2020年12月08日

修復琵琶展へ・・・

修復琵琶展へ・・・


 本日初日となるドリアーノ・スリス氏の修復琵琶展へ。
 修復における専門的な知識や、展示琵琶にまつわるお話など
 詳しくご説明を頂き、大変ありがたく思います。


当工房では琵琶に関するご依頼がこれまで幾つかありましたが、
琵琶についてはまだまだ分からないことばかり。
また後日伺って、より詳しく鑑賞するつもりです。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 14:57Comments(0)よもやま話楽器装飾

2020年10月01日

完成した琵琶塗りのご紹介・・・

完成した琵琶塗りのご紹介

ご依頼があってから、構想~完成までほぼ1年をかけて製作した琵琶塗りのご紹介です。


 今回は、ご自身が持つ筑前琵琶に塗りと装飾を施して欲しいとのご依頼でした。
 ご依頼主は、葵祭で有名な京都上賀茂神社の氏神を祀る加茂氏のご家系ご出身で、
 元宝ジェンヌでもらっしゃる方です。

 そのようなご自身の生涯、そして筑前琵琶に纏わる内容を
 琵琶塗りの中に込めるということで製作を承りました。

 ご依頼主のご希望もありましてモチーフは「植物」となり、
 お誕生日や宝塚歌劇団での在団年数、筑前琵琶(五弦の琵琶)など、
 関係する数(五、六、十一)で構成するという方向で意匠をまとめました。


 以上のような内容を軸として図案を作成し、仕様はそこから考えて行く・・・
 という流れで制作が進んで行きました。


 そして、腹板全体を色漆塗りに、加飾の大半を螺鈿細工にして
 部分的に蒔絵を施すということとなりました。


 ◎琵琶は霊的な楽器。図案をイメージする上で、少しストーリーを考えてみました・・・
 「音色の鳴る方へ十一輪の菫が導かれる。」
 「背景(中央)には凛として橘が立つ。華やかな流派としての象徴。花と実と成れ。」
 「傍らには双葉葵が茂り、菫と橘を見守る。」*源流・守護としての双葉葵
 「上方には天を向く橘と菫の花弁あり。『成就』を表す。」*橘と菫の会合。象徴的、紋章的に。

 ◎意匠的なコンセプトは・・・
 女性的に。エレガントで華やかな雰囲気に。
 東洋と中東の中庸的なイメージにして、格調ある紋様に。
 ベースの色漆には京紫を用いて「京都」を印象付け、緑や橙色をアクセントカラーに。


 図柄全体の右下には、、、
 源流としての『双葉葵』を。


 *『双葉葵』は、京都 上賀茂神社のご神紋です。


 中央には、筑前琵琶の創始者=橘旭翁とその流派=橘流に因んで「橘」を。
 *橘の実は、橙色の裏彩色を施したアワビ薄貝に金梨子地塗りを施して。


 *花弁には白蝶厚貝をレリーフ調に。
 *花弁の周囲には、金丸粉蒔絵で五つの音色の輝きを。


 そして、加飾全体をまとめるものとして、宝塚歌劇団の象徴=「菫(すみれ)」を配しました。
 *自然に見られる菫の姿から、紋様的な「菫唐草」へと変容させてみました。





実際に製作に入ってからも、新たな試みをしていた為に
試行錯誤が繰り返され、かなり時間や手間を要しました。

楽器としての機能の維持(下地設計)、白蝶厚貝を貼るタイミング、
橘の実をどのように表現するか・・・など、幾つも課題がありましたが、
何とか頭をひねりながら一つ一つクリヤーして、
やっと完成にこぎつけることが出来ました。

ここまで到達出来たことは、お客様の熱意とご協力の賜物でもあり、
心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました!^^

 ◎琵琶名称
  「紫漆蝋色塗 橘葵紋様菫唐草螺鈿琵琶」


☆本日は中秋の名月。ご依頼主が「月見の歌会」にて本琵琶を奏でられました。
 幽玄な世界をぜひご堪能下さい^^ icon100

 https://www.facebook.com/events/317206839724232
 10月1日 17:30〜20:00
 月見の歌会 -披講と静謐、笛と琵琶の豊かな時間

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:14Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り楽器装飾

2020年09月14日

琵琶塗り終わり、発送・・・

琵琶塗り終わり、発送・・・

ようやく琵琶塗りが終わり、さきほど発送しました。


 最後に磨きを入れた、半手(海老尾)と糸巻棒。
 磨き粉を使って布磨きを施しました。


 今回の梱包段ボールは、蓋被せ型に、、、
 どうか無事にお客様の元へ届きますように~祈!  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:00Comments(0)漆塗り楽器装飾

2020年09月12日

琵琶の部品修理・・・

琵琶の部品修理・・・

いよいよ最終段階に入っている琵琶塗りは、
納品前の修理も完了しました。

外れかかっていた弦が掛かる部品も、膠で海老尾へ接着。
要のところですから慎重に。。。


 琵琶本体に入っている亀裂などは修理済みで、
 この部品(右端)が最後となります。。。
 竹製ですが、もしかしますとあの高価な煤竹ですかね~汗!


