2022年08月15日

新作鞘塗り⑯ 接合部・下地の補正・・・

新作鞘塗り⑯ 接合部・下地の補正・・・

先日接着した鯉口や鐺は、暫く乾燥させておりましたが、、、


接合部の麦漆がだいぶ瘦せ来て、
硬化が奥の方まで進んだようです。


このタイミングで補正作業を。。。
接合部の隙間に切粉地を掻き入れます。


乾燥後に一旦研いで、、、



再び切り粉地を掻き入れます。。。
隙間が深いので、数回入れ込む必要があるのです。
一度に掻き入れると中で下地が乾燥せずに膿みますので!(^^;


2度目の掻き入れも乾燥しましたので、
ちょいと彫刻刀で接合部に切れ込みを入れつつ、、、


ダイヤモンドヤスリの平タイプなども使って
丁寧に砥ぎ上げます。。。


さて、昨日の午前中、下地全体をチェックしていたところ、、、
ちょっと問題になっている部分を発見!!
写真を撮り忘れましたが、アールの部分に少しだけチヂミが発生していました。
後々のトラブルの元!このまま放っておくわけには行きません!!


早速切粉地を一枚剥いで見たところ、、、
う~む、やっぱりここの内部が乾燥せずにちょっと膿んでいましたか~汗。
膿んでいた部分を取り除き、研ぎを入れました。

慎重にやっていたつもりでしたが、
少しだけ厚目に付け過ぎたようで、いかんかったですね~(^_^;)


そして乾燥させながら3回切粉地を薄く付け直しました~。
この写真が最後の薄付けで、、、


先ほどしっかり研ぎ上げました。
これで大丈夫でしょう。

問題点はしっかり直して次に進む、、、これが肝要であります!
余談ですが、政治の世界でもぜひお願いしたいところですね(^^;

つづく。。。


☆貝殻を仕入れに料亭の大将のところにも。。。
 本日は終戦記念日。ベランダの隅に暫くお供えのように置いておきましょう。
 アワビ供養もしとかんとですね!合掌(^_^)
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:24Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月11日

新作鞘塗り⑮ 鯉口・鐺の接着・・・

新作鞘塗り⑮ 鯉口・鐺の接着・・・

さて、下地も最終段階に入って来た新作鞘塗り。
しかし、最後の下地=仕上げ錆付けをする前にする作業が!

鞘の刀身挿入口に付ける鯉口と、鞘の先端に取り付ける鐺、
この二つのパーツの接着であります。

鞘肌の高さと、この両パーツの高さをほぼ合わせる必要があり、
(実際は0.1~0.15mmほど鞘肌が低くなるようにしますが)
最後の錆付けの時は、このパーツがはまっていた方が合わせやすく、
いつも作業前に接着しておくようにしております。


切粉地の時に鯉口を一旦はめてみましたが、、、
あ~やはりきつくなってて全部はハマらない!(;'∀')

これは下地や環境の影響なのか、
鞘木地や鯉口がわずかに膨張・変化するためと思われます。


ということで、鯉口の嵌め口や木地を研磨調整。
とてもデリケートな部分ですので、最高度の慎重さが必要!
けっこう時間がかかります!!(;'∀')


あ~やっとピッタリとハマってくれました(^^;


鐺はそこそこの調整でハマってくれるのですが、
それでも時間がだいぶかかりました。


次に、接着剤の麦漆づくり。。。
強力粉を練り練りして、小麦粘土を作ります。
耳たぶくらいの柔らかさのミニボールに~(^.^)


そしてこのミニボールに生漆を混ぜてまた練り練り。
適正量混合に到達すると、このように
ねっちゃ~~っと糸を引く様になります(笑)


これを鯉口接合部分にベッタリと、、、


鐺部分にも同じく、、、
☆まるでキャラメルかチョコレートのようですね(^_^;)


押し込んで力強くグー!!


鯉口にもしっかり押し込んでピッタリと~
そして余分な麦漆を拭き取って、、、
無事に接合完了です!

両パーツとも、鞘木地の補強の意味もあり、
特に鯉口は刀身を挿入して留める部分ですので、
この接着作業には最大限の配慮が必要です。

接着剤の麦漆は、最深部が中々乾きませんが、
室に入れて2~3日乾燥させ、
まずは接合表面~中間部までを硬化させましたら
両パーツがある程度固定されますので、次の作業に移れるでしょう。

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:20Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月11日

新作鞘塗り⑭ 錆付け・・・

新作鞘塗り⑭ 錆付け・・・


粒子が中目の切粉地が出来上がりました。
一見つるっとした曲面に見えますが、、、


空研ぎするとわずかな凹みが見えて来ます(^^;

