今日の修理作業メインは、ネジづくりであります。
塗りの修理は摺り漆&磨き工程に入っており、
しっかり乾かしている間にネジを作っておこうという流れです。
三段箱の支え金具を留めているネジは一つ無くなっておりまして、
どうにかこれを補完しなければなりません。

ということで、、、当方でこれまで収集してきたネジたちの出番です!
やはり時代が違うのか、、、なかなか合うものが見つからず!!
どうも今の規格とネジ切りのピッチが一致するものがありません~(^^;

しかし、その中で一番近いものが見つかりました!!
写真下や中央右のものが三段箱の元ネジ。
そして、写真中央に写っている頭が特殊な形になっているネジたちが使えそうだと判断。
ネジの径が近く、ピッチも細かい。。。
ん!?これは今年解体したスヌーピー時計のベル留めネジじゃ~ないですか!
ナンと、こんな場面で役に立つとは~~~スヌーピーに感謝!!(^^)/

箱にねじ込んでみましたが、、、OK!
よし!加工に入りましょう。

万力に挟んで、オイルを垂らします~

そして、ダイヤモンドノコギリ刃でゴリゴリと、、、

ちょっと時間かかりましたが、やっとこさカット完了。

右の元ネジと比べると、長さは大体こんなものでしょう。

さて、大枠での研磨開始です。
今度はダイヤモンドヤスリでゴリゴリです(^^;
頭を削って、、、

ネジ切りの方もゴリゴリです。。。

機械の手も借りましょう~ルーター君お願い(^_^;)

ドリルにも挟んでやっちゃいましょう!
これイケルじゃ~ないですか!!最初からすれば良かった~(;'∀')

ようやく完成~。

色は少し違いますが、漆をかけるなどして後で仕上げしますかね。
形は元ネジとかなり似たものになったかと思います。

念のため、もう一度箱にねじ込んでみて、、、
うん、良さそうです。
次は内布の修理もしないとですね~。
つづく。。。
今日の修理作業メインは、ネジづくりであります。
塗りの修理は摺り漆&磨き工程に入っており、
しっかり乾かしている間にネジを作っておこうという流れです。
三段箱の支え金具を留めているネジは一つ無くなっておりまして、
どうにかこれを補完しなければなりません。
ということで、、、当方でこれまで収集してきたネジたちの出番です!
やはり時代が違うのか、、、なかなか合うものが見つからず!!
どうも今の規格とネジ切りのピッチが一致するものがありません~(^^;
しかし、その中で一番近いものが見つかりました!!
写真下や中央右のものが三段箱の元ネジ。
そして、写真中央に写っている頭が特殊な形になっているネジたちが使えそうだと判断。
ネジの径が近く、ピッチも細かい。。。
ん!?これは今年解体したスヌーピー時計のベル留めネジじゃ~ないですか!
ナンと、こんな場面で役に立つとは~~~スヌーピーに感謝!!(^^)/
箱にねじ込んでみましたが、、、OK!
よし!加工に入りましょう。
万力に挟んで、オイルを垂らします~
そして、ダイヤモンドノコギリ刃でゴリゴリと、、、
ちょっと時間かかりましたが、やっとこさカット完了。
右の元ネジと比べると、長さは大体こんなものでしょう。
さて、大枠での研磨開始です。
今度はダイヤモンドヤスリでゴリゴリです(^^;
頭を削って、、、
ネジ切りの方もゴリゴリです。。。
機械の手も借りましょう~ルーター君お願い(^_^;)
ドリルにも挟んでやっちゃいましょう!
これイケルじゃ~ないですか!!最初からすれば良かった~(;'∀')
ようやく完成~。
色は少し違いますが、漆をかけるなどして後で仕上げしますかね。
形は元ネジとかなり似たものになったかと思います。
念のため、もう一度箱にねじ込んでみて、、、
うん、良さそうです。
次は内布の修理もしないとですね~。
つづく。。。
2022年05月13日
螺鈿三段箱の修理㉒ 手直しの手直し・・・
螺鈿三段箱の修理㉒ 手直しの手直し・・・
修理の手直しをしていましたら、、、
手直しの手直しが発生致しました(^^;

塗りが薄くなっていて、先日に調合漆を塗り重ねた部分。
慎重に研ぎを施し、螺鈿部分も研ぎ出しを。。。

どうやらここの螺鈿はイチョウの葉のようですが、、、
一旦平滑に砥いでから、螺鈿の上にまだ載っている漆を
カッターでこそぎ落として行きます。
これは漆芸専門的な用語で言うところの「剥き」の作業であります。

研ぎ終わってから、、、ムム!!
イチョウの葉ふたつに欠けが~(泣)
ま~しかし、いつもの気持ち切り替えです。
小さ目で単純な形状の欠けでありますし、
だいぶ膠の扱いも慣れてきましたので、
ここは手短に対処~修理致しましょう。

補完螺鈿を作りまして~~

シンプルに膠でブニュっとくっつけます。

今回は1日置いてしっかり乾かし、
研ぎを施してOK状態に!
わずかな隙間に錆を擦り込んで、、、
さて、また摺り漆&磨きの工程に戻ります。
つづく。。。
修理の手直しをしていましたら、、、
手直しの手直しが発生致しました(^^;
塗りが薄くなっていて、先日に調合漆を塗り重ねた部分。
慎重に研ぎを施し、螺鈿部分も研ぎ出しを。。。
どうやらここの螺鈿はイチョウの葉のようですが、、、
一旦平滑に砥いでから、螺鈿の上にまだ載っている漆を
カッターでこそぎ落として行きます。
これは漆芸専門的な用語で言うところの「剥き」の作業であります。
研ぎ終わってから、、、ムム!!
イチョウの葉ふたつに欠けが~(泣)
ま~しかし、いつもの気持ち切り替えです。
小さ目で単純な形状の欠けでありますし、
だいぶ膠の扱いも慣れてきましたので、
ここは手短に対処~修理致しましょう。
補完螺鈿を作りまして~~
シンプルに膠でブニュっとくっつけます。