 諸々準備して、、、


 残っている古い膠を研磨や水拭きで除去して、、、


 ニッパーで膠を粉々にして、、、水に入れます。


 これを60度以上にならないように加熱して、
 オイスターソース似のとろみ加減に。。。
 蜂蜜のようなベトベトになってはいけません~
 また、サラサラ~でもいけません!(^^;)


 慎重に貼り付け!
 一回失敗して再度やり直し、、、上手く行きました。


 2日経って確認~~ガッチリくっついているようです、、、良かった(^_^;)


さて、琵琶塗りも色々な加飾が全て終わりました。
10月の頭に公開予定ですので、
またよろしくご覧頂ければと思います。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:31Comments(0)木工楽器装飾

2020年08月15日

ギターヘッドインレイ完成~納品へ・・・

ギターヘッドインレイ完成~納品へ・・・

ギターヘッドインレイは、艶消しクリヤー塗装の乾燥が終わり、
納品の為の最終チェックと金具取り付けを行いました。


 塗装のためのマスキングを取り除いて、
 テープの跡などを清掃し、塗面などの最終チェックを完了。
 金具をケースから取り出して、、、


 所定の位置にセッティング、オン!
 金具の裏側をねじ止めします。


 ヘッドを表向きにして、、、


 ボルト付き弦巻き金具をしっかりペンチで留めて完了~。


 ケースに納まって下さい~。
 納品まで暫くお休みなさいまし^^
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:01Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工塗装楽器装飾

2020年08月06日

ギターヘッドの仕上げ塗装・・・

ギターヘッドの仕上げ塗装・・・

本日の工房作業は、アワビ貝殻のパーツ加工に加え、
ギターヘッドインレイ装飾の最終工程=艶消しクリヤー吹付塗装です。


 800番のサンドペーパーで最終研ぎをキッチリと。
 先日行ったピンホールの補修跡なども研ぎ切りました。。。


 マスキングの手直し。
 6つの穴も詰め直します。。。


 艶消しクリヤーを調合して、いよいよ最終塗装。
 この調合がですね、、、上手くいってればよいのですが(^^;
 ヘッド側面や裏面の元々の艶消し塗装と表情をそろえる必要があります。
 何分艶消しなのか、、、4分艶消し(40%艶が引けた状態)くらいとみて、
 艶消し剤をクリヤーに25%添加!という決断を!
 このさじ加減が仕上げの明暗を分けると言っても過言ではありません(^^;)


 吹いてみました(あっさり)。
 艶消しクリヤーは、厚吹き禁物!高熱による強制乾燥も✕!
 ということで、サラッと吹きます。
 厚過ぎ、熱し過ぎだと、艶が出ちゃいますので。


 ま~こんなもんでしょうか~(^^;)
 吹きっぱなしで仕上げとなりますから、結構緊張するもんなんです。
 失敗は許されない~。

あとは3~5日ほどかけて自然乾燥を。
表面の凹凸はもう少し治まることでしょう。
マスクを外した時、側面の艶消しの感じと似てくれれば良いのですが、、、
100%合うことはまず無いと思いますが、80%くらい似れば御の字です^^
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:09Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工塗装楽器装飾

2020年08月03日

真夏の貝磨き・・・

真夏の貝磨き・・・

いよいよ夏も本格化。
昨日は工房でアワビ貝殻研磨作業です。
少し雲が出てましたが、それでもかなり暑くて、
貝殻だけでなく、自分も水浴びしながらの作業に(^^;


 まずは、遠方から送られてきた重量級6枚を、、、


 うちのエース重量級4枚も加わってもらい、計10枚。
 うちのは一番重いもので250g=超特々大であります!^^
 これで今回のご依頼製作分は確保できるかと。。。


 先日クリヤーを吹き付けたギターヘッド。
 ナンと!!左端に気泡が、、、(;'∀')

