2019年09月08日

修理した琵琶糸巻 ご依頼主の元へ・・・

修理した琵琶糸巻 ご依頼主の元へ・・・

先月=8月のことではありましたが、、、
修理が完成して納品した琵琶糸巻が、
ご依頼主の元で本体に取り付けられたとのご連絡がありました。


 ☆メールで送って頂いた写真です。

音色も大変素晴らしく、重さも軽いとのことで、
糸巻は無事に機能を果たしているようです。安堵致しました。
丁寧な御礼のお言葉も頂きまして、本当に嬉しく思います!(^^♪

しかも、ご依頼主のお師匠様と兄弟子の方がこの琵琶をご覧になったところ、
なんと昭和の名工=津留崎鎮助作の貴重な琵琶であることが判明したとのお話でした。
このことを知って「あ~何とかなって良かったな~」っと、心の底から思った次第です。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:07Comments(0)漆塗り楽器装飾

2019年08月29日

曲禄の中塗り作業・・・

曲禄の中塗り作業・・・

もう8月も終わりがけになってきましたが、
最近は毎日のように強めの雨が降っていて、
ちょっといつもの年とは違う秋雨前線の様相を呈してきました。
漆塗りには比較的良い条件ではありますが。。。(^^;


 曲禄の塗り直し作業は、中塗り(黒漆塗り)の工程に入り、
 大体塗り終えています。

現在は諸々の案件があって中断しておりますが、
数日後に作業再開です。

様々なこともあって、なかなかご依頼をこなし切れていないですが、
9月はじっくりコツコツと制作に集中できる状況となりそうですから、
しっかりやっていこうと思います。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:43Comments(0)漆塗り

2019年08月14日

曲禄の下地作業・・・

曲禄の下地作業・・・

曲禄塗り直しの仕事は、7月後半から工房での下地付けに入り、
今月中旬からは自宅作業部屋での塗り作業に入っています。

ともかく工房は空調がないため、
この厳しい暑さの中、作業は過酷となります。
ということで、今月からは自宅での作業へ移っているのであります。(^^;

7月後半~8月上旬の工房では、、、


 木部の木固め(漆を吸わせる工程)や損傷個所に漆パテを埋め込む作業が終わり、
 下地(切粉地や錆)を付ける作業に入りました。


 切粉地付けも2回実施し、、、


 下地を付けては、屋外で空研ぎして、、、


 錆付けをようやく終えてから水研ぎに入り、、、
 連日の過酷作業に耐え切れず、、、
 水研ぎは未完了のまま、全て自宅へ車で持ち帰りました。


 自宅に持ち帰ってから、まずは水研ぎを完了させ、
 生漆を下地に吸わせる作業を開始。。。


 生漆を2度吸わせた曲禄背の部位。
 それにしても、いっぱい吸ってくれました。
 生漆の量が結構必要となり、、、(^^;


そんなこんなで、曲禄の塗り直し作業は、
いよいよ中塗りに入って行くこととなります。

つづく。。。



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:57Comments(0)漆塗り

2019年08月08日

琵琶糸巻修理・・・

琵琶糸巻修理・・・

先月後半から、筑前琵琶糸巻部分の修理をしており、昨日完成しました。

どうするか、知人の琵琶修理職人さんにアドバイスを頂いたところ、、、
「ここは力のかかる所だから、専門の工房で作り直した方が良いでしょう。」というお返事あり!汗

しかし、ご依頼主のお話によりますと、新しく作るには余りにも高額の費用がかかるということで、、、
よくよくご相談の上、当方でチャレンジすることとなりました。

楽器の修理は専門外。音にも関係する微妙な領域です。
しかし、可能かどうか試したい気持ちもありました。
うちのテクニックを総動員して、、、果たして修理は成功するのか!?(^^;



 修理前の状態。バキッといっております。。。
 まずは、噛み合わせがしっくりいくように裂け口を慎重&微妙に研磨。


 合成樹脂を裂け口に対して丁寧に塗布して、
 硬化のタイミングを見ながら万力でガッチリ固定。
 この工程が今回の修理のポイント=肝とみて、相当慎重に行いました。


 接着完了。しかし、これで終わらないのが今回の修理。
 「力のかかるところ、、、」という一言が、この後の工程、仕様を考えるきっかけになりました。


 研磨して、、、


 マスクして、、、


 摺漆して、、、


 摺漆の乾燥後に、一旦糸巻棒を入れて確認。
 嵌り具合を見ながら、穴の微妙な調整をして、、、


 布着せます、、、


 折り目を付けて、いい具合に巻けました、、、
 

 糊漆塗って、、、


 布を貼って(着せて)、、、


 カットして、、、1回目の布着せが完了。
 乾燥後に2回目の布着せへ、、、


 形状に合わせて布に折り目を付けて、、、


 糊漆を塗って、、、


 貼ってから、余分にはみ出した布は断ち落として、、、
 また上から糊漆をしっかり塗ります。
 乾燥後に、孔の部分を切り取って調整したり、
 漆を上塗りする作業も行いまして、完成と相成りました。