今回は1日置いてしっかり乾かし、
研ぎを施してOK状態に!
わずかな隙間に錆を擦り込んで、、、
さて、また摺り漆&磨きの工程に戻ります。
つづく。。。
2022年05月10日
螺鈿三段箱の修理㉑ 修理手直し・・・
螺鈿三段箱の修理㉑ 修理手直し・・・
螺鈿三段箱の修理は、いよいよ終盤戦。
摺り漆した後、全体を確認しますとやはり、、、
問題のあるところを幾つか発見です!(^^;

一回貼り直した岩山稜線の螺鈿。。。
膠で貼った時、どこかに空気が入っていたようで
裏面に大きく3ヵ所の丸く白い箇所=浮きが!(涙)
螺鈿の周囲が漆でしっかりくっついていましたので、
心を鬼にしてバラバラにして剥がしまして、、、

新しい螺鈿を貼り直しました!!
今度はもうくどいくらい確認しながら貼りましたし、
際の処理もしっかりしましたので、さすがに大丈夫なはずです(^^;

そして本日は、2度目の摺り漆がしっかり乾いたところで
また胴擦り(磨き)を、、、

螺鈿が多い面は、布で螺鈿を引っ掛けるのが嫌ですから、
慎重に手磨きも交えながら磨きます。。。

すると、、、あ~またメイン=上蓋のところ、
しかも主人公的なモチーフ=お城の屋根に手直し部分を発見!
布が少し引っかかるな~と思っておりましたら、
屋根の下がちょっと浮いて来たようです。
下の際を超慎重にカッターでほじりまして、
少し水を加えた希釈気味のトロトロ膠を注入~~~。

浮いて白くなった部分の80%くらいには膠が行き渡り、
何とか事なきを得ました(^_^;)
少しドライヤーの冷風で乾かしてから、
細かめ番手のペーパーで丁寧に表面を砥ぎ、
はみ出た膠を除去しながら平滑になるよう整えます。

また、カッターでほじった部分の膠で埋め切れなかった隙間に
錆を擦り込んで埋め、これで一旦は処置完了です。

そしてもう一ヵ所!ビフォーの様子は撮っておりませんが、
胴擦りで塗膜が薄くなり、下地が出て来てしまった部分が見つかり、
ここを調合漆でうっすらと指塗りしました。

さぁ~またこれら手直し分をしっかり乾かしまして、
明日以降で摺り漆と磨きを繰り返して行きましょう!
つづく。。。
螺鈿三段箱の修理は、いよいよ終盤戦。
摺り漆した後、全体を確認しますとやはり、、、
問題のあるところを幾つか発見です!(^^;
一回貼り直した岩山稜線の螺鈿。。。
膠で貼った時、どこかに空気が入っていたようで
裏面に大きく3ヵ所の丸く白い箇所=浮きが!(涙)
螺鈿の周囲が漆でしっかりくっついていましたので、
心を鬼にしてバラバラにして剥がしまして、、、
新しい螺鈿を貼り直しました!!
今度はもうくどいくらい確認しながら貼りましたし、
際の処理もしっかりしましたので、さすがに大丈夫なはずです(^^;
そして本日は、2度目の摺り漆がしっかり乾いたところで
また胴擦り(磨き)を、、、
螺鈿が多い面は、布で螺鈿を引っ掛けるのが嫌ですから、
慎重に手磨きも交えながら磨きます。。。
すると、、、あ~またメイン=上蓋のところ、
しかも主人公的なモチーフ=お城の屋根に手直し部分を発見!
布が少し引っかかるな~と思っておりましたら、
屋根の下がちょっと浮いて来たようです。
下の際を超慎重にカッターでほじりまして、
少し水を加えた希釈気味のトロトロ膠を注入~~~。
浮いて白くなった部分の80%くらいには膠が行き渡り、
何とか事なきを得ました(^_^;)
少しドライヤーの冷風で乾かしてから、
細かめ番手のペーパーで丁寧に表面を砥ぎ、
はみ出た膠を除去しながら平滑になるよう整えます。
また、カッターでほじった部分の膠で埋め切れなかった隙間に
錆を擦り込んで埋め、これで一旦は処置完了です。
そしてもう一ヵ所!ビフォーの様子は撮っておりませんが、
胴擦りで塗膜が薄くなり、下地が出て来てしまった部分が見つかり、
ここを調合漆でうっすらと指塗りしました。
さぁ~またこれら手直し分をしっかり乾かしまして、
明日以降で摺り漆と磨きを繰り返して行きましょう!
つづく。。。
2022年05月06日
螺鈿三段箱の修理⑳ 固め&摺り漆・・・
螺鈿三段箱の修理⑳ 固め&摺り漆・・・
螺鈿接着が完了しまして、
仕上げに向けての作業を開始しました。

欠損螺鈿の補修部分は、
膠接着&乾燥後に摺り漆による固めを行い
さらに錆で螺鈿の際の隙間を埋めました。

その錆も乾燥しましたので、丁寧に砥ぎを施し、、、

他の塗面も研ぎを行って、、、

ようやく摺り漆を開始!
ここまでやっとこぎつけましたが、
まだまだ仕上げのための補足的作業は続きます。。。
この摺り漆は、言わば捨て置きみたいなもの。
摺り漆をすると、補修が至らない部分や、
研ぎ忘れたところが見つかりやすくなります。
発見したところを研いだり、補修塗りして
一つ一つ手直ししていくわけであります。
この補足作業をし終わってから、
ようやく仕上げに向けての本格的な摺り漆を開始です。
この何度となく繰り返して行う摺り漆によって、
細かい研ぎ足も消して行きましょう。
つづく。。。
螺鈿接着が完了しまして、
仕上げに向けての作業を開始しました。
欠損螺鈿の補修部分は、
膠接着&乾燥後に摺り漆による固めを行い
さらに錆で螺鈿の際の隙間を埋めました。
その錆も乾燥しましたので、丁寧に砥ぎを施し、、、
他の塗面も研ぎを行って、、、
ようやく摺り漆を開始!
ここまでやっとこぎつけましたが、
まだまだ仕上げのための補足的作業は続きます。。。
この摺り漆は、言わば捨て置きみたいなもの。
摺り漆をすると、補修が至らない部分や、
研ぎ忘れたところが見つかりやすくなります。
発見したところを研いだり、補修塗りして
一つ一つ手直ししていくわけであります。
この補足作業をし終わってから、
ようやく仕上げに向けての本格的な摺り漆を開始です。
この何度となく繰り返して行う摺り漆によって、
細かい研ぎ足も消して行きましょう。
つづく。。。
2022年05月05日
螺鈿三段箱の修理⑲ 螺鈿接着(本番)・・・
螺鈿三段箱の修理⑲ 螺鈿接着(本番)・・・
いよいよ欠損螺鈿の膠接着本番です。
先日作った膠や、膠練り砥の粉(膠粘土)は、
日が経って劣化している可能性もありますので、
ここは慎重を期して新しく作り直すことにしました。