吹いてた時は分かりませんでしたが、
作業中のあの大雨がやはり原因でしょうか、、、
後から浮いてきんでしょうね(泣)

ま~仕方ないので、この後しっかり研いで、
ほぼ全ての気泡を消しました。
螺鈿付近に残った10数個の気泡(ピンホール)は、
クリヤーを点差しして補修しました。
次こそは、艶消しクリヤーで仕上げ吹きを!(^^;


いや~、それにしても暑かったです。
帰宅してニュースを見ると、35℃くらいはあったらしいですが、、、
もう50過ぎて体力減退して来てますので、身体気を付けんとですね(^^;  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 08:28Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工塗装楽器装飾

2020年07月29日

梅雨末期~梅雨明け工房・・・

梅雨末期~梅雨明け工房・・・

それにしても、今日の糸島工房作業は、なかなか劇的でありました(^^;


 工房に到着してしばらくすると、、、
 凄いドシャ降りです。


 雨粒がデカい!!


 呆気に取られてばかりもいられず、、、
 まずはアワビ選別作業。


 次に、真珠貝の磨き作業。。。


 そんでもって本日のメイン、、、


 ギターヘッドの塗装作業。
 吹き付けてはドライヤーで乾かし~を繰り返し、けっこう厚吹きします。。。


 ナンと!再びのドシャ降り!!
 今回の方が凄い~~第2波です(^^;
 塗装に悪影響が出るやん!湿気大敵、やめて~!!


 工房脇の側溝が、、、
 みるみるアップアップになって行きます~
 もうオーバー!!汗


 大雨止んだと思ったら、、、
 いきなりスッキリ!何じゃこりゃ~汗
 どうやら梅雨明けのようです(^^;


 磨き上がった真珠貝。
 来月はどうか穏やかな月になりますように。。。(^^;

  


2020年07月27日

インレイの接着・・・

インレイの接着・・・

先日から本作業に入っているギターヘッドのインレイ装飾。
本セッティングが完了し、その後の作業へ。。。


 透明クリヤー塗料での接着が完了しました!
 インレイの周辺にまでクリヤーが塗られ、段差がついていますので、、、


 これを様々な研磨ツールを使って研いで、
 クリヤーとヘッド表面との段差を無くしました。。。

さて、この後はヘッド表面全体にクリヤーを吹き付けて行きます。
つづきはまた後日に~。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 10:46Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2020年07月23日

2器が並ぶ珍しい機会・・・

2器が並ぶ珍しい機会・・・


 作業中の一コマ~
 なかなかこの2器が並ぶ機会は、滅多にないと思うのでした。。。
 思わずパチリ☆です(^-^;

両器には同じく貝細工を施しておりますが、、、
楽器によって「螺鈿細工」「インレイ」という風に呼称が変わります。
☆ギターへの貝装飾は、、、どちらでしょうか?(^.^)

作業がまたちょっと遅れ気味になっています~。
引き続き頑張りましょう。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:37Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2020年07月22日

インレイのセッティング作業・・・

インレイのセッティング作業・・・

ギターヘッドインレイの本セッティング作業をご紹介。
いつものことではありますが、、、
セッティングというのはだいぶ神経を使う作業であります(^^;


 金具を取り外して、、、


 まずは研ぎから。。。


 ロゴマークよ、さようなら(^^;


 研ぎ上がった状態です。
 思いの外、表面にうねりがありました(^^;


 仮組したインレイを研ぎ面にセット。
 ここが本作業の肝ですね!ズレないように。。。


 本来の向きにして、インレイの位置や光具合を再確認します。


 大枠でマスキングをして、セッティング完了!!
 いよいよ次は本作業=接着です。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:50Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2020年07月20日

ギターヘッドのインレイ製作・・・

ギターヘッドのインレイ製作・・・

ギターヘッドのインレイご依頼がありまして、現在製作中です。


 絵柄はフラワーポッド!
 ふたの部分にニュージーランドアワビ薄貝を。
 その他は日本産アワビ薄貝(シルバー彩色)です。


 製作図面を確認しながらの、加工の様子。。。
 これから本セッティングをして、
 ギターヘッドに貼って行きます。。。

つづく。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:16Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2020年05月01日

補修用パーツほぼ完成・・・

補修用パーツほぼ完成・・・

少し格闘しましたが、まずは琵琶螺鈿補修パーツほぼ完成しました。


 入り込み難し!(^^;
 こういう所にはダイヤモンドヤスリが入って行かないので、金工用糸鋸歯にお願いします^^


 大体できましたね。。。既存の折れたパーツも念のためスペア作りました。
 新しく作ったパーツは既存パーツより白っぽいので、、、
 エイジング処理して少し黄味がかる感じにしないといけないかもしれません。