 2回目の布を貼り、漆で固めて完成した状態です。


 糸巻棒の嵌め具合はしっかりしている感じ。。。
 後は、使って頂いた感じがどうか、、、というところですね(^^;


 もうちょっとやそっとじゃ割れてこないと思いますが、、、


 孔の所は特に弱そうなので、布をもう一枚巻いて、二重巻きの仕様にしています。

今回もまた難題のご依頼ではありましたが、何とかここまで仕立ててみました。
ともかく、お客様が上手く弾かれて、尚且つその後も状態が保たれてこその成功となります。
その結果を得るまでは安堵できないということになるでしょう。

納品後の結果が気になるところです!果たして、、、汗




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:50Comments(0)漆塗り楽器装飾

2019年06月28日

曲禄の塗り作業を開始・・・

曲禄の塗り作業を開始・・・

諸々あって中断していた曲禄塗り直し作業。
この一週間は、やっと再開できまして、
既存の漆塗りを剥いだ素地を調整研磨し、
まずは昨日、木固めから入りました。


 素地調整の様子です。
 粗目のペーパーを平たい木片に回して、素地をしっかり研磨。


 曲面も丁寧に研磨です。


 昨日は、残っていた前脚を研磨。
 これがまた結構複雑で、、、解体できずにおりましので、
 継ぎ目の所が特に研磨しにくく、難儀でした(^^;


 それでもやっと素地研磨完了。
 工房主=切り株くん、この先を見守ってて下さい!
 ☆切り株くんもイモムシくんの惨禍からよく復活しましたね。
  90%がた葉っぱを食べられてたのに。。。


 部材の確認。まずはシンプルな材から塗りをやりましょ~。


 過去に1~2度、塗り直しや修理をしたと思われるこの曲禄。
 下手をすると江戸時代に作られたのかもしれません。
 過去の墨書き跡の下に「令和元年」と記しました。

 江戸~明治~大正~昭和~平成~そして令和と、六時代を経ることになるとしたら、、、
 今後も引き継がれることを思うと、しっかり下地から塗り直さないとですね。


 それにしても蒸します。二つの熱帯低気圧の北上に伴い、夏の空気も一気に日本へ。
 昨日は福岡が全国一の暑さだったとか。。。
 漆の乾きが異常に速い!生漆がすぐ茶色になります(^^;

 木固めのための最初の一箆は、令和を記したこの部材へ!!
 次に誰かが塗り直すことがあれば、もしかするとこの表記を目にするかもしれません(^^)


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:35Comments(0)漆塗り木工

2019年06月25日

駐福岡大韓民国総領事館へ・・・

駐福岡大韓民国総領事館へ・・・


先日、駐福岡大韓民国総領事館の実務官の方から
韓国伝統家具の螺鈿手入れについてご依頼がありまして、
実物を拝見することとなり、急遽伺うことになりました。


 ということで、初めて館内に。そこには素晴らしい調度品が!


 伝統的な品の良い絵柄の螺鈿細工がびっしり!
 背後の衝立や手前のクッションも素晴らしく、思わず見入ってしまいました。
 手前の座椅子は王様がお座りになるものだそうです。


 まずは螺鈿細工の調度品をしっかり拝見させて頂きました。
 螺鈿というのは、塗料との密着性がそれほど強くはないので、
 水をたっぷり含んだ布で拭いたりするのは避け、
 普段は柔らかい毛の刷毛などで埃を掃う程度にして、
 数ヵ月から年に一回程度の間隔で、
 水気を少し含ませ固く絞った布で汚れをゆっくり慎重に
 拭き取ることをされると良いでしょう、、、とお伝えしました。

 試しに調度品を慎重に水拭きしてみると、
 特に上面は布に少し黒く汚れがついてきていたので、
 やはり水拭きは必要という共通認識となりました。



 そうこうするうちに、、、実務官の方が、韓国伝統家具の一部に漆塗りが剥げているところを発見!
 塗りが剥げているのはここだけでしたが、何かの拍子に取れてしまったのでしょう。
 これは目立つということで、当方が補修をすることとなりました。
 ちょっと緊張しますが、現場での補修をしっかりさせて頂きます。
 続きはまた後日に。


 帰り際に、実務官の方から「記念にどうですか?」とおっしゃって頂きまして、
 緊張しながらも(その割に図々しく見えます)、なんと王座に座っての記念撮影!
 私のような者が、お恥ずかしい限りです(^^;
 