まずは膠の原材料を用意。

またしても、ミニミニ鋸刃くんが登場!
これがまたハマりまして、研磨粉や微差カットで
加工しにくかった膠を細かく出来るわけであります!!
ホント活躍の場が広がりますね(^.^)

この小さくした膠たちを容器へ、、、

水を垂らします。。。

ここでお湯を溜めた魔法瓶を用意。
もう一つの魔法瓶にもあっつ熱のお湯を準備。
膠溶かすのに温度管理大切ですね。

はい、調整しながら溶かして~~トロトロに。

良い感じになったところで、防腐剤1滴垂らしておきましょう。
さ~いよいよ接着です。
膠の作業は時間勝負!手早くやらないとすぐ固まって来ます。
温めといて~欠損部にチョンと塗り、
サッと螺鈿を置いてブニュッと押し付ける。。。
そんな感じですので、写真を撮る余裕があまりありません(^^;

例の目立つ螺鈿の押し付けた様子。
ブニュッと膠がはみ出た感じがお分かりかと思います。

上蓋の数ある欠損部のラスト貼付まで来ました!
岩山の輪郭螺鈿は、膠粘土を塗って、、、

ハイ!OK、、、、と言いたいところでしたが、
余りにも茶色っぽいですね~(^^;
膠粘土を厚塗りし過ぎたようです。
この後、一旦ドライヤーで温めて剥がして貼り直し。
もう少し膠粘土を薄く塗って、
下地の錆がちょっと斑に見えるようにしました。
このように一発OK!となず、やり直しケースが多いのが、
経年変化のある品物の修理の特徴と言えるでしょう。

きれいにし過ぎてもダメ、風合いが似なくてはダメ!
というのが難しいところであります(^^;
つづく。。。
いよいよ欠損螺鈿の膠接着本番です。
先日作った膠や、膠練り砥の粉(膠粘土)は、
日が経って劣化している可能性もありますので、
ここは慎重を期して新しく作り直すことにしました。
まずは膠の原材料を用意。
またしても、ミニミニ鋸刃くんが登場!
これがまたハマりまして、研磨粉や微差カットで
加工しにくかった膠を細かく出来るわけであります!!
ホント活躍の場が広がりますね(^.^)
この小さくした膠たちを容器へ、、、
水を垂らします。。。
ここでお湯を溜めた魔法瓶を用意。
もう一つの魔法瓶にもあっつ熱のお湯を準備。
膠溶かすのに温度管理大切ですね。
はい、調整しながら溶かして~~トロトロに。
良い感じになったところで、防腐剤1滴垂らしておきましょう。
さ~いよいよ接着です。
膠の作業は時間勝負!手早くやらないとすぐ固まって来ます。
温めといて~欠損部にチョンと塗り、
サッと螺鈿を置いてブニュッと押し付ける。。。
そんな感じですので、写真を撮る余裕があまりありません(^^;
例の目立つ螺鈿の押し付けた様子。
ブニュッと膠がはみ出た感じがお分かりかと思います。
上蓋の数ある欠損部のラスト貼付まで来ました!
岩山の輪郭螺鈿は、膠粘土を塗って、、、
ハイ!OK、、、、と言いたいところでしたが、
余りにも茶色っぽいですね~(^^;
膠粘土を厚塗りし過ぎたようです。
この後、一旦ドライヤーで温めて剥がして貼り直し。
もう少し膠粘土を薄く塗って、
下地の錆がちょっと斑に見えるようにしました。
このように一発OK!となず、やり直しケースが多いのが、
経年変化のある品物の修理の特徴と言えるでしょう。
きれいにし過ぎてもダメ、風合いが似なくてはダメ!
というのが難しいところであります(^^;
つづく。。。
2022年05月04日
螺鈿三段箱の修理⑱ 欠損螺鈿作り・・・
螺鈿三段箱の修理⑱ 欠損螺鈿作り・・・
螺鈿の接着テストが完了しましたので、
いよいよ本番へ向けて欠損螺鈿を作ることにしました。
補修用の螺鈿を作るのは相当細かい作業になるので、
安定した体調とかなりの集中力が必要になります。
今回もその点は気を付けておりました。

まずは色味や模様が合った材を選抜します!
いつものことではありますが、
既存螺鈿に合ったものを見つけるのに、本当に苦労します(^^;

一番目立つ上蓋の螺鈿から開始!
屋根の角、、、じゃなかった鯱?の部分。

微細に加工を施し、ピッタリと!!

丸っとしたパーツ。
カットした後、更にコリコリと削り、、、

ここもピッタリと合わせます!