いかん!ジ~っとし過ぎて首がっ!パキッ☆
先は長し・・・(^^;  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:22Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2020年04月26日

激動の4月が終わり、混迷の5月へ・・・

激動の4月が終わり、混迷の5月へ・・・

新型コロナウィルスの影響で、
この4月の動きは公私ともに大変なものでした。。。

敢えてここで書かなくても、もう皆さんご存知のことですが、
経済、教育、生活など、社会全般に渡り、公も個人も様々な支障や制約が出たり、
またいろんな動きが日々出てきたりして、難しい局面が続きました。

このような流れは5月も続くのでしょうが、
各方面で、さてこれからどうしたものか!?という事態にも直面し、
どっちの方向に進むか、アレコレと悩ましいことにもなるでしょう。
そして、何らかの決断を下さなければならない時も必ず訪れるはずです。

但し、ウィルスの動静、また人の動きというのはかなり読めません。
一旦何かを決めても、また軌道修正が迫られる・・・ということも多くなるでしょう。
まずはこの5月、、、世間は混迷することでしょうが、
しっかりと先を見据えた方向性を公私ともいかに示せるかが、今後を占う意味で重要です。


当工房では、まずはご予約頂いているご注文案件を着実にこなしつつ、
コロナ収束後の展開や当方ができることを少しイメージしておいて、
ある程度事態が落ち着くまでの間に、それらをまた形にして行く時間を作ろうと考えています。

時には立ち止まってじっくり考える、、、そういう機会が訪れているような気もします。



 現在製作を進めている筑前琵琶の漆塗りと装飾。
 これから螺鈿細工を施して参りますが、またその様子は5月以降にご紹介致します。


 先日加工した厚貝螺鈿。家紋「抱き茗荷」の彫刻を施しています。
 この乱れた世相も一旦丸く収まりますように。。。(祈)


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:10Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り楽器装飾

2020年03月22日

工房も春本番へ・・・

工房も春本番へ・・・

先日行った糸島の工房では、お昼過ぎまで凄く良いお天気。
作業もはかどりました。


 雲一つない、素晴らしい青空。しかし風は強し!


 工房作業は、螺鈿材料の下準備と色の調合(調色)です。
 イメージ通りの色が出来たと思います~良かった!

しかし、、、夕方から風雲急を告げました~嵐!(^^;


天気の移り変わりは、今年は相変わらず短い周期でやってきますが
だんだんと春の陽気が訪れることも多くなって来ました。
これから更に暖かくなってくることでしょう。

新型コロナウィルスの感染拡大は、
主にヨーロッパが大変な状況へ。
しかし、日本も何とかこらえている感じで、
決して油断はできないと思います。

長期戦になることもあり得ますが、ここは何とか耐えて行くしかありません。
一人一人の忍耐と努力で、この困難を乗り越えましょう。
  
タグ :工房作業


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:48Comments(0)よもやま話漆塗り楽器装飾

2020年03月14日

琵琶塗りの中塗り作業・・・

琵琶塗りの中塗り作業・・・

琵琶塗りは中塗り工程へ。
しっかり下塗りを研いで「紫色漆」を塗りました。


 2回目の下塗り(黒漆)を施した塗面。しっかり乾かしました。


 まずは駿河炭で研いで、、、


 しっかりと研いで、、、汗


 ペーパーもかけて研ぎ終わり、、、またマスキングをし直しました。


 色漆を濾して、しっかり練って、、、


 塗り終わり、、、パチリ☆
 あれっ?ちょっと画像の明度が高いですね。
 実際の塗った色はここまで明るくなく、もう少し濃い感じ。
 乾燥するとより濃く、暗くなるはずです。


 翌日の中塗り塗面。
 乾燥した状態を見ますと、だいぶ濃い目に変化しています。
 色見本でお客様に提示した通り、蘇芳色(すおういろ)に近い紫になっています。

さぁ、これから螺鈿などの加飾に入ります。
まだまだ先は長いですが、頑張って参りましょう。


それにしましても、コロナショックの影響は凄いですね。
各方面、知人にも厳しい状況が続いています。
わたしの方でも少なからず影響が出ていますが、
何とか世界中の人々が協力して、
終息の方向に向かって欲しいと願うばかりです。


