2020年03月22日
工房も春本番へ・・・
工房も春本番へ・・・
先日行った糸島の工房では、お昼過ぎまで凄く良いお天気。
作業もはかどりました。

雲一つない、素晴らしい青空。しかし風は強し!

工房作業は、螺鈿材料の下準備と色の調合(調色)です。
イメージ通りの色が出来たと思います~良かった!
しかし、、、夕方から風雲急を告げました~嵐!(^^;
天気の移り変わりは、今年は相変わらず短い周期でやってきますが
だんだんと春の陽気が訪れることも多くなって来ました。
これから更に暖かくなってくることでしょう。
新型コロナウィルスの感染拡大は、
主にヨーロッパが大変な状況へ。
しかし、日本も何とかこらえている感じで、
決して油断はできないと思います。
長期戦になることもあり得ますが、ここは何とか耐えて行くしかありません。
一人一人の忍耐と努力で、この困難を乗り越えましょう。
先日行った糸島の工房では、お昼過ぎまで凄く良いお天気。
作業もはかどりました。

雲一つない、素晴らしい青空。しかし風は強し!

工房作業は、螺鈿材料の下準備と色の調合(調色)です。
イメージ通りの色が出来たと思います~良かった!
しかし、、、夕方から風雲急を告げました~嵐!(^^;
天気の移り変わりは、今年は相変わらず短い周期でやってきますが
だんだんと春の陽気が訪れることも多くなって来ました。
これから更に暖かくなってくることでしょう。
新型コロナウィルスの感染拡大は、
主にヨーロッパが大変な状況へ。
しかし、日本も何とかこらえている感じで、
決して油断はできないと思います。
長期戦になることもあり得ますが、ここは何とか耐えて行くしかありません。
一人一人の忍耐と努力で、この困難を乗り越えましょう。
2020年03月14日
琵琶塗りの中塗り作業・・・
琵琶塗りの中塗り作業・・・
琵琶塗りは中塗り工程へ。
しっかり下塗りを研いで「紫色漆」を塗りました。

2回目の下塗り(黒漆)を施した塗面。しっかり乾かしました。

まずは駿河炭で研いで、、、

しっかりと研いで、、、汗

ペーパーもかけて研ぎ終わり、、、またマスキングをし直しました。

色漆を濾して、しっかり練って、、、

塗り終わり、、、パチリ☆
あれっ?ちょっと画像の明度が高いですね。
実際の塗った色はここまで明るくなく、もう少し濃い感じ。
乾燥するとより濃く、暗くなるはずです。

翌日の中塗り塗面。
乾燥した状態を見ますと、だいぶ濃い目に変化しています。
色見本でお客様に提示した通り、蘇芳色(すおういろ)に近い紫になっています。
さぁ、これから螺鈿などの加飾に入ります。
まだまだ先は長いですが、頑張って参りましょう。
それにしましても、コロナショックの影響は凄いですね。
各方面、知人にも厳しい状況が続いています。
わたしの方でも少なからず影響が出ていますが、
何とか世界中の人々が協力して、
終息の方向に向かって欲しいと願うばかりです。

コロナのこともあり、だいぶこもって作業ばかりしていましたので、時には外へお散歩です。
大濠公園は子ども連れの方がたくさんいらっしゃいました^^
♪ Salyu「旅人」
*琵琶作業中によく聴いています。
制作は一つの旅のようなもの。
歌詞の中に出てくる言葉=「いのちの色」をきらめかせよう、
そして「新しい地平」を切り開こう~。
つづく。。。
琵琶塗りは中塗り工程へ。
しっかり下塗りを研いで「紫色漆」を塗りました。

2回目の下塗り(黒漆)を施した塗面。しっかり乾かしました。

まずは駿河炭で研いで、、、

しっかりと研いで、、、汗

ペーパーもかけて研ぎ終わり、、、またマスキングをし直しました。

色漆を濾して、しっかり練って、、、

塗り終わり、、、パチリ☆
あれっ?ちょっと画像の明度が高いですね。
実際の塗った色はここまで明るくなく、もう少し濃い感じ。
乾燥するとより濃く、暗くなるはずです。

翌日の中塗り塗面。
乾燥した状態を見ますと、だいぶ濃い目に変化しています。
色見本でお客様に提示した通り、蘇芳色(すおういろ)に近い紫になっています。
さぁ、これから螺鈿などの加飾に入ります。
まだまだ先は長いですが、頑張って参りましょう。
それにしましても、コロナショックの影響は凄いですね。
各方面、知人にも厳しい状況が続いています。
わたしの方でも少なからず影響が出ていますが、
何とか世界中の人々が協力して、
終息の方向に向かって欲しいと願うばかりです。

コロナのこともあり、だいぶこもって作業ばかりしていましたので、時には外へお散歩です。
大濠公園は子ども連れの方がたくさんいらっしゃいました^^
♪ Salyu「旅人」