お城土台の四角パーツも、左上が欠損。
うん、ココは相当目立つところで細心の注意必要ですが、、、
何とか色味、厚み、輪郭OK!かな。
ふぃ~!(^^;
このような感じで全20ヶ所を作りました。
後は接着本番へ~つづく。。。
螺鈿の接着テストが完了しましたので、
いよいよ本番へ向けて欠損螺鈿を作ることにしました。
補修用の螺鈿を作るのは相当細かい作業になるので、
安定した体調とかなりの集中力が必要になります。
今回もその点は気を付けておりました。
まずは色味や模様が合った材を選抜します!
いつものことではありますが、
既存螺鈿に合ったものを見つけるのに、本当に苦労します(^^;
一番目立つ上蓋の螺鈿から開始!
屋根の角、、、じゃなかった鯱?の部分。
微細に加工を施し、ピッタリと!!
丸っとしたパーツ。
カットした後、更にコリコリと削り、、、
ここもピッタリと合わせます!
お城土台の四角パーツも、左上が欠損。
うん、ココは相当目立つところで細心の注意必要ですが、、、
何とか色味、厚み、輪郭OK!かな。
ふぃ~!(^^;
このような感じで全20ヶ所を作りました。
後は接着本番へ~つづく。。。
2022年05月02日
螺鈿三段箱の修理⑰ 螺鈿の膠接着テスト・・・
螺鈿三段箱の修理⑰ 螺鈿の膠接着テスト・・・
螺鈿接着の本番用テストを実施。
調合が難しそうな膠を使った接着テストとなりますが、
なんせ初の試みですので、、、
何かと調整を繰り返して~のテストとなりました(^^;

まずは材料と容器を準備。。。

この膠は、予め薄く固めたものであります。
既に防腐剤を混入済みでもあります。

これをパキパキに割りまして、、、

このくらい細かくなればOK。

容器に入れ、水でふやかします。。。

ドライヤーで温めながらトロトロに溶かしますが、、、
このとろみ加減の塩梅が難しく、何回も膠粒を加えまして
丁度良いと思われる状態に調整してみました。
後で別の調合も控えているため、
勘ですが、少しだけ薄めに調整するのが今回の肝かな?っと!
そして、何と言っても熱くなり過ぎに注意です!
膠は60℃以上になると接着力が落ちますので、
過去に熱乾燥機などで鉄板を触った時の感覚を思い出しつつ
手で触って判断しながら~となりました(^_^;)

調合完了!!

手に付けて、、、うむ、良さそうな感じ。

次に、調合テストの本丸=膠と砥の粉の混合!
体積比率は、、、何度かお試しした中で
良か塩梅となりそうなラインを見つけました。
温めると柔らかくなり、冷めると硬化するという
膠粘土の誕生です!(^^)/

いよいよ螺鈿を接着、、、
ん?一発OKの感じ!?ホントかな?(^^;
この後、しっかり乾燥、硬化させてから
剥離テストも行ってみましたが、大丈夫そうです。
いやはや、これで何とかなりそうですね~。
別の漆調合による接着テストもやってみましたが、
漆で接着すると均一に綺麗な感じになり過ぎることもあり、
色味や風合いに関してどうも経年変化した既存螺鈿の様子と馴染まず、、、
やはり膠粘土接着が良いとの結論に達しました。
さぁ~これでいよいよ螺鈿修理の本番に臨みましょう。
つづく。。。
螺鈿接着の本番用テストを実施。
調合が難しそうな膠を使った接着テストとなりますが、
なんせ初の試みですので、、、
何かと調整を繰り返して~のテストとなりました(^^;
まずは材料と容器を準備。。。
この膠は、予め薄く固めたものであります。
既に防腐剤を混入済みでもあります。
これをパキパキに割りまして、、、
このくらい細かくなればOK。
容器に入れ、水でふやかします。。。
ドライヤーで温めながらトロトロに溶かしますが、、、
このとろみ加減の塩梅が難しく、何回も膠粒を加えまして
丁度良いと思われる状態に調整してみました。
後で別の調合も控えているため、
勘ですが、少しだけ薄めに調整するのが今回の肝かな?っと!
そして、何と言っても熱くなり過ぎに注意です!
膠は60℃以上になると接着力が落ちますので、
過去に熱乾燥機などで鉄板を触った時の感覚を思い出しつつ
手で触って判断しながら~となりました(^_^;)
調合完了!!
手に付けて、、、うむ、良さそうな感じ。
次に、調合テストの本丸=膠と砥の粉の混合!
体積比率は、、、何度かお試しした中で
良か塩梅となりそうなラインを見つけました。
温めると柔らかくなり、冷めると硬化するという
膠粘土の誕生です!(^^)/
いよいよ螺鈿を接着、、、
ん?一発OKの感じ!?ホントかな?(^^;
この後、しっかり乾燥、硬化させてから
剥離テストも行ってみましたが、大丈夫そうです。
いやはや、これで何とかなりそうですね~。
別の漆調合による接着テストもやってみましたが、
漆で接着すると均一に綺麗な感じになり過ぎることもあり、
色味や風合いに関してどうも経年変化した既存螺鈿の様子と馴染まず、、、
やはり膠粘土接着が良いとの結論に達しました。
さぁ~これでいよいよ螺鈿修理の本番に臨みましょう。
つづく。。。
2022年05月01日
ちょっとDIY・・・
ちょっとDIY・・・
今日は作業環境を整えるため
たまたまですが、日曜日にDIY(日曜大工)をば。。。(^^;

詳細はさておき、まずはうちにある長尺の板をカット。

やっぽぁ~刃はOLFA社やね!(^.^)
小さくともショイショイ正確に切れます。
休日のマンション内に大きな音が響かないようにするには
このミニミニのこ刃がよろしいでしょう。

カットしたらヤスって、、、

板揃いました~。

ガムテープで組み立てて、
作業机の片隅の、壁との隙間にセット。
実は、作業机の隅に載っているプラスチック製引き出し棚の底が安定せず
机からずり落ちそうになって歪みも生じて来ましたので、、、
ここはDIYで対処なのであります!

縦板(MDF合板)による支えと
底板(ベニヤ板のフタ)がこれで完成です。

左側(机の手前と壁)の隙間も安定していないので、
ここは厚めのステンレス板を置いておきましょう。
(※棚をより安定させる為に、ステンレス板は
後で横向きに置き直しました。)

棚の最下段を置いてみますと、、、
安定感OK!!

