2022年05月10日

螺鈿三段箱の修理㉑ 修理手直し・・・

螺鈿三段箱の修理㉑ 修理手直し・・・

螺鈿三段箱の修理は、いよいよ終盤戦。
摺り漆した後、全体を確認しますとやはり、、、
問題のあるところを幾つか発見です!(^^;


一回貼り直した岩山稜線の螺鈿。。。
膠で貼った時、どこかに空気が入っていたようで
裏面に大きく3ヵ所の丸く白い箇所=浮きが!(涙)

螺鈿の周囲が漆でしっかりくっついていましたので、
心を鬼にしてバラバラにして剥がしまして、、、


新しい螺鈿を貼り直しました!!
今度はもうくどいくらい確認しながら貼りましたし、
際の処理もしっかりしましたので、さすがに大丈夫なはずです(^^;



そして本日は、2度目の摺り漆がしっかり乾いたところで
また胴擦り(磨き)を、、、


螺鈿が多い面は、布で螺鈿を引っ掛けるのが嫌ですから、
慎重に手磨きも交えながら磨きます。。。


すると、、、あ~またメイン=上蓋のところ、
しかも主人公的なモチーフ=お城の屋根に手直し部分を発見!
布が少し引っかかるな~と思っておりましたら、
屋根の下がちょっと浮いて来たようです。

下の際を超慎重にカッターでほじりまして、
少し水を加えた希釈気味のトロトロ膠を注入~~~。


浮いて白くなった部分の80%くらいには膠が行き渡り、
何とか事なきを得ました(^_^;)

少しドライヤーの冷風で乾かしてから、
細かめ番手のペーパーで丁寧に表面を砥ぎ、
はみ出た膠を除去しながら平滑になるよう整えます。


また、カッターでほじった部分の膠で埋め切れなかった隙間に
錆を擦り込んで埋め、これで一旦は処置完了です。


そしてもう一ヵ所!ビフォーの様子は撮っておりませんが、
胴擦りで塗膜が薄くなり、下地が出て来てしまった部分が見つかり、
ここを調合漆でうっすらと指塗りしました。


さぁ~またこれら手直し分をしっかり乾かしまして、
明日以降で摺り漆と磨きを繰り返して行きましょう!

つづく。。。









  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:32Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り