2022年08月08日
新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・
新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・
新作鞘塗りは、ひたすら下地作りが続いておりますが、
昨日より四つ目の下地=「切粉地」の作業に入っております。
ここで一旦、本堅地の下地工程を概略で記しておきます。。。
1.木固め 2.布着せ 3.地付け 4.切粉地付け(今回) 5.錆付け
大きく分けると以上五つの工程となりますが、
それぞれが幾つかの工程に分かれている上、
塗って、乾かして、研いでという作業も各々にほぼくっついてくるため、
細分化しますと、下地だけで膨大な工程数となるわけであります。
ちょっと数えてみましたら、、、53工程!!ホント!?(;'∀')
今まで数えていなかったのですが、改めて多いな~と思いました(^^;
さて、昨日施した「切粉下付け」はしっかりと乾きまして、、、
粗目のペーパーで研磨するとこのように。。。
これからさらに「切粉上付け」していきます。
切粉地は、粗い粒子で出来た「地」と細かい粒子で出来た「錆」を合体させた
云わば中目の地でありまして、下地の中では中間層を成すこととなります。
作業中の写真は撮れませんでしたが、
まずは鞘背面にヘラ付けしました。。。
背面側が少し乾燥したところで、重要な確認を実施!
鯉口と鐺のパーツを一旦嵌めて、下地の高さを確認であります。
まずは鯉口から。。。
鐺も嵌めて確認。。。
うむ、、、こちらも良い感じに積層されて来てますね。
研いだ段階で、切粉地の厚みが均一に、
そして両パーツよりも少し低い状態が良し!です。
だいたい0.3~0.4mm程度低くなっている感じがベストでしょうか。
いまのヘラ付けした段階で、背面の切粉地の高さは、
鯉口と鐺に対しほぼ同じくらいになっていますので、
研いだ時に少しだけ両パーツよりも低い状態になるでしょう。
鞘前面も、切粉地をあとどのくらいの厚みにしたら良いかチェック出来ました。
ここからはヘラ付けする感覚が大切でして、まさに勘に頼るところが大きいですね(^^;
そして、先ほど鞘前面も「切粉上付け」が無事完了しました。
平滑さを出すため、また部分補修が少し必要となりそうですが、全体の厚みはこれで良し。
乾燥したら「地付け」の時と同様にしっかり研いで次の工程につなげます。
つづく。。。
新作鞘塗りは、ひたすら下地作りが続いておりますが、
昨日より四つ目の下地=「切粉地」の作業に入っております。
ここで一旦、本堅地の下地工程を概略で記しておきます。。。
1.木固め 2.布着せ 3.地付け 4.切粉地付け(今回) 5.錆付け
大きく分けると以上五つの工程となりますが、
それぞれが幾つかの工程に分かれている上、
塗って、乾かして、研いでという作業も各々にほぼくっついてくるため、
細分化しますと、下地だけで膨大な工程数となるわけであります。
ちょっと数えてみましたら、、、53工程!!ホント!?(;'∀')
今まで数えていなかったのですが、改めて多いな~と思いました(^^;
さて、昨日施した「切粉下付け」はしっかりと乾きまして、、、
粗目のペーパーで研磨するとこのように。。。
これからさらに「切粉上付け」していきます。
切粉地は、粗い粒子で出来た「地」と細かい粒子で出来た「錆」を合体させた
云わば中目の地でありまして、下地の中では中間層を成すこととなります。
作業中の写真は撮れませんでしたが、
まずは鞘背面にヘラ付けしました。。。
背面側が少し乾燥したところで、重要な確認を実施!