*琵琶作業中によく聴いています。
制作は一つの旅のようなもの。
歌詞の中に出てくる言葉=「いのちの色」をきらめかせよう、
そして「新しい地平」を切り開こう~。
つづく。。。
2020年03月10日
琵琶塗りの下塗り作業・・・
琵琶塗りの下塗り作業・・・
琵琶塗りは下塗り工程へ。
「黒漆塗り」作業です。

漆を下地に随分吸わせたので二日間乾かしました。
触って、しっかり乾いたことを確認。。。

サッと少し粗目のペーパーで空研ぎです。
なかなか下地には手間がかかったので、この様子を見るとちょっと感慨深いですね。
まだ完成もしていないのに(^^;

黒漆を濾し紙で濾して大粒のブツ(ゴミ)を取り除き、いよいよ刷毛塗りです。
久しぶりに大きい刷毛を使います。。。

今回は下地と塗りの食いつきをしっかりさせたいため、黒漆は結構薄く塗りました。
これからカッチリ乾かします。
つづく。。。
琵琶塗りは下塗り工程へ。
「黒漆塗り」作業です。

漆を下地に随分吸わせたので二日間乾かしました。
触って、しっかり乾いたことを確認。。。

サッと少し粗目のペーパーで空研ぎです。
なかなか下地には手間がかかったので、この様子を見るとちょっと感慨深いですね。
まだ完成もしていないのに(^^;

黒漆を濾し紙で濾して大粒のブツ(ゴミ)を取り除き、いよいよ刷毛塗りです。
久しぶりに大きい刷毛を使います。。。

今回は下地と塗りの食いつきをしっかりさせたいため、黒漆は結構薄く塗りました。
これからカッチリ乾かします。
つづく。。。
2020年03月09日
琵琶塗りの下地作業・・・
琵琶塗りの下地作業・・・
琵琶塗りの下地作業は、布着せ後、第5~10工程へ。
この一週間で、布目擦り~切粉地付け~錆付けへと進みました。
まずは、糊漆で貼り付けた布(寒冷紗)を粗目の紙やすりでしっかり研ぎ、布目擦りを行いました。
布目擦りとは、本来、布(紗)の目に錆(土と漆を混ぜたもの)を擦り付けて埋める作業ですが、
今回の琵琶下地では、諸々思案しまして、錆より粗目の切粉を使いました。

切粉をプラスチック箆で薄目にしっかりと擦り付けて行きます。
紗の目に沿って縦横に擦り付けますが、
先に付けたところは、水と空気に漆が反応して、みるみる黒ずんで行きます。

布目擦りの作業完了。
擦り終わって15分もすると、もうこんなに黒くなっています。

1日室で乾かし、「布目擦り」で擦り付けた切粉地をしっかり研ぎました。
布目がまだ少し残っていますが、腹板の曲面自体はだいぶ滑らかになって来ましたね。。。

切粉地付け完了。今回は少し厚目に。。。また、あっという間に黒くなって来ます。
普通ならこの後は地付け(粒子が大きめの地粉を含んだ漆パテをヘラ付けする工程)なのですが、
地付けをするとどうしても下地が厚くなりがちなので、省くことにしました。

しっかり室で乾燥させた後、空研ぎして切粉地の状態を確かめ、、、
妙な凹み等無しで状態OKということで、水研ぎです。

水研ぎ後はマスキングテープを一旦剥ぎます。

半月部分のマスクも取って、一旦きれいに。
この際の清掃は、面倒でもこの段階でやっておかないと、
後で剥がすのが大変になったり、仕上がりが悪くなる原因になりますので。。。

マスクし直しての、、、固め作業。
生漆を切粉地にたっぷり吸わせます^^

よく吸い込んで行きますね~!
幾つか箆用意してましたが、、、
結局今回は、このプラスチック箆1本で用が足りました。

全体に生漆が行き渡りまして、、、
余分な生漆を布で拭き取ります。。。
全体をしっかり拭き取って、固め完了です。

室で一晩乾かした後、切粉地を軽く荒研ぎしてから
錆(砥粉(土)、水、生漆を混ぜたもの)を作ります。
指南書には「錆とは、層を作るよりも膚(はだ)を宜く(よろしく)するもの」とあります。
厚塗りはせず、箆(ヘラ)で丁寧に薄く塗るのが寛容なり、、、です。

錆を箆付けした状態です。
やはり、錆付けは難しい。。。錆は結構早く固まるので時間との勝負。
しかもムラなく丁寧に付けることが求められるので、箆さばきにも細心の注意が必要です。
半月のところがですね~~まだまだ修行が必要です。、、、(^^;