今回は、大変興味深く貴重な機会・ご依頼を頂きまして、
大韓民国総領事館の方々に感謝申し上げます。
国家の枠を超えて、螺鈿細工、漆芸といった文化的交流が出来ることを喜びとし、
今後の励みにして行きたいと考えた次第です。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 13:40Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2019年05月14日

盛り沢山の工房作業・・・

盛り沢山の工房作業・・・


5月に入って新たなご依頼も幾つかあり、
なかなか作業予定が込み合ってきました。

一昨日、昨日と、工房作業も盛り沢山。


 曲禄は、ほぼ全ての塗り剥ぎが終了。
 一部の難しい部位や状態の良い塗面はそのままに、
 もう少し木部の素地調整が必要です。


 それにしても、この背もたれ部分の剥離作業は大変でした。
 ここが山、、、といっても過言ではなかったです(^^;
 金箔が貼ってあった模様彫り部分は、剥ぎ落すのが難儀過ぎたので、
 ガサガサに荒らした状態にして、漆でガチガチに固めます。

昨日はその他にも諸々作業です↓


 パーツ加工のために、厚みのある部位を含んだ良質のアワビ貝殻を研磨。


 久しぶりにお会いした、向かいのバイク工房さん。
 お話をしているうちに、螺鈿装飾のご依頼あり!!
 今回は、当方のお試しと宣伝用にもするため、
 費用は抑え気味でお引き受けすることになりました。


 まずは、タンクなどを採寸~。

 他ご依頼が詰まっていますので、半年~1年お待たせするかも~汗。


 結構お急ぎの琵琶半月ご依頼も最近ありまして、、、


 他ご依頼の製作の合間で製作していくことに。。。


 半月は意外と大きく、、、いつも白蝶貝のトリーミングに悩みます。。。何とか取れる部位を探して、まずは大枠カット。


そんなこんなで、5月もバタバタと過ぎて行きます。
お待たせしているお客様、
大変申し訳ございませんが、今しばらくお待ち下さい。


 ☆益々モフモフアフロ化してきた工房主=切り株くん。
  見守っていて下さいね~。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:24Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2019年04月14日

曲禄の金具外し完了・・・

曲禄の金具外し完了・・・



 昨日、曲禄の金具外しと解体が、やっと終わりました。
 脚を留める大きな釘が4本抜けませんでしたが、このまま塗り直し作業は出来そうです。
 これで次の段階へ。。。


 全部で67個の金具、およそ300本の釘抜き、、、
 錆ついてて頭が取れたり折れた釘も数知れず。
 その都度ペンチで引っこ抜くを繰り返して、、、だいぶ根性要りました(^^;)


 さて、錆ついてどうしても抜けない革留め鉄釘はどうするか、、、


 頭削るべし!


 真鍮製と思われる細板を外して、、、


 あとはきれいに削って終了!!
 穴の位置は、細板を左右逆にすると
 見事に残り釘の位置を外れてくれるので助かりました(^^)/


金具を外した曲禄の躯体。昨日は帰りがけに一つだけ塗装剥ぎをしました。
ちょっと手荒いですが、まずはディスクサンダー#80ペーパーディスクで大枠研磨。


 白いのは胡粉?茶色いのは砥の粉?
 お預かりして間もなく、この2色の下地をチェックしていました。
 漆が剥げた部分から見えたので水拭きしてみたところ、簡単に溶けちゃいました。
 どうやら漆は全く混じってないようで、、、下地としては脆いもののようです。


 一方の面を削ってみると、、、この材木は、杉!?


 ここまで削ったら、、、あとは手研ぎします。
 使用するサンドペーパーは#120~#240くらいでしょうか。。。


曲禄の塗り直し作業は、まさにリフォーム。
家屋の内装やり直しの気分になっております(^^;
大変とは言え、こういうご依頼は滅多になく、隠れている面白い物も出てくる。
おまけに劣化の度合いが酷ければひどいほど、
何とか直して奇麗にした姿を見たくなる、、、
モチベーションは高い!です。(笑)
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:34Comments(0)漆塗り

2019年03月17日

工房の桜が開花しました・・・

工房の桜が開花しました・・・


 今日=3月17日に、糸島工房脇の桜が開花しました。


 今年の開花は早いですね!
 開花予想では福岡が日本一早いということでしたが、
 どうやらその通りのようです(^^)/


 だんだんと暖かくなってきました。
 これから春の陽気が本格化してくることでしょう。

ご依頼頂いているお坊さんが座る「曲禄」の塗り直し。
漆塗り作業の前準備として、まずは金具の取り外しから。

前回は取り外しのテストを行いましたが、これからは本作業です。
金具総数を確認したところ、全部で67個、、、先は長そうです(^^;