この荒らした表面に、今回は
細粒子の水練り砥の粉と生漆を混合した錆を付けて行きます。
漆芸の分野では「錆付け」と呼ばれる工程ですね。


砥の粉、濾し網(茶漉し)、漆を準備し、、、
あとは、水、ヘラ、ガラス定盤、拭き取り布、
そして清掃溶剤(無水エタノール等)が必要です。

今は気温や湿度がだいぶ高く、
錆の乾燥が恐ろしく早いことが予想されましたので
作業中の写真は撮っておりません!(^^;

精緻で手早さが必要になるため、
写真を撮る余裕は全くナシ!でありました(・_・;)


こちらは、錆付けした上で一旦空研ぎした鞘の状態です。
もう1~2回、仕上げの錆付けをする予定でありますが。。。

余った錆は、いつもはラップに包んでおくのですが、
この暑さで変質硬化気味となり、扱いづらくなる~という気もしましたので、、、


漆の板にしようと思ってとっていた写真タテの裏合板に
ベッタリとヘラ付けしちゃいました(^.^)

ま~これがまた早々によく乾くこと!!
このスピードについて行くのは容易ならざり!(;'∀')

ここまで来ましたら下地作業もあともう一歩。
しかし、鞘塗りの場合はその前にしなければならないことが一つアリ~
で次の作業へ、つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:12Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月10日

新作鞘塗り⑬ 切粉地固め・・・

新作鞘塗り⑬ 切粉地固め・・・

先日ヘラ付けした切粉地は、
湿気のある室(ムロ)でしっかり乾きました。


さて、まずは切粉地を研ぎましょう。
指南書では「水を付け、荒砥にて精確に研ぐ」と記されています。

その書の通り、精確さがこの段階で求められます!
切粉地の水研ぎは鞘形状の骨格となるため
非常に神経を使う大切な作業であります。


写真のように何度も鞘のラインを確認しながら研ぎます。


研ぎ上がった状態です。
今回はけっこう綿密に、慎重に、3時間くらいかけて研ぎました。

次は、「地固め」の時と同様の作業。
生漆を切粉地に含浸させて乾燥させ強固にする工程です。

下地は、各工程のヘラ付け作業後に
だいたいは固め作業を行うもの。
水研ぎの後は下地が弱くなるので尚更です。

下地は、乾燥後の粒子間に漆を含浸させますと、
より強固になり耐久性は格段に上がります。


ヘラでしごきながらしっかりと生漆を含浸させます。


そして余分な漆を拭き取りです。


拭き上がった状態です。
また、室(ムロ)でしっかり乾かせましょう。


室と言いましても、簡易的なダンボール製の箱(^^;
鞘は縦長ですので、うちのような手狭な所では
スペースをとらないためにもこのやり方が合理的なんですね~。

当方で独自に作った箱もあるのですが、
今回はメーカー様から届いた時の梱包箱を大切に活用しています。
しっかりとした造りでたいへん重宝しております(^.^)

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:32Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月08日

新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・

新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・

新作鞘塗りは、ひたすら下地作りが続いておりますが、
昨日より四つ目の下地=「切粉地」の作業に入っております。

ここで一旦、本堅地の下地工程を概略で記しておきます。。。
1.木固め 2.布着せ 3.地付け 4.切粉地付け(今回) 5.錆付け

大きく分けると以上五つの工程となりますが、
それぞれが幾つかの工程に分かれている上、
塗って、乾かして、研いでという作業も各々にほぼくっついてくるため、
細分化しますと、下地だけで膨大な工程数となるわけであります。

ちょっと数えてみましたら、、、53工程!!ホント!?(;'∀')
今まで数えていなかったのですが、改めて多いな~と思いました(^^;



さて、昨日施した「切粉下付け」はしっかりと乾きまして、、、


粗目のペーパーで研磨するとこのように。。。


これからさらに「切粉上付け」していきます。

切粉地は、粗い粒子で出来た「地」と細かい粒子で出来た「錆」を合体させた
云わば中目の地でありまして、下地の中では中間層を成すこととなります。


作業中の写真は撮れませんでしたが、
まずは鞘背面にヘラ付けしました。。。


背面側が少し乾燥したところで、重要な確認を実施!
鯉口と鐺のパーツを一旦嵌めて、下地の高さを確認であります。


まずは鯉口から。。。


鐺も嵌めて確認。。。
うむ、、、こちらも良い感じに積層されて来てますね。

研いだ段階で、切粉地の厚みが均一に、
そして両パーツよりも少し低い状態が良し!です。
だいたい0.3~0.4mm程度低くなっている感じがベストでしょうか。

いまのヘラ付けした段階で、背面の切粉地の高さは、
鯉口と鐺に対しほぼ同じくらいになっていますので、
研いだ時に少しだけ両パーツよりも低い状態になるでしょう。

鞘前面も、切粉地をあとどのくらいの厚みにしたら良いかチェック出来ました。
ここからはヘラ付けする感覚が大切でして、まさに勘に頼るところが大きいですね(^^;

