2023年01月13日

新頭金 夜光貝プレート接着・・・

新頭金 夜光貝プレート接着・・・

ご依頼で新しく作り直している頭金。
夜光貝フクロウ円盤をいよいよ真鍮土台(ボタン形状)へ接着させて完成です。

お客様へ念のため接着前の確認をしたところ、
頭金は結構高い温度に耐える必要であることが分かり、
接着方法を急遽変更です(^^;


夜光貝プレート接着の為、真鍮土台をセッティング。
さぁ、エポキシ樹脂で接着しましょうか~と思っておりましたが、
念のためお客様へ諸々確認、、、そして、あることが判明!

頭金は「能管」といった横笛の頭に、溶かした蜜蝋で埋め込まれます。。。
蜜蝋は、その位置や分量の増減が、笛全体の鳴りやバランスを大きく左右する要となるそうです。

お客様からご教授頂きましたが、蜜蝋が溶け出す温度は65~70℃。
頭金を取り換える時はアルコールランプで笛の頭を焙って外す、
頭金を取り付ける時はハンダごてを頭金の取っ手に当てて熱し
蜜蝋を溶かしながら嵌め込む等のご説明があり、、、
頭金の耐熱温度は余裕を持って100℃~120℃ほどは必要であろうかと思われました。

今回作っている夜光貝フクロウ円盤の真鍮への接着では
一般的には熱に強いと言われるエポキシ樹脂を予定しておりましたが、、、
使用している樹脂は熱変形温度が60℃、、、ちょっと低いのでギリ却下!と判断。
危ないところでした~(;'∀')

ということで、300℃の熱にも耐え得ると言われる漆での接着に急遽変更です。
但し、漆は真鍮といった金属に塗ると剥げやすいという難点がありますので、
密着性が上がる漆焼き付け実施~と相成りました(^^;


漆を塗って、トースターで焼き付けます。。。


漆が真鍮土台にしっかり融着しました。。。


これを研ぎまして、、、


呂瀬漆(接着用漆)を焼き付けた真鍮の表面、夜光貝の裏面ともに塗り、、、


丁度頃合いの良い半乾き状態になったところで、


慎重に貼り合わせます。。。緊張!!


しっかりと圧着した上、ズレをキッチリ補正して接着完了!
あとはじっと呂瀬漆の乾燥硬化を待つのみですね。

つづく。。。