室で一晩乾かした後、研磨完了。
錆地は大体これでもOKなのですが、、、

昨晩つくってた残りの錆を、昨晩にも増して丁寧にうっすらと箆付けして行きます。

私はこの2回目の錆付けを「化粧錆」と呼んでいます。
昨日よりは半月辺りの錆、上手く箆付けできたような。。。

翌日、一旦空研ぎをして全体をチェックしてから、このように水研ぎします。
これは最後の下地研ぎ。指南書にもある通り、
下塗りをし易くするため「特に注意して平坦に且つ平滑に」研ぐ必要があります。

水研ぎが完了し、また一旦マスキングを取ります。

半月の輪郭周辺はどうしても錆がせり上がって固まります。
研いでも中々このせり上がりが取れないので、彫刻刀で削ります。

錆研ぎ完了。大体きれいな曲面になったと思います。
所々黒くなっている部分がありますが、
ここは元の下地が少し高かったところで、錆が薄くなっています。
マスキングをし直し、切粉地の時と同様、生漆で錆を固めます。

生漆を箆付けして拭き取りました。
やっと下地が完了です。室でしっかりと乾かしましょう。
以上が下地作業ですが、何回か似たような写真があったと思います。
大~小と、、、粒子の大きさが違う地を何回も重ねて作って行くという、
それこそ地道な同様の作業を行うのが漆下地です。
今回は大の粒子を省いた分、少し労力が減りましたが、
それでもこれだけの工程数が必要ということがお分かりかと思います。
今後は下塗り~中塗りと、いよいよ塗りの作業に入ります。
つづく。。。
琵琶塗りの下地作業は、布着せ後、第5~10工程へ。
この一週間で、布目擦り~切粉地付け~錆付けへと進みました。
まずは、糊漆で貼り付けた布(寒冷紗)を粗目の紙やすりでしっかり研ぎ、布目擦りを行いました。
布目擦りとは、本来、布(紗)の目に錆(土と漆を混ぜたもの)を擦り付けて埋める作業ですが、
今回の琵琶下地では、諸々思案しまして、錆より粗目の切粉を使いました。

切粉をプラスチック箆で薄目にしっかりと擦り付けて行きます。
紗の目に沿って縦横に擦り付けますが、
先に付けたところは、水と空気に漆が反応して、みるみる黒ずんで行きます。

布目擦りの作業完了。
擦り終わって15分もすると、もうこんなに黒くなっています。

1日室で乾かし、「布目擦り」で擦り付けた切粉地をしっかり研ぎました。
布目がまだ少し残っていますが、腹板の曲面自体はだいぶ滑らかになって来ましたね。。。

切粉地付け完了。今回は少し厚目に。。。また、あっという間に黒くなって来ます。
普通ならこの後は地付け(粒子が大きめの地粉を含んだ漆パテをヘラ付けする工程)なのですが、
地付けをするとどうしても下地が厚くなりがちなので、省くことにしました。

しっかり室で乾燥させた後、空研ぎして切粉地の状態を確かめ、、、
妙な凹み等無しで状態OKということで、水研ぎです。

水研ぎ後はマスキングテープを一旦剥ぎます。

半月部分のマスクも取って、一旦きれいに。
この際の清掃は、面倒でもこの段階でやっておかないと、
後で剥がすのが大変になったり、仕上がりが悪くなる原因になりますので。。。

マスクし直しての、、、固め作業。
生漆を切粉地にたっぷり吸わせます^^

よく吸い込んで行きますね~!
幾つか箆用意してましたが、、、
結局今回は、このプラスチック箆1本で用が足りました。

全体に生漆が行き渡りまして、、、
余分な生漆を布で拭き取ります。。。
全体をしっかり拭き取って、固め完了です。

室で一晩乾かした後、切粉地を軽く荒研ぎしてから
錆(砥粉(土)、水、生漆を混ぜたもの)を作ります。
指南書には「錆とは、層を作るよりも膚(はだ)を宜く(よろしく)するもの」とあります。
厚塗りはせず、箆(ヘラ)で丁寧に薄く塗るのが寛容なり、、、です。

錆を箆付けした状態です。
やはり、錆付けは難しい。。。錆は結構早く固まるので時間との勝負。
しかもムラなく丁寧に付けることが求められるので、箆さばきにも細心の注意が必要です。
半月のところがですね~~まだまだ修行が必要です。、、、(^^;

室で一晩乾かした後、研磨完了。
錆地は大体これでもOKなのですが、、、

昨晩つくってた残りの錆を、昨晩にも増して丁寧にうっすらと箆付けして行きます。

私はこの2回目の錆付けを「化粧錆」と呼んでいます。
昨日よりは半月辺りの錆、上手く箆付けできたような。。。

翌日、一旦空研ぎをして全体をチェックしてから、このように水研ぎします。
これは最後の下地研ぎ。指南書にもある通り、
下塗りをし易くするため「特に注意して平坦に且つ平滑に」研ぐ必要があります。