そして、先ほど鞘前面も「切粉上付け」が無事完了しました。
平滑さを出すため、また部分補修が少し必要となりそうですが、全体の厚みはこれで良し。
乾燥したら「地付け」の時と同様にしっかり研いで次の工程につなげます。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:40Comments(2)漆塗り鞘塗り

2022年08月06日

新作鞘塗り⑪ 地固め・・・

新作鞘塗り⑪ 地固め・・・


新作鞘塗りは、前回の地上付けが乾燥しましたので、
粗目のペーパーなどを使って研ぎを施しました。

鞘の曲面を崩さないよう、ペーパーの当て方を工夫しながら
しっかりと慎重に研ぎ上げました。


次に、生漆を地に含浸させて強固に固める「地固め」を実施。
ヘラで生漆をしごいてしっかりと地に馴染ませます。


ワイプオールで余分な漆を拭き取って、、、


鞘のアール部分もしっかりと拭き上げます!
よく拭き取っておかないと、次に付ける下地の密着が悪くなりますので(^^;


Before~生漆を含浸させる前の状態。


After~生漆含浸後に拭き取った状態です~。


さて、この後はしっかり室(ムロ)でまた乾かしましょう。
つづく。。。


☆鞘塗り以外の作業も実施中~↓


修理ご依頼品のための螺鈿裏色調色テストを
何度も繰り返して実施中であります。


白漆をベースとして、黄漆、生漆、そしてチタン白も練り込んで、
様々なパターンでデータを取っています。


10mm角の青貝(薄)プレートに、これらを塗って乾燥させます。

湿度や時間の設定によって、乾燥の速さや色味が変わるため、
総合的に見て、どの調合と乾燥条件が最も欲しい色味に近づくか・・・
という試験をやっているわけであります。

非常に多くのパターンが考えられますが、
幾らやっても現物螺鈿の裏色(白)の再現はそもそも不可能ですし、
諸々の表面処理等を施すことも加味しての色味設定となりますので、
これらの点も計算に入れて、望んでいる色味への近似値を探っている状況です。

表面処理等というのはエイジング加工(経年変化の風合い再現)のことでありますが、
そのテストや試作も並行して実施しておりますので、
また具体的にお見せできる段階になりましたら公開させて頂きます(^^)/


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:02Comments(2)漆塗り鞘塗り

2022年08月04日

新作鞘塗り⑩ 地上付け・・・

新作鞘塗り⑩ 地上付け・・・

新作鞘塗りは、下地工程を引き続き進めておりますが。。。

前回下付けした「地」(粗目の漆パテ)がしっかり乾燥しましたので、
今度は同じ「地」を上から重ね付けする工程=「地上付け」です。


まずは下付けした「地」を粗目ペーパーで大略砥ぎます。


研ぐ前は平滑に見えても、研ぐと厚みのムラが分かるもの。。。
「地」を指で均す技には限界があり、どうしても多少のムラが出来るのです。

ムラを完全に解消するまで研いでしまうと
折角付けた地が本当に薄くなってしまい、
布目が見える部分も出て来てしまうので、
研磨はいつもホドホドにすることにしています。

鞘は微妙な三次曲面でありまして、
ヘラ付けで平均的な「地」の厚みを出すのはかなり難しく
所によっては厚過ぎる層が出来て、乾燥時にちぢみを引き起こしてしまいます。

そこで当方では、厚い層の発生を避けるため、
地付けの際に指で均すことを独自に行っています。
指で撫でるわけですから、多少の厚みのムラが出来てしまいますが、
それでもヘラ付けによる層のバラツキよりはかなりマシですので、
これは仕方ないものと捉えています。

そして、、、実は次の工程でこのムラは解消します(^.^)


「地上付け」の様子です。

少し大きめのヘラを使ってしごくように薄く「地」を上付けして行くのですが、
乾燥後の研ぎによって高さが揃った地の「山」がヘラのガイドとなり、
凹みのみに「地」が入って行くことによって、厚みのムラが解消されます。

今回は、これを乾燥させてから更にもう一回、
うっすらと地を全体に馴染ませるようにヘラ付けしました。
これで、層を増した平均的な厚みの地が出来たと思います。


「地上付け」の作業が完了。
今回もまた、ヘラ付けした先からみるみる黒くなっていきました。

いやはや、夏場はホント乾燥が早い。
漆下地工程には持って来い!のような、
ちょっと失敗しそうで怖いような。。。(^^;

次回はこの「地」をしっかり研いで次工程へ進みます。
つづく。。。





  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:58Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月03日