うむ、上々でっす(^^)/

これで棚の歪みも起きず、
引き出しもよりスムーズに動くことでしょう。
よかよかっ!!
今日は作業環境を整えるため
たまたまですが、日曜日にDIY(日曜大工)をば。。。(^^;
詳細はさておき、まずはうちにある長尺の板をカット。
やっぽぁ~刃はOLFA社やね!(^.^)
小さくともショイショイ正確に切れます。
休日のマンション内に大きな音が響かないようにするには
このミニミニのこ刃がよろしいでしょう。
カットしたらヤスって、、、
板揃いました~。
ガムテープで組み立てて、
作業机の片隅の、壁との隙間にセット。
実は、作業机の隅に載っているプラスチック製引き出し棚の底が安定せず
机からずり落ちそうになって歪みも生じて来ましたので、、、
ここはDIYで対処なのであります!
縦板(MDF合板)による支えと
底板(ベニヤ板のフタ)がこれで完成です。
左側(机の手前と壁)の隙間も安定していないので、
ここは厚めのステンレス板を置いておきましょう。
(※棚をより安定させる為に、ステンレス板は
後で横向きに置き直しました。)
棚の最下段を置いてみますと、、、
安定感OK!!
うむ、上々でっす(^^)/
これで棚の歪みも起きず、
引き出しもよりスムーズに動くことでしょう。
よかよかっ!!
2022年04月30日
螺鈿三段箱の修理⑯ 螺鈿テスト・・・
螺鈿三段箱の修理⑯ 螺鈿テスト・・・
修理の要=螺鈿貼付のテストを開始。

まずは本格的テストのための簡易テストを実施です。

本番では膠を使う予定ですが、
取り扱いの簡単なタイトボンドでお試し。
砥の粉に混ぜて接着してみました。

どうやら厚塗りより、薄塗りで接着した方が
既存螺鈿の様子に似てくるようです。

単純に剥がれたところには、水で濡らして螺鈿を仮置き。
膠での接着でも同様の雰囲気・色味になると思いますが、、、
うん!OKのようです。
今回は、既存螺鈿の元々の貼付方法が分からないのと
現状の傷んだ様子と符合させる必要もありますので、
テストするのはだいたい6パターンくらいを想定しています。
①剥離箇所の傷んでいない下地にそのまま螺鈿を貼る
②剥離箇所の傷んだ下地を作り直して螺鈿を貼る
③剥げかかって浮いている螺鈿を補強・接着する
以上のように現状の傷んだ様子は3パターンありますので、
それぞれどのような接着方法にするか選ぶ必要があります。
テストの結果次第では、その方法に修正を加える必要もあるでしょう。

下地を作り直している箇所は、
このようにニードルで錆に最終成形を加え、、、
いよいよ②のパターンでの本番待ちです(^^;
つづく。。。
修理の要=螺鈿貼付のテストを開始。
まずは本格的テストのための簡易テストを実施です。
本番では膠を使う予定ですが、
取り扱いの簡単なタイトボンドでお試し。
砥の粉に混ぜて接着してみました。
どうやら厚塗りより、薄塗りで接着した方が
既存螺鈿の様子に似てくるようです。
単純に剥がれたところには、水で濡らして螺鈿を仮置き。
膠での接着でも同様の雰囲気・色味になると思いますが、、、
うん!OKのようです。
今回は、既存螺鈿の元々の貼付方法が分からないのと
現状の傷んだ様子と符合させる必要もありますので、
テストするのはだいたい6パターンくらいを想定しています。
①剥離箇所の傷んでいない下地にそのまま螺鈿を貼る
②剥離箇所の傷んだ下地を作り直して螺鈿を貼る
③剥げかかって浮いている螺鈿を補強・接着する
以上のように現状の傷んだ様子は3パターンありますので、
それぞれどのような接着方法にするか選ぶ必要があります。
テストの結果次第では、その方法に修正を加える必要もあるでしょう。
下地を作り直している箇所は、
このようにニードルで錆に最終成形を加え、、、
いよいよ②のパターンでの本番待ちです(^^;
つづく。。。
2022年04月29日
螺鈿三段箱の修理⑮ 底面上塗り・・・
螺鈿三段箱の修理⑮ 底面上塗り・・・
螺鈿三段箱の修理シリーズも15回目に到達。
これだけ工程をこまめにアップすることは珍しいですが、
引き続き宜しくお願い致します(^^)
今日は底面の上塗りをば。。。
上塗り後は、研いで磨いて~の仕上げ工程に入りますので、
それ故にかなり緊張感を持って塗るのが毎度のこと。

まずは幾つかの種類の漆を調合して、、、

濾し紙で調合漆を濾して、、、

小さめの漆刷毛で塗ります~。
今日も雨がよく降って湿度が高いです。
表面の漆が湿気を吸って早く乾燥し過ぎ、
これがちぢみを起こす原因にもなりますので
遅乾タイプの漆を黒漆に混ぜて、
乾燥を遅らせて気味にしました。
塗りにくいところはヘラ付けしましたが、
出来るだけ薄く均すよう努めました。
いつものことですが、、、厚塗りもちぢみの原因になりますので
本当に気を付けねばなりません~(^^;
問題なく上手く乾いてちょうだい!(祈)と手を合わせるのも
やはりいつものことであります(^_^;)
螺鈿三段箱の修理シリーズも15回目に到達。
これだけ工程をこまめにアップすることは珍しいですが、
引き続き宜しくお願い致します(^^)
今日は底面の上塗りをば。。。
上塗り後は、研いで磨いて~の仕上げ工程に入りますので、
それ故にかなり緊張感を持って塗るのが毎度のこと。
まずは幾つかの種類の漆を調合して、、、
濾し紙で調合漆を濾して、、、
小さめの漆刷毛で塗ります~。
今日も雨がよく降って湿度が高いです。
表面の漆が湿気を吸って早く乾燥し過ぎ、
これがちぢみを起こす原因にもなりますので
遅乾タイプの漆を黒漆に混ぜて、
乾燥を遅らせて気味にしました。
塗りにくいところはヘラ付けしましたが、
出来るだけ薄く均すよう努めました。
いつものことですが、、、厚塗りもちぢみの原因になりますので
本当に気を付けねばなりません~(^^;
問題なく上手く乾いてちょうだい!(祈)と手を合わせるのも
やはりいつものことであります(^_^;)
2022年04月28日
螺鈿三段箱修理⑭ 小口上塗り・・・
螺鈿三段箱修理⑭ 小口上塗り・・・
螺鈿三段箱の修理は、傷埋め(補修塗り)が完了し、
研ぎ上がった小口から上塗りを開始しました。