水研ぎが完了し、また一旦マスキングを取ります。

半月の輪郭周辺はどうしても錆がせり上がって固まります。
研いでも中々このせり上がりが取れないので、彫刻刀で削ります。

錆研ぎ完了。大体きれいな曲面になったと思います。
所々黒くなっている部分がありますが、
ここは元の下地が少し高かったところで、錆が薄くなっています。
マスキングをし直し、切粉地の時と同様、生漆で錆を固めます。

生漆を箆付けして拭き取りました。
やっと下地が完了です。室でしっかりと乾かしましょう。
以上が下地作業ですが、何回か似たような写真があったと思います。
大~小と、、、粒子の大きさが違う地を何回も重ねて作って行くという、
それこそ地道な同様の作業を行うのが漆下地です。
今回は大の粒子を省いた分、少し労力が減りましたが、
それでもこれだけの工程数が必要ということがお分かりかと思います。
今後は下塗り~中塗りと、いよいよ塗りの作業に入ります。
つづく。。。
2020年03月02日
琵琶塗り開始・・・
琵琶塗り開始・・・
新たな大物ご依頼品=琵琶が2月下旬に届きました。
補修箇所も直しながらの塗り&装飾となりますが、
納期が決まっておりますので、早速作業開始(^^;

筑前琵琶に漆塗りと螺鈿蒔絵装飾のご依頼。
この琵琶は90~100年物らしいです。。。
ご依頼主はたいへん芸の御達者な方。気合が入ります(^^;

割れが発生したところには、、、

刻苧(こくそ)詰め。。。

ガラス材で白蝶貝の代替補修アリ!(どうしましょう!?(^^;)

お客様と電話でお打合せした結果、、、
この覆手右側のガラス片は、取り除いて白蝶貝に取り換えることに。。。
相当しっかりと接着剤でくっついていましたが、
薬剤等を点滴しながらカッターでゴリゴリと1時間、、、ようやく取れました!

先日、この欠損部分の白蝶貝は大枠カット。また成形して補修に充てます。
現在、下地作業を進めていますが、、、

まずは木固めから、、、

その後、凹みや窪みにも刻苧(こくそ)を詰めて、、、

曲面全体がより滑らかになるよう、引込地付け(漆のパテ付け)を施しました。

引込地をしっかり研いで、なだらかで歪みの取れた曲面を出し、、、

寒冷紗を糊漆で貼る「布着せ」の作業へ。。。

ヘラで糊漆をしっかりしごいて、簡易室で暫く乾かします。
まだまだ下地作業は続きますが、今回は楽器への塗りですので、
下地が厚過ぎて音に悪影響が出ては行けません。
かと言って、琵琶という楽器は、その特性として音鳴り、反響による振動が大きく強いので、
下地がもろいと塗りが剥げたり割れが出ることになりかねません。
下地は強固に、しかし出来るだけ薄く、、、そこら辺の塩梅が難しいところですね。
新たな大物ご依頼品=琵琶が2月下旬に届きました。
補修箇所も直しながらの塗り&装飾となりますが、
納期が決まっておりますので、早速作業開始(^^;

筑前琵琶に漆塗りと螺鈿蒔絵装飾のご依頼。
この琵琶は90~100年物らしいです。。。
ご依頼主はたいへん芸の御達者な方。気合が入ります(^^;

割れが発生したところには、、、

刻苧(こくそ)詰め。。。

ガラス材で白蝶貝の代替補修アリ!(どうしましょう!?(^^;)

お客様と電話でお打合せした結果、、、
この覆手右側のガラス片は、取り除いて白蝶貝に取り換えることに。。。
相当しっかりと接着剤でくっついていましたが、
薬剤等を点滴しながらカッターでゴリゴリと1時間、、、ようやく取れました!

先日、この欠損部分の白蝶貝は大枠カット。また成形して補修に充てます。
現在、下地作業を進めていますが、、、

まずは木固めから、、、

その後、凹みや窪みにも刻苧(こくそ)を詰めて、、、

曲面全体がより滑らかになるよう、引込地付け(漆のパテ付け)を施しました。

引込地をしっかり研いで、なだらかで歪みの取れた曲面を出し、、、

寒冷紗を糊漆で貼る「布着せ」の作業へ。。。

ヘラで糊漆をしっかりしごいて、簡易室で暫く乾かします。
まだまだ下地作業は続きますが、今回は楽器への塗りですので、
下地が厚過ぎて音に悪影響が出ては行けません。
かと言って、琵琶という楽器は、その特性として音鳴り、反響による振動が大きく強いので、
下地がもろいと塗りが剥げたり割れが出ることになりかねません。
下地は強固に、しかし出来るだけ薄く、、、そこら辺の塩梅が難しいところですね。