新作鞘塗り⑨ 地下付け・・・

新作鞘塗り⑨ 地下付け・・・


前回の工程で布目に擦り付けた錆が乾きました。

ヘラ付けした錆が少しだけ厚い部分もあったので、
一度研いでまた室(ムロ)に入れ、2度乾燥させております。
こうすれば、研いで表に出てきた乾燥不足の錆もしっかり乾きます(^.^)


2度目の研ぎが施された状態。
こちらに今度は粗目粒子の「地の粉」が混じった漆下地を塗って行きます。

漆芸では「地付け」という工程となりますが、
今回はその1回目の下付けということで「地下付け」と呼ばれます。


上新糊、地の粉、生漆を混合した「地」を練ります~。


まずは鞘の背面からヘラ付け&指均し(ならし)を。。。
今回も乾きが早くて、練っている先から「地」が茶色くなってきます。
写真のようにラップで覆っていないと、直ぐ変色して固くなってきますね!(^^;

地は厚塗り厳禁です!0.3mm厚が目安ですが、
それ以上の厚さになるとちぢみが発生して補修が必要に!(;'∀')

この後、前面も同様に付けましたが、無事に作業完了。
次なる工程は「地上付け」ということになります。
つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:10Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年08月02日

新作鞘塗り⑧ 「むら直し」「布目擦り」・・・

新作鞘塗り⑧ 「むら直し」「布目擦り」・・・

鞘木地に糊漆で貼った絹布がしっかり乾きました。
次の「むら直し」「布目擦り」の工程へ。。。


カチッと乾きましたね。
表面だけでなく、奥まで乾いたと思います。


継ぎ目も補修しましたので、だいぶ目立たなくなりました。

実は、布の継ぎ目は木地センターに取っていません。
それはなぜかと言いますと、鞘木地の継ぎ目がセンターだからです。

鞘木地は、対称形状に造作された前面(表)と背面(裏)の表裏一体型です。
木地の継ぎ目(貼り合わされた位置)は真ん中なのですが、
布の継ぎ目は、僅かに背面側にずらしているのであります。
このように継ぎ目をずらすことで、木地はより強固になると考えました。



さて、荒砥で布の表面に空研ぎを施す「むら直し」の作業です。
写真のように粗目のサンドペーパーで砥ぎましたが、
最初は試しに#240で研いだところ、もうちょい粗目で良いと思い、
結局は使い古しの#120で研ぎを施しました。


これで「むら直し」完了です。


次は、布目に錆(細かめの漆パテ)をヘラで擦り付ける「布目擦り」の作業。
まずは錆作りから。砥の粉を茶漉しで粉末にし、、、


作り過ぎた砥の粉は容器に入れ、残った適量の分を水練りして、、、
これに生漆を加え、錆が出来ます。


そして錆を布目にヘラで擦り付けて行きます~。

麻や寒冷紗のような目の粗い布を貼った場合は、
錆より粒子の粗い切粉地を使ってこの「布目擦り」を行うこともありますが、
今回は相当目の細かい絹を貼りましたので、
やはり粒子の細かい錆が布目に入って行きやすいと判断しました。

これもしっかり乾かして次に進みましょう~
つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:37Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年07月31日

新作鞘塗り⑦ 布目揃え・・・

新作鞘塗り⑦ 布目揃え・・・

もう7月も終わり、、、それにしても、今年の夏は本当に暑いですね!
こういう時は、ともかく体調管理には気を付けんといかんです。
コロナも流行っていることですし。。。(^^;

さて、鞘塗りの方は布着せの真っ最中。
昨日は鞘の前面(表側)に布を貼りまして、
一晩乾燥させてから、本日布目揃えをしました。
その模様をアップします~。


先日、鞘の背面(裏側)に貼った絹布(けんぷ)。
しっかり乾かした後に、はみ出たところをカットします。


前面との境界線も綺麗にカット!
前面はマスクしていましたので、その境目をキッチリと出します。


そして今度は逆に、背面に貼った布をセロハンテープでマスク!


糊漆を作って、、、前面を貼ります。
※背面貼りの時に比べて室温が何度か高かったせいでしょうか、、、
 糊漆の乾燥が相当早くて苦労しました!
 ということで、やっぱり貼付時の写真はナシ!!(^^;


そして本日、、、前面の布もしっかり乾燥しましたので、
背面の布と重なっている部分をカットして取り除きました。

このような布の重なりで盛り上がった部分を
小刀等を使って取り除くことを、漆芸では「布目揃え」と言います。
布が重なったままですと、後々の下地作業に悪影響が出ますので、
取り除いておくことが肝要なんですね。

但し、今回の「布目揃え」では、
鞘の形状ラインに合わせて、布の継ぎ目を真っ直ぐ出したかったので
これまでやったことのない、ちょっとした手を思い付きました(^.^)


マスク用に貼ったセロハンテープの幅は15mm。
前面布貼り後、同じセロテープを上から貼ってこのようにカットしてやりますと、
前面布のハミ出た分(重なり分)だけテープでサンドイッチのように挟み込み
取り除ける~というわけなのであります~(^.^)


カット後の様子。
前面と背面の布の重なりは無くなり、隙間なく貼れた状態となりました。
これで「布目揃え」が完了です!