一昨日に塗っていた上蓋の小口は、
もうしっかり乾いていますね。

箱本体の小口上塗り作業の様子。
透き漆をだいぶ多め(2倍程)に混ぜた特別調合の黒呂色漆で
本当に薄っすらと塗って行きます。
小口の厚みが増しますと、
箱どうしの重なり具合に支障が出るかもしれませんので
出来るだけ薄~く塗るよう、いつもと違う塗り方にしております!
実は漆刷毛や平筆でなく、
調合漆を薄くヘラづけしてから、指で均(なら)していくという方法。
手油が指に付いていると漆に混ざって乾かなくなりますので、
無水エタノールでしっかり指先の脱脂を行ってからの作業です。
かなり薄く塗れましたので、これで一先ずOK!
次は箱の底面上塗りに移ります。
つづく。。。
螺鈿三段箱の修理は、傷埋め(補修塗り)が完了し、
研ぎ上がった小口から上塗りを開始しました。

一昨日に塗っていた上蓋の小口は、
もうしっかり乾いていますね。
箱本体の小口上塗り作業の様子。
透き漆をだいぶ多め(2倍程)に混ぜた特別調合の黒呂色漆で
本当に薄っすらと塗って行きます。
小口の厚みが増しますと、
箱どうしの重なり具合に支障が出るかもしれませんので
出来るだけ薄~く塗るよう、いつもと違う塗り方にしております!
実は漆刷毛や平筆でなく、
調合漆を薄くヘラづけしてから、指で均(なら)していくという方法。
手油が指に付いていると漆に混ざって乾かなくなりますので、
無水エタノールでしっかり指先の脱脂を行ってからの作業です。
かなり薄く塗れましたので、これで一先ずOK!
次は箱の底面上塗りに移ります。
つづく。。。
2022年04月24日
螺鈿三段箱修理⑬ 研ぎ・・・
螺鈿三段箱修理⑬ 研ぎ・・・
螺鈿三段箱の修理は、諸々あって、
約1ヶ月ぶりに再開であります(^^;
既存漆面の凹みや傷の補修塗りがほぼ完了し、
昨日からは、塗った部分をひたすら研いでおります。

上蓋の補修箇所は目立ちますので、
特に神経を使いながら研ぎを施します。

螺鈿に掛かった部分の研ぎも行い、、、

後から螺鈿を貼り付ける凹みのところは、
小刀でちょっと輪郭成形も施します。

凹みの錆を削り過ぎてましたので、、、
もう一回仕上げの錆を擦り付けました。
ここは乾燥しましたら、最終的な凹み成形を行いまして、
いよいよ螺鈿貼りですね!

上蓋の内側は、外せなかった布部分を何とかマスクでき、
布と接している面を塗ることが出来ました。
ここも小口をしっかり研いで、必要あらばもう一回薄~く塗ります。
他に、研いでない補修塗り箇所がまだまだ沢山あります。
この三段箱の螺鈿補修は、まずは実験が必要な内容なので、
本作業まで暫くかかりそうですね~。
引き続き頑張りましょう。
つづく。。。
螺鈿三段箱の修理は、諸々あって、
約1ヶ月ぶりに再開であります(^^;
既存漆面の凹みや傷の補修塗りがほぼ完了し、
昨日からは、塗った部分をひたすら研いでおります。
上蓋の補修箇所は目立ちますので、
特に神経を使いながら研ぎを施します。
螺鈿に掛かった部分の研ぎも行い、、、
後から螺鈿を貼り付ける凹みのところは、
小刀でちょっと輪郭成形も施します。
凹みの錆を削り過ぎてましたので、、、
もう一回仕上げの錆を擦り付けました。
ここは乾燥しましたら、最終的な凹み成形を行いまして、
いよいよ螺鈿貼りですね!
上蓋の内側は、外せなかった布部分を何とかマスクでき、
布と接している面を塗ることが出来ました。
ここも小口をしっかり研いで、必要あらばもう一回薄~く塗ります。
他に、研いでない補修塗り箇所がまだまだ沢山あります。
この三段箱の螺鈿補修は、まずは実験が必要な内容なので、
本作業まで暫くかかりそうですね~。
引き続き頑張りましょう。
つづく。。。
2022年04月24日
化粧錆・・・
化粧錆・・・
生漆と水練り砥の粉(きめの細かい土)を混ぜて作る錆=さび。
漆塗りの時の下地としてヘラ付けされます。
私は「漆パテ」という言い方も独自にしておりますが、
この錆の調合は難しいもので、温度や湿度でも変わって来ます。
基本的に、水練り砥の粉1.0に対し、生漆0.7という比率なんですが、
夏場は生漆を少し少なめ、冬場はちょっと多めでも良し、、、といったところ。
夏場は錆がとても早く乾燥(硬化)しちゃいますので、
生漆の分量を多めにしてしまうと、錆の表面がサッと乾いた時
中が膿んだり、シワが出来る(ちぢんだりする)トラブルが発生しがちです。
反対に冬場になると、錆はゆっくり目に乾燥しますので、
生漆が多少多めでもそういうトラブルは発生しにくいんですね。
とは言え、多めにしすぎたり厚付けは禁物です。
ともかく、錆が上手く調合出来た時は、
ヘラ付けした時の仕上がりや乾燥の具合、
そして乾燥後に研いだ時の肌合いが素晴らしくなります。

前日の作業で作った錆はかなり上々。
大きな板の上に乗った小さな木っ端の片面に
作業で余った錆をヘラ付けしていたのですが、
中々良い感じで砥ぎ上がりました。(^.^)
このような肌合いになってこそ、
専門的にも以下のように呼ばれるんですが、、、
黒漆などで中塗りする前の美しい下地として
「化粧錆」という称号が与えられますね!(^^)/

