2022年08月19日

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・

ずっと現物検証中だった螺鈿硯箱。
修理方針がようやく固まり、現在本作業に入っております。
まずは螺鈿剥がしから。。。

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
上蓋の全体像。螺鈿修理のオーダーですが、
複雑な加飾構造になっており、相当難易度が高い案件です。

螺鈿の裏に塗ってある白い塗料が曲者でして、
この分析と対処法、置換方法の検証に結構時間がかかりました。
しかも、、、バラバラになった後に一度何かの水溶性接着剤で補修されており、
難しさに拍車をかけています(^^;

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
この白い塗料は、幾つかの検証をした結果、
写真のように水で溶けることが分かりました。

他の溶剤等でも溶解テストを実施しましたが、
結局のところは水に対して溶ける様子が一番自然のようです。

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
溶け方の様子などから、恐らく胡粉を混ぜた膠ではないか?
との見方を強めています。

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
従って、まずは水攻めであります(^^)

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
ここからが剥がし作業のポイント。娘の髪の力を借ります!
小さいころに長髪をカットして大切に保管していたものがここで役に立つとは~
漆刷毛以外で人毛を使う機会があるとは思いませんでした!(;'∀')

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
細くてしなやかで切れない、、、中々の仕事っぷりです~助かる(笑)

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
だいたい剥がれてきたところで、OLFA刃の力も借ります。

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
無事分離~(^_^;) えっらい時間がかかりました。

螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
そしてまたひたすらヒコヒコと、、、
つづく。。。





同じカテゴリー(制作日記)の記事画像
籃胎漆器お盆の修理完成・・・
籃胎漆器の修理は終盤へ・・・
籃胎漆器お盆の修理再開・・・
貝殻パーツ作製 再び・・・
厳しい2月を乗り越え、3月へ・・・
寒暖差の激しい2月・・・
同じカテゴリー(制作日記)の記事
 籃胎漆器お盆の修理完成・・・ (2024-04-10 22:24)
 籃胎漆器の修理は終盤へ・・・ (2024-04-07 21:12)
 籃胎漆器お盆の修理再開・・・ (2024-03-29 10:03)
 貝殻パーツ作製 再び・・・ (2024-03-20 01:29)
 厳しい2月を乗り越え、3月へ・・・ (2024-03-02 12:18)
 寒暖差の激しい2月・・・ (2024-02-17 23:30)

この記事へのコメント
こんにちは、リメイク作業の始まりは塗料剥がし、螺鈿剥がしですね。
人毛で剥がしの作業の一端ができるのですね。先人の発想には追いつけませんし感心します。これからも楽しく見ています。
Posted by H.W at 2022年08月20日 10:34
H.Wさま

こんにちは、いつもご覧頂きありがとうございます。
剥がしの技術は幾つもあると思いますが、人毛による剥がしは今回初めてであります。細い釣り糸(ハリス)でも可能だと思いますが、どうも人毛の方が塗料を絡め取り易そうなので使ってみたら、かなり良い感じです。しかし、補修接着剤が使われた部分が強固で、なかなか苦戦しております。

既存螺鈿の状態を見て、たまたまこのやり方を思い付きました。過去の先人たちがやっていたかどうかは存じません!(^^;

ともかく、このやり方で相当時間はかかるでしょうが、何とかコツコツと地道に剥がして参ります~。
Posted by 瑞緒(ミズオ)瑞緒(ミズオ) at 2022年08月20日 16:45
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。