継ぎ目の部分は、絹布が浮いている所が無いか綿密にチェック。
不備が見つかれば補修をして、乾燥後に研ぎを施し布着せが完了となります。


今回の漆下地はフルスペックの「本堅地」。
まだまだ何段階もの下地作業が控えています~。

つづく。。。(汗)
 


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:52Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年07月29日

新作鞘塗り⑥ 布着せ・・・

新作鞘塗り⑥ 布着せ・・・

今日は鞘塗りのためのお料理から開始(^^)
上新糊(米粉糊)を作ってから、、、布着せをしました。


上新粉を4倍の水で溶いて弱火にかけ、
しっかりと練って行きます。


とろりんこ、出来ました~(^.^)


パック詰めにして、1袋以外は冷凍です!


さて、木固めが完了した鞘に、、、


どの布が合うか確認を。。。
う~む、寒冷紗はゴワゴワして鞘の曲線に馴染まず、
やっぱりダメっぽいですね~(^^;


ここはとっておきのヤツでやりますか。。。(^.^)


うむ、やっぱり繊細な絹が鞘には馴染みそうです。
過去の実績もあります。


全体に被せてみて、、、長さもOK!
絹着せで行きまっしょ。


薄手になっている部分を切り取り、、、


鞘半分ずつ行きましょう~。


先ほど作った上新糊に同量の漆を混ぜた糊漆で絹を貼りました。
布着せは相当な集中力が要る上、手がベタベ~タになりますので、
写真を撮る余裕は全く無し!(^_^;)


貼ってから20分程経つと、
糊漆はもうこんなに黒くなってます。
今はとても暑い季節なので漆の乾きも早いですね。

ということで、まずは鞘の背面に絹着せたのでした~。

つづく。。。



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:45Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年07月24日

新作鞘塗り⑤ 鞘木地固め・・・


鞘木地固め本番です。
生漆を木地に含浸させて乾かします。
今回は、、、指も使って!(^^)


ちょっと古い生漆、、、だいぶ茶色ですね。
なので~ほんの少し水を加えます。


ペタペタと、、、


なでなでと、、、


かぶれますんで、、、決して真似はしないで下さい!
♪音楽は軽やかですが~(^^;


暫く置いてから、キムワイプで余分な漆を拭き取って、、、


一晩、室(ムロ)内で乾かしました。
気温も高めなので、よく乾いているようですね。
写真は粗めのペーパーで研ぎを入れた状態です。


そして念入りに2度目の木固めをしておきましょう。


またペタペタと、、、

つづく。。。





  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:12Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年07月19日

新作鞘塗り④ 小口固め・・・

新作鞘塗り④ 小口固め・・・

新作鞘塗りの準備を進めておりますが、
木地固めのテストが終わり、
木地の状態は良好と分かりましたので、
まずは小口だけでも生漆で固めておくことにしました。

しっかり乾燥した木地で作られた鞘ですが、
小口を固めて、更に安定させておくと安心です。


ということで、まずは鐺側の小口を
粗目のペーパーでしっかりと研磨&荒らしてから、、、


ペタペタとたっぷり生漆をヘラ付けして・・・


暫くこのまま放置~
しっかりと小口に含浸させます。。。


およそ10分程たってから、、、
ワイプオール(不織布)で余分な生漆を拭き取りです。


こんな感じで完了ですね。


鯉口側もしっかり研磨して


生漆をまたペタペタと、、、


栗形がハマるところも忘れずに~(^^)

木地の小口などの断面部分は、脆いところなので、
しっかり漆で固めて強固にしておく必要があります。

木地の断面は漆をどんどん吸いますので、
毎度時間をとって十分に浸み込ませています。

さぁ~本作業に入るまで、
しばらくこのまま乾燥させておきましょう(^^)/

つづく。。。





  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 14:28Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年07月06日

日本刀拵届く・・・

日本刀拵届く・・・


新たに製作する日本刀の拵がメーカー様から届きました。
状態や寸法を確認し、もう暫く準備を進めてから、いよいよ製作開始となります。
この夏は暑いですが、気合を入れんといけません!('◇')ゞ


厳重に二重梱包で届きました!


