2023年09月29日

琵琶梱包・・・

琵琶梱包・・・

螺鈿の修理が完了した筑前琵琶。
お客様のご確認とご了承を頂きましたので、
いよいよ返送であります。

返送の際に必ず行うのが梱包作業。
お送りする品物に合わせて、
梱包材料の選択や梱包方法を考えなければなりません。

今回は「琵琶」という非常に特殊な品となりますので、
かなり対応力が求められます。
まずは琵琶から飛び出たパーツの保護から。。。

琵琶梱包・・・
弦(糸)をくくり付ける覆手前板の部分は、、、

琵琶梱包・・・
このようにスポンジ材を上下から挟み込ませて、、、

琵琶梱包・・・
後部をエアパッキンで包み込むように養生。

琵琶梱包・・・
海老尾が外された糸巻部分は、、、
出っ張った尖った螺鈿が非常に危ういので、、、

琵琶梱包・・・
海老尾の取付口に発泡スチロールを噛ませてから
エアパッキンで養生です。

琵琶梱包・・・
その後に、琵琶全体をエアパッキンで包み込みました。

琵琶梱包・・・
糸巻が付いた海老尾も、、、エアパッキンで養生です。

琵琶梱包・・・
そして、琵琶袋に本体を入れ、、、

琵琶梱包・・・
エアパッキンでもう一度包んだ上で、
エアークッションがつめつめの箱内に挿入です!

当方に届いた時に使われていたダンボール箱や梱包材を
今回はほぼ再利用することができましたが、
お送り頂いた時との相違点として挙げられるのは、
海老尾は取り外した形で本体と分けて梱包したことと、
飛び出たパーツの保護をより厳重に行った点です。

楽器である琵琶は、その名の通り流麗なビワの実の形であるため、
箱の中で動きやすく、固定しにくいという特徴があります。
また、飛び出た複雑なパーツもあるが故に、
配送時の振動で負荷がかかりやすい部位も持ち合わせていると言えます。

安全な運搬を遂行するためには、
これらの点を考慮した梱包方法が求められます。

当方にお送り頂いたご依頼主様は、
琵琶全体をエアークッションで包み込むという
たいへん理に叶った梱包方法を採用されていました。

この手法ですと、琵琶が箱の中で宙に浮いたような状態となり、
ほぼ傾きもせず、箱の面に当たることなく、
琵琶を安全に送付することが出来ますね。

何かしら固定しようとしてしまうと、琵琶のような自由形体のものは
大変難しい形の固定具やクッション材を用意しなければなりません。
以前、当方は琵琶配送でそのような手法を使ったことがありましたが、
かなりの労力を要したことを覚えております。

今回はご依頼主様(お客様)に梱包方法を学ばせて頂きました。
ありがとうございました!
また別の難しい形状の品でも、この方法で梱包したいと思います。
但し、、、非常に重たい物ではNG(使えない)と思いますが。。。(^^;

ともかく、今回の梱包はたいへん上手く行ったかと、、、
後は無事に届くことを祈るばかりですね。

行ってらっしゃい~(^.^)




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