 コロナのこともあり、だいぶこもって作業ばかりしていましたので、時には外へお散歩です。
 大濠公園は子ども連れの方がたくさんいらっしゃいました^^

♪ Salyu「旅人」icon100
*琵琶作業中によく聴いています。
 制作は一つの旅のようなもの。
 歌詞の中に出てくる言葉=「いのちの色」をきらめかせよう、
 そして「新しい地平」を切り開こう~。

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:54Comments(0)漆塗り楽器装飾

2020年03月10日

琵琶塗りの下塗り作業・・・

琵琶塗りの下塗り作業・・・

琵琶塗りは下塗り工程へ。
「黒漆塗り」作業です。


 漆を下地に随分吸わせたので二日間乾かしました。
 触って、しっかり乾いたことを確認。。。


 サッと少し粗目のペーパーで空研ぎです。
 なかなか下地には手間がかかったので、この様子を見るとちょっと感慨深いですね。
 まだ完成もしていないのに(^^;


 黒漆を濾し紙で濾して大粒のブツ(ゴミ)を取り除き、いよいよ刷毛塗りです。
 久しぶりに大きい刷毛を使います。。。


 今回は下地と塗りの食いつきをしっかりさせたいため、黒漆は結構薄く塗りました。
 これからカッチリ乾かします。

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:15Comments(0)漆塗り楽器装飾

2020年03月09日

琵琶塗りの下地作業・・・

琵琶塗りの下地作業・・・

琵琶塗りの下地作業は、布着せ後、第5~10工程へ。
この一週間で、布目擦り~切粉地付け~錆付けへと進みました。

まずは、糊漆で貼り付けた布(寒冷紗)を粗目の紙やすりでしっかり研ぎ、布目擦りを行いました。
布目擦りとは、本来、布(紗)の目に錆(土と漆を混ぜたもの)を擦り付けて埋める作業ですが、
今回の琵琶下地では、諸々思案しまして、錆より粗目の切粉を使いました。


 切粉をプラスチック箆で薄目にしっかりと擦り付けて行きます。
 紗の目に沿って縦横に擦り付けますが、
 先に付けたところは、水と空気に漆が反応して、みるみる黒ずんで行きます。


 布目擦りの作業完了。
 擦り終わって15分もすると、もうこんなに黒くなっています。


 1日室で乾かし、「布目擦り」で擦り付けた切粉地をしっかり研ぎました。
 布目がまだ少し残っていますが、腹板の曲面自体はだいぶ滑らかになって来ましたね。。。


 切粉地付け完了。今回は少し厚目に。。。また、あっという間に黒くなって来ます。

普通ならこの後は地付け(粒子が大きめの地粉を含んだ漆パテをヘラ付けする工程)なのですが、
地付けをするとどうしても下地が厚くなりがちなので、省くことにしました。


 しっかり室で乾燥させた後、空研ぎして切粉地の状態を確かめ、、、
 妙な凹み等無しで状態OKということで、水研ぎです。


 水研ぎ後はマスキングテープを一旦剥ぎます。


 半月部分のマスクも取って、一旦きれいに。
 この際の清掃は、面倒でもこの段階でやっておかないと、
 後で剥がすのが大変になったり、仕上がりが悪くなる原因になりますので。。。


 マスクし直しての、、、固め作業。
 生漆を切粉地にたっぷり吸わせます^^


 よく吸い込んで行きますね~!
 幾つか箆用意してましたが、、、
 結局今回は、このプラスチック箆1本で用が足りました。


 全体に生漆が行き渡りまして、、、
 余分な生漆を布で拭き取ります。。。
 全体をしっかり拭き取って、固め完了です。


 室で一晩乾かした後、切粉地を軽く荒研ぎしてから
 錆(砥粉(土)、水、生漆を混ぜたもの)を作ります。

 指南書には「錆とは、層を作るよりも膚(はだ)を宜く(よろしく)するもの」とあります。
 厚塗りはせず、箆(ヘラ)で丁寧に薄く塗るのが寛容なり、、、です。


 錆を箆付けした状態です。
 やはり、錆付けは難しい。。。錆は結構早く固まるので時間との勝負。
 しかもムラなく丁寧に付けることが求められるので、箆さばきにも細心の注意が必要です。
 半月のところがですね~~まだまだ修行が必要です。、、、(^^;