さぁ確認です。柄糸に汗が付かないよう手袋で抜きまっす!
☆なぜかビリヤード用グローブで(^^;


しっかりと仕立てて頂いておりますね。。。


高精度ツナギ(木製代刃)は、
切先がよく再現されている感じです(^.^)


柄糸の鉄紺色が素晴らしい。趣のある海の色のようにも見えます。
そして、黒水牛角製の各パーツも確認。。。
塗りの厚みを考慮して頂いた、鯉口と木地との段差もOK!


ムムム!鞘入口の木地背には黒水牛角ば組み込まれとります。
真剣の場合は、このような仕立てか、、、
なるほどですね~知りませんでした。


なんかホント気合入って来た~!
他ご依頼品も含め、あらためて頑張って行きます~(^^)/  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:50Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り木工鞘塗り

2022年06月18日

新たな鞘塗りのご依頼・・・

新たな鞘塗りのご依頼・・・


昨年9月にお問い合わせがあり、準備を進めている鞘塗りのデザインです。
幾つかの原案作成~レイアウト決定案の段階まで進みました。
現在は、梅や松を筆で描き直しております。

ご依頼主のご了承を頂きましたので、
今後は製作の模様を時々アップして参ります。

*ご依頼主は塩飽水軍(しわくすいぐん)の末裔。
 南北朝時代から20代以上続く一族の当主でらっしゃいます。
 代々引き継がれてきた刀剣の鞘を新調するにあたり、
 当方へ鞘塗りをご依頼頂きました。

 【塩飽水軍】
 讃岐=現在の香川県塩飽諸島を拠点とした水軍。
 戦闘集団として知られている村上水軍に対し、
 塩飽水軍は造船・操船技術に優れていた。
 戦国期~江戸期においては、
 織田、豊臣、徳川の各氏にその技術を高く認められ、
 日本近代造船業の発展へ大きな影響を与える存在となった。

*ご一族にまつわる数字に一や六が多いことと
 塩飽諸島は主要十一島あることから、
 ご家紋モチーフの梅、松葉、波群の数は11、
 そして所々に象徴的な一つの場面や6つの集まりが
 現れるようあしらってみました。

*今回の意匠作成にあたっては
 かなりヒアリングと調査を重ねましたが、
 「塩飽」=名の由来は「塩焼く」とも
 「潮湧く」とも言われているそうです。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:48Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り

2022年06月02日

原画起こし・・・

原画起こし・・・

6月に入りました!いよいよ夏ですね~。
もう私もだいぶ歳をとって来たので、
暑さに負けないよう体調管理をより一層しないといけません!(^^;


5月は螺鈿三段箱の作業をメインに幾つかの案件をこなしましたが、
6月からは以前よりご依頼頂いている大型案件に取り掛かります。

そのうち、鞘塗り1件と修理ご依頼品は
当ブログなどで随時アップさせて頂く予定です。


もう一つのご依頼案件で必要な、龍原画起こしも開始しました。
以前製作したものも参考に、今回もオリジナル原画を作成します。
※こちらは現在非公開品でありますので、
 お客様の許可を頂けた場合のみ詳細ご紹介させて頂きます(^.^)

ということで、この夏はまた新しい製作の模様をご覧下さい。
引き続きよろしくお願い申し上げます~。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:01Comments(0)漆塗り鞘塗り

2022年05月28日

螺鈿三段箱の修理㉚ 完成そして納品・・・

螺鈿三段箱の修理㉚ 完成そして納品・・・

修理が完了し、先日発送した螺鈿三段箱。
昨日お客様の元へ無事届いたとのご連絡を頂きました。

ありがたいことに、大変丁寧な感謝のお言葉も頂戴し
修理した職人として、これ以上ない喜びを感じた次第です!(^^)

何度となく修理の模様をアップして参りましたが、
ここで、完成した御箱と修理前の様子を幾つか比べてみましょう。。。


修理が完了した上蓋。
御箱の中で最も螺鈿の欠けが多く、苦労した上面です。


修理前はかなりくすんでおり、
汚れもだいぶ付着していたようですね。


修理完了した御箱を前方斜めから写した様子。


修理前は前方側面は、角が剥げたり穴が開いていたりと、
かなり傷んだ様子が見受けられました。


修理完了した御箱を後方斜めから写した様子です。


こちらは傷こそ少なかったですが、
やはりだいぶ表面がくすみ、ネジも一つ無くなっておりましたね。

以上のように、修理の前後を比較してみますと、
塗面の艶が復活し、螺鈿やネジの補完も行われて
外観の改善がかなりお分かりかと存じます。



そして箱の内側は、、、小口の塗り直しもあってか、
清掃した内布が鮮やかに見えます(^.^)


いやはや、コツコツと頑張った甲斐がありました。
ピカピカした様子を眺めると、苦労が報われた感じがします!