余った錆は、このような大きな板にもヘラ付けし、
厚くなった段階で平滑に砥ぎ、
中塗りも施して試作用の手板にします。

さて、今回もまたまた余った漆が出来ましたのでヘラ付けします。
今度の錆は、上手く調合出来ていたかな?(^^;
生漆と水練り砥の粉(きめの細かい土)を混ぜて作る錆=さび。
漆塗りの時の下地としてヘラ付けされます。
私は「漆パテ」という言い方も独自にしておりますが、
この錆の調合は難しいもので、温度や湿度でも変わって来ます。
基本的に、水練り砥の粉1.0に対し、生漆0.7という比率なんですが、
夏場は生漆を少し少なめ、冬場はちょっと多めでも良し、、、といったところ。
夏場は錆がとても早く乾燥(硬化)しちゃいますので、
生漆の分量を多めにしてしまうと、錆の表面がサッと乾いた時
中が膿んだり、シワが出来る(ちぢんだりする)トラブルが発生しがちです。
反対に冬場になると、錆はゆっくり目に乾燥しますので、
生漆が多少多めでもそういうトラブルは発生しにくいんですね。
とは言え、多めにしすぎたり厚付けは禁物です。
ともかく、錆が上手く調合出来た時は、
ヘラ付けした時の仕上がりや乾燥の具合、
そして乾燥後に研いだ時の肌合いが素晴らしくなります。
前日の作業で作った錆はかなり上々。
大きな板の上に乗った小さな木っ端の片面に
作業で余った錆をヘラ付けしていたのですが、
中々良い感じで砥ぎ上がりました。(^.^)
このような肌合いになってこそ、
専門的にも以下のように呼ばれるんですが、、、
黒漆などで中塗りする前の美しい下地として
「化粧錆」という称号が与えられますね!(^^)/
余った錆は、このような大きな板にもヘラ付けし、
厚くなった段階で平滑に砥ぎ、
中塗りも施して試作用の手板にします。
さて、今回もまたまた余った漆が出来ましたのでヘラ付けします。
今度の錆は、上手く調合出来ていたかな?(^^;
2022年04月22日
春うららかなる工房・・・
春うららかなる工房・・・
1ヶ月ちょっとぶりと、ひさびさに糸島の工房へ行きましたが、、、
やはり切り株くんはモリモリになっていました(^^)/

今日は暖かくて気持ち良かったですね~切り株くん!

ちょっと来ない間に変化が、、、盛り土!?

お向かいの工房の方が砂利を引くとかで、土の表層を削ったのだとか。。。
こっちもモリモリ!!(^^;

今日のミッション=アワビ特大貝殻磨き。
作業完了!明日発送しましょう。

およよ!?工房入り口付近で、サビ散らかした百円玉発見!!
こちらさんも今度磨いちゃりましょか~(^.^)
ともかく、今日の工房は気持ち良かった!
春の暖かさが心地良く、うららかなる日和でありました(^^)/
1ヶ月ちょっとぶりと、ひさびさに糸島の工房へ行きましたが、、、
やはり切り株くんはモリモリになっていました(^^)/
今日は暖かくて気持ち良かったですね~切り株くん!
ちょっと来ない間に変化が、、、盛り土!?
お向かいの工房の方が砂利を引くとかで、土の表層を削ったのだとか。。。
こっちもモリモリ!!(^^;
今日のミッション=アワビ特大貝殻磨き。
作業完了!明日発送しましょう。
およよ!?工房入り口付近で、サビ散らかした百円玉発見!!
こちらさんも今度磨いちゃりましょか~(^.^)
ともかく、今日の工房は気持ち良かった!
春の暖かさが心地良く、うららかなる日和でありました(^^)/
2022年04月21日
春の落ち葉シーズン・・・
春の落ち葉シーズン・・・
仕事の合間の健康ジョグシリーズ。
今回は春の落ち葉のお話です。

最近は日差しが暖かく、過ごしやすくて
本当に気持ちの良い季節になりました。

そして今は新緑が美しい時期ですが、、、

健康ジョグルートの根性階段では、たくさんの落ち葉が!!
たぶん新しい葉に衣替えする時は、
木々はこのように古い葉を散らすんですね~(^.^)

味わい深いもんです。。。

おっと!緑地の上の広場でも、たくさんの葉が落ちてますね。

ん!?こちらさんは間違って落ちてきたようです。。。(^^;
最近はお見せ出来ない仕事が多くて、
作業の写真があまりアップできないのが残念です。
また、製作以外の業務や短納期ご依頼品を先行していたため、
先月よくアップしていた螺鈿三段箱は修理を中断しておりました。
今週後半から作業を再開致しますので、引き続きご覧頂けたら幸いです。
よろしくお願い致します(^^)/
仕事の合間の健康ジョグシリーズ。
今回は春の落ち葉のお話です。
最近は日差しが暖かく、過ごしやすくて
本当に気持ちの良い季節になりました。
そして今は新緑が美しい時期ですが、、、
健康ジョグルートの根性階段では、たくさんの落ち葉が!!
たぶん新しい葉に衣替えする時は、
木々はこのように古い葉を散らすんですね~(^.^)
味わい深いもんです。。。
おっと!緑地の上の広場でも、たくさんの葉が落ちてますね。
ん!?こちらさんは間違って落ちてきたようです。。。(^^;
最近はお見せ出来ない仕事が多くて、
作業の写真があまりアップできないのが残念です。
また、製作以外の業務や短納期ご依頼品を先行していたため、
先月よくアップしていた螺鈿三段箱は修理を中断しておりました。
今週後半から作業を再開致しますので、引き続きご覧頂けたら幸いです。
よろしくお願い致します(^^)/
2022年04月19日
ニュージーランドアワビ貝の加工・・・
ニュージーランドアワビ貝の加工・・・
☆よかよかブログは、表示が正常になりました。
☆今日からまた記事アップを再開致します~。
先週後半にかけては、ご依頼案件に従って
ニュージーランドアワビ薄貝の加工を行っており、
用途に応じた分別や、端材の整理までしておりました。

薄貝の色味を確認しながらトリミングして
3種の色味に分別を行った様子です。
具体的なご依頼内容はここでは記載できませんが、
ニュージーランドアワビ貝やメキシコアワビ貝は、
たいへん色味が鮮やかで魅力的ですので、
使い方も様々であろうと思います。
但し、このような変化に富んだ色味の様子から、
制作イメージに落とし込むのは難しい点も多々あります。