 室で一晩乾かした後、研磨完了。
 錆地は大体これでもOKなのですが、、、


 昨晩つくってた残りの錆を、昨晩にも増して丁寧にうっすらと箆付けして行きます。


 私はこの2回目の錆付けを「化粧錆」と呼んでいます。
 昨日よりは半月辺りの錆、上手く箆付けできたような。。。


 翌日、一旦空研ぎをして全体をチェックしてから、このように水研ぎします。
 これは最後の下地研ぎ。指南書にもある通り、
 下塗りをし易くするため「特に注意して平坦に且つ平滑に」研ぐ必要があります。


 水研ぎが完了し、また一旦マスキングを取ります。


 半月の輪郭周辺はどうしても錆がせり上がって固まります。
 研いでも中々このせり上がりが取れないので、彫刻刀で削ります。


 錆研ぎ完了。大体きれいな曲面になったと思います。
 所々黒くなっている部分がありますが、
 ここは元の下地が少し高かったところで、錆が薄くなっています。
 マスキングをし直し、切粉地の時と同様、生漆で錆を固めます。


 生漆を箆付けして拭き取りました。
 やっと下地が完了です。室でしっかりと乾かしましょう。


以上が下地作業ですが、何回か似たような写真があったと思います。
大~小と、、、粒子の大きさが違う地を何回も重ねて作って行くという、
それこそ地道な同様の作業を行うのが漆下地です。
今回は大の粒子を省いた分、少し労力が減りましたが、
それでもこれだけの工程数が必要ということがお分かりかと思います。

今後は下塗り~中塗りと、いよいよ塗りの作業に入ります。
つづく。。。









  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:25Comments(0)漆塗り楽器装飾

2020年03月02日

琵琶塗り開始・・・

琵琶塗り開始・・・

新たな大物ご依頼品=琵琶が2月下旬に届きました。
補修箇所も直しながらの塗り&装飾となりますが、
納期が決まっておりますので、早速作業開始(^^;


 筑前琵琶に漆塗りと螺鈿蒔絵装飾のご依頼。
 この琵琶は90~100年物らしいです。。。
 ご依頼主はたいへん芸の御達者な方。気合が入ります(^^;


 割れが発生したところには、、、


 刻苧(こくそ)詰め。。。


 ガラス材で白蝶貝の代替補修アリ!(どうしましょう!?(^^;)


 お客様と電話でお打合せした結果、、、
 この覆手右側のガラス片は、取り除いて白蝶貝に取り換えることに。。。
 相当しっかりと接着剤でくっついていましたが、
 薬剤等を点滴しながらカッターでゴリゴリと1時間、、、ようやく取れました!
 

 先日、この欠損部分の白蝶貝は大枠カット。また成形して補修に充てます。


現在、下地作業を進めていますが、、、


 まずは木固めから、、、


 その後、凹みや窪みにも刻苧(こくそ)を詰めて、、、


 曲面全体がより滑らかになるよう、引込地付け(漆のパテ付け)を施しました。


 引込地をしっかり研いで、なだらかで歪みの取れた曲面を出し、、、


 寒冷紗を糊漆で貼る「布着せ」の作業へ。。。


 ヘラで糊漆をしっかりしごいて、簡易室で暫く乾かします。

まだまだ下地作業は続きますが、今回は楽器への塗りですので、
下地が厚過ぎて音に悪影響が出ては行けません。
かと言って、琵琶という楽器は、その特性として音鳴り、反響による振動が大きく強いので、
下地がもろいと塗りが剥げたり割れが出ることになりかねません。

下地は強固に、しかし出来るだけ薄く、、、そこら辺の塩梅が難しいところですね。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:10Comments(0)漆塗り楽器装飾

2019年09月08日

修理した琵琶糸巻 ご依頼主の元へ・・・

修理した琵琶糸巻 ご依頼主の元へ・・・

先月=8月のことではありましたが、、、
修理が完成して納品した琵琶糸巻が、
ご依頼主の元で本体に取り付けられたとのご連絡がありました。


 ☆メールで送って頂いた写真です。

音色も大変素晴らしく、重さも軽いとのことで、
糸巻は無事に機能を果たしているようです。安堵致しました。
丁寧な御礼のお言葉も頂きまして、本当に嬉しく思います!(^^♪

しかも、ご依頼主のお師匠様と兄弟子の方がこの琵琶をご覧になったところ、
なんと昭和の名工=津留崎鎮助作の貴重な琵琶であることが判明したとのお話でした。
このことを知って「あ~何とかなって良かったな~」っと、心の底から思った次第です。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:07Comments(0)漆塗り楽器装飾