2022年09月19日

螺鈿硯箱の修理⑦ 裏色づくり・・・

螺鈿硯箱の修理⑦ 裏色づくり・・・

数日前から本番用の螺鈿裏色調合を行っております。


まずは試作色の最有力候補に近づけるよう
各漆と白顔料(チタン白)の配合分をガラス定盤上に置き、、、


混ぜます。。。


ひたすら混ぜ続けて20分、、、
本番前テストとして、また薄貝10mm角に塗り、
2日程乾燥させます。


そして本日確認したところ、、、
ちょっと黄味や茶に偏っているのを確認。
調整が必要となりました(^_^;)


試作色の結果から、勘ではありますが
チタン白など追加で必要とされる分量を取り出して、
またガラス定盤上に置き、、、


まずは基本的な定量分から混ぜて、、、


前回調合分(上)の色味を比較・確認してから、、、


全てを混合して、ひたすら混ぜ混ぜ。。。


再調合完了!しっかりヘラで掻き取って、
新たなラップ(左)に置いて包みます。


おっつ!左回りで掻き取った様子が台風のようで、、、(^^;



さて、ここからは既存螺鈿裏にも調合漆を塗って
確かめながら進めましょう。
2日後にはまた乾燥して結果が出るかと。。。


既存の明るい裏白色に近づけばいいんですが、、、
この白みを増すよう調合した分でも真っ白にはならず
既存裏色より濃い目になることでしょう。

しかし、今回作っているのは色漆ですので、
膠と胡粉を調合した既存裏色よりは、
密着性と強度が相当増すはずです(^.^)

また、既存螺鈿表側には、かなり厚めの摺り漆が施され
表面が茶色になっておりますので、これをどうにか取り除けば、
従来の螺鈿色味に近づけることが出来そうです。

しかしながら、金蒔絵の線(毛打ち)を残しながら摺り漆を取り除くのは、
なかなか難しいことのように思われますし、
昔からの風合いを出すことも容易ならざることです。

その辺りの仕上げ具合をどうするか頭に入れて、
今後進めて参りましょう。

つづく。。。








  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:06Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理