ニュージーランドアワビ貝の同じ材を、
表裏の両方から撮影して比較した様子です。
このように、色味の様相が
表と裏でかなり違っている部位もあります。
これまでの経験からしまして、
ニュージーランドアワビ貝やメキシコアワビ貝は、
様々な方向から確認して用途に適した部位を見つけ
しっかり活用することが肝要ですね。
作品や商品への魅力を凄く高めてくれるので
ありがたい素材ではあります!(^.^)
☆よかよかブログは、表示が正常になりました。
☆今日からまた記事アップを再開致します~。
先週後半にかけては、ご依頼案件に従って
ニュージーランドアワビ薄貝の加工を行っており、
用途に応じた分別や、端材の整理までしておりました。

薄貝の色味を確認しながらトリミングして
3種の色味に分別を行った様子です。
具体的なご依頼内容はここでは記載できませんが、
ニュージーランドアワビ貝やメキシコアワビ貝は、
たいへん色味が鮮やかで魅力的ですので、
使い方も様々であろうと思います。
但し、このような変化に富んだ色味の様子から、
制作イメージに落とし込むのは難しい点も多々あります。

ニュージーランドアワビ貝の同じ材を、
表裏の両方から撮影して比較した様子です。
このように、色味の様相が
表と裏でかなり違っている部位もあります。
これまでの経験からしまして、
ニュージーランドアワビ貝やメキシコアワビ貝は、
様々な方向から確認して用途に適した部位を見つけ
しっかり活用することが肝要ですね。
作品や商品への魅力を凄く高めてくれるので
ありがたい素材ではあります!(^.^)
2022年04月11日
ペンギン卵・・・
ペンギン卵・・・

1週間ほど前に動物園で発見したペンギン卵!
調べますと、、、孵化するのは、35日~45日だとか。。。
ということは、、、5月上旬~中旬には赤ちゃんが続々と!(^.^)

他のお家でも、巣づくりに余念なく!
漆芸では、白彩色表現として「卵殻」という技がございますが、
あの比較的大きそうなペンギン卵の殻でやったらどうなのるか!?
そんな余計なことまで考えてしまいます~欲しい!(笑)
1週間ほど前に動物園で発見したペンギン卵!
調べますと、、、孵化するのは、35日~45日だとか。。。
ということは、、、5月上旬~中旬には赤ちゃんが続々と!(^.^)
他のお家でも、巣づくりに余念なく!
漆芸では、白彩色表現として「卵殻」という技がございますが、
あの比較的大きそうなペンギン卵の殻でやったらどうなのるか!?
そんな余計なことまで考えてしまいます~欲しい!(笑)
2022年04月04日
ニュージーランドアワビ貝研磨・・・
ニュージーランドアワビ貝研磨・・・

ニュージーランドアワビ貝の薄貝研磨(摺り貝)作業の様子。

いま、大量に使うご依頼案件がありまして、
加工するのに程良い薄さにしようとしております。
上の写真で少し現れておりますが、、、
アワビ薄貝の時とちょっとだけ違うことが一つ。。。
研ぎ汁が茶色いのです(^^; それはなぜか!?
ご覧の通り、ニュージーランドアワビ貝の真珠層には
黒い層が幾重にもサンドされており、
鮮やかな真珠層の白い研ぎ汁と混ざって、薄い茶色になるんですね。
ということは、、、この黒く見える層は!?
そう、相当濃い目のこげ茶~ということになるようですね!(^.^)
ニュージーランドアワビ貝の薄貝研磨(摺り貝)作業の様子。
いま、大量に使うご依頼案件がありまして、
加工するのに程良い薄さにしようとしております。
上の写真で少し現れておりますが、、、
アワビ薄貝の時とちょっとだけ違うことが一つ。。。
研ぎ汁が茶色いのです(^^; それはなぜか!?
ご覧の通り、ニュージーランドアワビ貝の真珠層には
黒い層が幾重にもサンドされており、
鮮やかな真珠層の白い研ぎ汁と混ざって、薄い茶色になるんですね。
ということは、、、この黒く見える層は!?
そう、相当濃い目のこげ茶~ということになるようですね!(^.^)
2022年03月26日
螺鈿三段箱の修理⑫ 上塗り・・・
螺鈿三段箱の修理⑫ 上塗り・・・
修理中の螺鈿三段箱は、
傷を埋めた底面や小口を先ほど黒漆で上塗りしました。
通常は側面をマスキングするんですが、、、
弱っている側面の既存塗面や螺鈿を剥がしてしまうおそれもあり、
マスクせずに気を使いながら刷毛塗りです。

刷毛が届かない所もありますんで、
底面はやっぱり難しかった!(^^;
動画撮影する余裕はなく、
ヘラで黒漆を丁寧に置いて均等に伸ばしてから~の刷毛ならしにしました。

底面に比べれば、小口はチョチョイのチョイ!(笑)
しか~し、その内側は布が迫っているので難しく、、、
塗らず仕舞いです(^^;
この上蓋の内布がしっかりと塗面へ噛んでいるだけに
ここだけマスキングテープが境目に入って行かないんですね~どうしよう!?
何とか手立てを考えるとして、次回へ後回しにします(^^;
つづく。。。
修理中の螺鈿三段箱は、
傷を埋めた底面や小口を先ほど黒漆で上塗りしました。
通常は側面をマスキングするんですが、、、
弱っている側面の既存塗面や螺鈿を剥がしてしまうおそれもあり、
マスクせずに気を使いながら刷毛塗りです。
刷毛が届かない所もありますんで、
底面はやっぱり難しかった!(^^;
動画撮影する余裕はなく、
ヘラで黒漆を丁寧に置いて均等に伸ばしてから~の刷毛ならしにしました。
底面に比べれば、小口はチョチョイのチョイ!(笑)
しか~し、その内側は布が迫っているので難しく、、、
塗らず仕舞いです(^^;
この上蓋の内布がしっかりと塗面へ噛んでいるだけに
ここだけマスキングテープが境目に入って行かないんですね~どうしよう!?
何とか手立てを考えるとして、次回へ後回しにします(^^;
つづく。。。