いよいよ納品へ。まずはティッシュを箱の間に挟み、、、


養生紙で包み、、、


養生シートで柔らかく包み、、、


エアパックで包みます。。。


クッションに無理が出ないよう細心の注意を払ってダンボール箱へ梱包。。。


後は業者さん、よろしくお願い致します~(^^)/


お客様へは、修理報告書と共に
今後のメンテナンスに関する取扱説明書も同封させて頂きました。
取扱説明書を同封させて頂きました。

この興味深い造りと美しさを伴った螺鈿細工の御箱を、
次世代の方々へぜひ繋げて行って頂ければと存じます(^^)/


1月にお預かりして拝見した際は、
たいへん厳しい状態に少し戸惑いましたが、、、
冬から春に至るこの数ヵ月をかけて、
無事修理できたことに心より安堵しております。


修理の最後に御箱を開いて現れた内布の鮮やかな赤色は、、、
先日植物園訪れた際に咲いていた真っ赤な薔薇と重なって見えました。


お客様へは、修理期間中の思いと様々な意味を込めて
この歌をお贈りしたいと存じます。

♪The Rose - Bette Midler / English & Japanese Lyrics



この度は、素晴らしい御箱とお客様に出会えたことに
心より感謝している次第です!ありがとうございました♪(^.^)




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:53Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2022年05月26日

螺鈿三段箱の修理㉙ 金具塗装・・・

螺鈿三段箱の修理㉙ 金具塗装・・・

一旦は修理完了と思った螺鈿三段箱。。。
そうは問屋が卸しません~でした(^^;

研磨&磨きで表面のメッキが剥げた金具に
クリヤーコート(塗装)であります。


まずは、油分などを無水エタノール等を使って
綿密に洗浄(脱脂)していきます。
こちらは上蓋正面に取り付けられている鍵穴付き金具。


たくさんあるネジたちも頭をしっかりと脱脂。。。


そして透明クリヤーを塗布して行きます。。。


使用したのは金属対応型プライマーとして利用しているミッチャクロン(マルチ)。
これで錆止めとなることでしょう。


もう、、、他にすることは無いですよね。
うん!これで本当に修理が完了です~(^^)/

お預かりしたのが確か1月下旬。
本格的な修理開始からおよそ3か月余り。
大体イメージしていた納品予定日から
何とか5日オーバーくらいで済みました。

本日、先程発送しましたが、
明日にはお客様の手元へ届くことでしょう。

実はもう少し早く、、、とは思っておりましたが、
やはり修理案件は早々上手くはいかないものですね。(^^;

次回は記念の30回目として、完成写真と発送の様子を。
つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:10Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2022年05月25日

螺鈿三段箱の修理㉘ 組み上げ・・・

螺鈿三段箱の修理㉘ 組み上げ・・・

呂色磨きが完了し、いよいよ最後の組み上げ作業へ。
外していた内布プレートや金具を取り付けて行きます。。。


まずは箱本体の内布清掃から。
塗り補修のため貼っていたマスキングテープを剥がし、、、


木棒の先に粘着テープを貼って、内布にペタペタ~。
埃を除去して行きます。。。


清掃が完了したところで、
外していた内布プレートを取り付けます!


箱本体の内布完了!!だいぶ綺麗になりました!
清掃イイ感じです~(^^)/

一段目の内底プレートは少し傷み気味ではあったので、
比較的綺麗な三段目のものと取り替えました。
車のタイヤローテに似てます。。。(^^;


さて、次はいよいよ上蓋の内布プレート取付&接着です。
こちらでは、何とあの膠の出番!
塗面磨きでは苦難を強いてきたと思われる相手が
今度は強力な助っ人としてどうぞお願い致します!(笑)

実は、膠の使い方では一工夫を。。。
螺鈿接着時に作った膠液は、冷蔵保存していたのであります。
防腐剤を入れているので腐敗は進みにくいはずですが、
冷蔵することで更にその効力を保てるものと思い、画策しました(^.^)

確認しますと、匂いは臭い(悪臭)にならず、接着力もOK!
ということで、いよいよ内布プレート接着へGO!!


底面プレートから先にハメて、、、
長手の側面プレートを接着に掛かります。。。


ドライヤーで温めてトロっとした膠液を
急いで上蓋側とプレート裏面の両方に塗り、手で圧着!!


今度は短めの側面プレートをば、、、


これも手でギュッと押さえ付けて!!


無事にできました~結構強力に貼れますね。
冷えて固まるとは、、、昔の人もよく考えたものです。
膠にはここで改めて感謝!!(^.^)



今度は金具の番です。
まずはネジ頭が傷だらけなので研磨~です。

そして、いよいよ組付けへ!
ペンチで回し留めしますが、ネジ頭は丸くて滑りやすい上、
外す時のように傷を付けてしまっては先程の研磨が台無しに。。。


ということで、ペンチ先に両面テープを貼り付ける策を講じました。


この対処がズバリ!!思いのほか上手く行って良かったです~!


