2009年04月30日

貝のお話

貝のお話

昨日は九州民芸村で作業。またまた、大変気持ちよく晴れた一日だった。

私が担当する螺鈿(らでん)工房には、ゴールデンウィークが本格的に始まったのか、たくさんのお客さんが訪れた。大体いらっしゃった方々には、貝のお話をするのが定番となっている。

やはり螺鈿に使う貝殻を間近に見たことがある方はマレで、南洋に旅行に行かれたヒトが少しご存知なくらいだ。ここでちょっと説明。

 ◆螺鈿(らでん)
  螺鈿とは、貝殻の真珠層を薄く板状にして加工したもので、
  装飾の世界では広く使われている素材。
  貝の種類にはいくつかあり、
  「アワビ貝」「白蝶貝」「黒蝶貝」「夜光貝」「アコヤ貝」などがある。


 ◆沖縄:西表島の友人から送ってもらった南洋の貝の写真。


 夜光貝:最高級の貝の材料で、食用としても高価。
      加工するのはもったいない感じ。
      とりあえず表面を磨いて工房内に飾っている。
      普段は、お客さんに見せたり持ってもらったり・・・と大活躍。(結構重い)


 高瀬貝:高級ボタンの材料として昔から利用されてきた。これも展示用。


 黒蝶貝:ボタンに加工される他、最近アクセサリーの材料としてよく目にする。
      表側は、研磨するとキレイな黒い層が出てくる。


 ◆その他の貝 ※当工房では、以下の貝も扱っている。



 アワビ貝:当工房の主力。
       通称は青貝(青くキレイに光る部分が多いので、こう呼ばれるのだろう)。
       写真をご覧になるとお分かりと思うが、表側も磨くと真珠層が現れて美しく光る。
       少しデコボコしているので、薄くスライスしたような状態まで研磨され、
       細かい細工に使われることが多い。
       虹色にキレイに光るので、様々な用途に使われる。


 白蝶貝:結構大きな、白く光る二枚貝。高級時計の文字盤に使用されることも多い。

 アコヤ貝:通称は真珠貝。文字通り真珠養殖に使われる、小さな二枚貝。結構薄い。
       (写真なし。後日掲載予定)


当工房では様々な貝をそろえているので、時々、遠方からも問い合わせがある。貝殻自体も販売できるので、ご興味のある方はお問合せを(なんか営業トークになってきた・・・)。

だいぶ長い間、貝装飾に携わってきたが、自然の作り出す美しさや輝きは、本当に素晴らしい。人間はそのおこぼれに預かって、ちょっと選ばせてもらって使っている感じ。宝石なども同じだと思うが、自然と人間との深みのあるやり取りが、貝装飾の世界には存在する。



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Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:41Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工