鯉口と鐺のパーツを一旦嵌めて、下地の高さを確認であります。
まずは鯉口から。。。
鐺も嵌めて確認。。。
うむ、、、こちらも良い感じに積層されて来てますね。
研いだ段階で、切粉地の厚みが均一に、
そして両パーツよりも少し低い状態が良し!です。
だいたい0.3~0.4mm程度低くなっている感じがベストでしょうか。
いまのヘラ付けした段階で、背面の切粉地の高さは、
鯉口と鐺に対しほぼ同じくらいになっていますので、
研いだ時に少しだけ両パーツよりも低い状態になるでしょう。
鞘前面も、切粉地をあとどのくらいの厚みにしたら良いかチェック出来ました。
ここからはヘラ付けする感覚が大切でして、まさに勘に頼るところが大きいですね(^^;
そして、先ほど鞘前面も「切粉上付け」が無事完了しました。
平滑さを出すため、また部分補修が少し必要となりそうですが、全体の厚みはこれで良し。
乾燥したら「地付け」の時と同様にしっかり研いで次の工程につなげます。
つづく。。。
この記事へのコメント
かゆくなる工程に ついついコメントをしたくなりました。
夏に ウルシを存分に扱うことができた年は、ゆったりとした時間を大切に使えた年だと記憶しています。
我が工作は、悲しいかな 納期の差し迫った都合で漆にかえてウレタン吹き付けに新規チャレンジする夏となっています。
うるしの上品なつやも カシューのぼってりとしたつやも そこにはありません。
ただ、あるのが 埃知らずのような加工が 可能でした。深みのない塗装をカバーするために、一日に5回も 塗り重ね、防毒マスクと不織布つなぎにお世話になっています。
明治生まれの方が制作した神輿の大屋根ををつついています。
どこにもいかず、休みも取らず 愚痴をこんなところでこぼしてしまいました。
伝統的な 塗り仕事の記事 楽しく読ませていただいています。
夏に ウルシを存分に扱うことができた年は、ゆったりとした時間を大切に使えた年だと記憶しています。
我が工作は、悲しいかな 納期の差し迫った都合で漆にかえてウレタン吹き付けに新規チャレンジする夏となっています。
うるしの上品なつやも カシューのぼってりとしたつやも そこにはありません。
ただ、あるのが 埃知らずのような加工が 可能でした。深みのない塗装をカバーするために、一日に5回も 塗り重ね、防毒マスクと不織布つなぎにお世話になっています。
明治生まれの方が制作した神輿の大屋根ををつついています。
どこにもいかず、休みも取らず 愚痴をこんなところでこぼしてしまいました。
伝統的な 塗り仕事の記事 楽しく読ませていただいています。
Posted by でるでる at 2022年08月11日 20:33
でるでる様
コメントを頂きましてありがとうございます。
かゆくなる~ですか!?(笑) たしかにおっしゃる通りで、漆に比較的強い私でも、この暑さで毛穴が開いたのか、さすがに最近かゆくなってきました!(>_<)
夏に漆を存分に~というお話は、何か示唆的な内容を含んでいるようですね。お仕事の内容や時期と関係しているようですが、気になります。
ウレタン吹付塗装を開始されたということですね。当方も時折やっておりますが、おっしゃる通りです。塗装効率は良く比較的安価ですが、やはり風合いは薄く、塗装環境も厳しいものがありますね。
当方では、下地としての利用や、商業的な意味合いのある用途、ある状況下で耐久性が求められる場合などでウレタン塗装は必要になっております。
でるでる様は、神輿の塗り直し?などでしょうか。ウレタン塗料は品質の良い商品もあるので、そのような伝統的なものの修復でも活用の場が広がっているようですね。それにしても、ものがかなり大きいのでなかなか大変な作業ではないでしょうか?
こちらは小物ばかりですが、何とか試行錯誤しながら、今回は漆塗りでやっている次第です~。引き続き宜しくお願い致します!
コメントを頂きましてありがとうございます。
かゆくなる~ですか!?(笑) たしかにおっしゃる通りで、漆に比較的強い私でも、この暑さで毛穴が開いたのか、さすがに最近かゆくなってきました!(>_<)
夏に漆を存分に~というお話は、何か示唆的な内容を含んでいるようですね。お仕事の内容や時期と関係しているようですが、気になります。
ウレタン吹付塗装を開始されたということですね。当方も時折やっておりますが、おっしゃる通りです。塗装効率は良く比較的安価ですが、やはり風合いは薄く、塗装環境も厳しいものがありますね。
当方では、下地としての利用や、商業的な意味合いのある用途、ある状況下で耐久性が求められる場合などでウレタン塗装は必要になっております。
でるでる様は、神輿の塗り直し?などでしょうか。ウレタン塗料は品質の良い商品もあるので、そのような伝統的なものの修復でも活用の場が広がっているようですね。それにしても、ものがかなり大きいのでなかなか大変な作業ではないでしょうか?
こちらは小物ばかりですが、何とか試行錯誤しながら、今回は漆塗りでやっている次第です~。引き続き宜しくお願い致します!
Posted by 瑞緒(ミズオ) at 2022年08月14日 23:08