締まり具合良し!パッカ~ンっと('◇')ゞ


開閉動作良し~組付けOKです!!(^^)/


完成~~~やっとここまで来ましたね(しみじみ)。


また新たな境地に到達したような、、、
遠かった、そしてホント無事に終わって良かったです(>_<)


ん!?
そう言えばネジや金具は磨くと金色になってる、、、
これはもしや銀色メッキが剥げて真鍮の素地が出て来ているのでは!?

確かに途中の研ぎ作業などで金具まで研いでしまっていた時
1~2日経つと表面がうっすらくすんでましたし、、、
あ~やはり真鍮の可能性大です~(^^;

ということは何らかの処置をしないと、、、
いずれ錆びまくって緑の粉吹いちゃうじゃないですか~!!!

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:52Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2022年05月24日

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・

これが最後!と思って塗面に施した摺漆。
だいたい乾いたと思われましたので、いよいよ勝負の呂色磨きへ。。。

本当にこれで終わり~となるのか!?
祈るような気持ちです(^^;


まずは、問題なく磨き上げられる底面から、、、


やはり底面は上塗りをしっかりして乾燥もバッチリですから
何のトラブルもなく完了~。


次は、いよいよ乾きにくくなっていた箱側面。
磨き粉で手磨きしますと、すこ~し乾燥甘いような感じもしますが、、、
何とか磨き上げられそうな雰囲気です!ホッ(^^;


やりました~何とか側面を大枠で無事に磨き終わりました。。。

しかし、ここで気づいたことがっ!!


呂色磨きの時にこそぎ落とす摺り漆は、
指先にしっかりまとわりつくので都度洗面所に行って洗い落とすのですが、
洗剤と水で流しても何かが表面に残っている感じで、手が結構ベタベタに!!
その感触は、、、溶けた膠が手に付いた時の状態とそっくり。

しかも、ドライヤーの冷風で乾かすと手がすぐサラッとします。
お湯を使った方が残留感はないということも分かり~これはいったい。。。(・_・;)

やはり三段箱の塗面には、経年変化で劣化した膠が
けっこう混じっているのではないでしょうか!?

もう想像の域は越えませんが、この三段箱を塗った職人さんは、
螺鈿を貼る時などで膠を結構使い、漆を上塗りした時に
その膠が溶け出して混じってしまった、、、という推測です。

今回の最終呂色磨きでも、やはりカチッと摺り漆が硬く乾いていない。
なんかちょっとした粘り感が最後まで抜けきれませんでした。
やはり状況をよく考えると、膠という線が一番当たっている気がしてなりません。

【推論】
もしかすると、摺り漆の漆成分自体は乾燥(硬化)しているかもしれません。
しかし、その摺り漆に既存塗面の古い膠が下から溶け出してきていたとすれば、
その混じってしまった膠が湿気(水分)でふやけて一見乾いていないように見える、、、
そういうことではないかと考えた次第です。

ただ、既存塗面は繰り返し摺り漆が施され、
さすがに漆がだいぶ浸透して強化されています。
また、最後は比較的速乾であった赤呂色で摺り漆されていますし、
膠が溶け出す量も少なくなって来ていたのだと想像されます。
だから最終段階に至っては、何とか摺り漆が大枠で乾いてくれた、、、

以上のように、自分なりの推論を立ててみましたが、
本当のところはどうなんでしょうね。
当たっていれば良いのですが!(>_<)

ともかく最終的には、完璧とはいかないまでも、
何とか磨き仕上げまで至れたことに安堵です(^^;



最終呂色磨きで苦労した部位があります。。。
それはネジ周辺であります!ここは磨きにくかった(^_^;)


さすがにここは指が入らないので、キャノーラ油や当てゴムの力も借ります。
ゴムにカット綿を薄く絡ませ、油を混ぜた磨き粉を付けて
エッジを効かせながら、ネジ周辺に付いた摺り漆をこそぎ落としながら磨きます。


すこ~し際に摺り漆が残りますが、、、
このくらいになれば良しとしましょう。


上蓋も磨き上がりました。
ちょっと磨きムラもありますが、
やるだけのことはやった感があります。。。

古い漆塗りの摺り漆と呂色磨きは難しい、、、と
今回ベテランの塗師さんから教わりました。


特に今回の品物は特殊な条件ではありましたし、
確定的な段階まで結論は出ませんでしたが、
これも非常に良い経験になったと思います。

さて、これから最後の最後、
組み上げの作業が待っております。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:24Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り