 ナンバー01と名付けた、左肘掛け手前の金具から。。。
 釘がしっかり食いついてますが、釘抜きの刃を入れググッと持ち上げて~。


 金具を取り外すと、、、朱漆が焼けてない所が鮮やかですね。


 今日は、工房周りの野良仕事を急遽していた関係で、
 (草や蔦でもの凄いことになってまして~今やらないと、、、汗)
 全部で8ヵ所の金具しか外せませんでした。
 時々ポキッと折れる釘もありますが、順調に外せる感じです。
 次回はもっと頑張って、20~30ヵ所は外すつもりです!!

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:26Comments(0)漆塗り

2019年02月18日

金継ぎ器たちを大将へ納品・・・

金継ぎ器たちを大将へ納品・・・

いつもお世話になっている料亭の大将から昨年末に預かった器たち。
欠けや割れを修理して、昨日納品しました。


 預かった当初の器たち。。。まあまあ枚数あります(^^;


 傷口に薄く漆を塗って、、、


 トースターで焼いて、、、漆の簡易焼き付けを行いました。


 錆付けなどしつつ、時は過ぎて、、、2月に入りました。
 黒漆で下塗りし、、、


 弁柄漆を塗って、、、


 金粉を蒔いて、、、


 鯛の牙で磨き、、、さらに磨き粉で磨いて完成!


修理に入ってから、2か月以内で現場復帰した器たち。。。
また料亭で存分に活躍して下さい!!^^
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:45Comments(0)漆塗り

2018年09月29日

中国古筆の修理が完成・・・

中国古筆の修理が完成・・・


中国古筆の修理(補修)が完成しまして、昨日お客様の元へ直接納品に行きました。

これ迄で一番難しい修理作業となり、色々と試行錯誤するうちに
昨年2月から1年7ヶ月という長期間でお預かりすることとなってしまいましたが、
何とか整えてお渡しすることが出来て、だいぶホッとしております。
今回もまた凄く勉強になったご依頼でした。



 完成した全体像です。
 清朝初期(乾隆帝などの時代/およそ300年程前)のものと思われる筆で、
 お預かりした当初は、螺鈿の約7割が剥離=消失し、朱漆も一部が剥げ、
 金彩も所々大きな傷やこすれ落ちた箇所が見受けられる状態でした。


 基本的に雲竜図です。
 龍の顔はほぼ二つとも剥げ落ちた状態でしたが、
 資料図案やわずかに残った部位を手掛かりに、描き起こしてみました。


 筆筒をはめた状態の全体像です。


 筆筒の拡大写真です。


☆修理に至るまでの高低をいくつかご紹介します(以下)。



 下地がむき出しに。。。
 今回の修理で一番難儀なのがこの下地。何で出来ているかが謎でした。。。
 水が付くと強烈な粘性を帯び、乾燥すると硬化するのです。
 膠ですと通常の温度の水では溶けにくいはずで、小麦粉や米粉とはかなり違う粘性の強さ。
 植物由来のような気もしますが、もう300年も経っているのに、
 粘着性の機能を保持しているとは。。。この組成は何なのか?

 以上の通り、この下地は水で溶け、周囲の朱漆が侵され剥離し出すので、
 水研ぎが出来ないという事態に。
 空研ぎを中心に、水を一切使わない作業での調整が続きました。


 朱漆が剥げたところも大変でした。。。
 だいたい色漆は、元の色と合わせるのが非常に難しいのです。
 色の調合、乾燥条件の研究を進めましたが、
 結局求めるレベルの80%くらいしか到達しませんでした。
 最終的には、エイジング処理で既存の朱漆と何とか風合いを似せることで、
 周囲とのバランスを図った次第です。


 螺鈿補修は、フィルムトレースでの正確な形状写しから実施。


 螺鈿接着の研究。
 膠での接着をまずは試み、アレコレと調合を試すも、、、なかなか上手く行かず。


 研究と並行して螺鈿加工は進め、、、トリーミングを。


 既存螺鈿と色味が合う所を慎重に選んでカット。。。


 螺鈿は、形状が複雑なものもあり、
 尚且つ筆の曲面にも馴染ませなければならないため、
 少し特殊な方法で熱矯正をかけました。


 仮置きをして調整をかけながら、、、


 湾曲具合も確かめながら、、、


 膠による螺鈿接着研究は、袋小路に入り込んでいました。。。
 結果的には接着強度が足らず、既存下地との色味合わせも上手く行かず、
 この努力は結局実りませんでした。。。


 次なる接着手段を発案。。。
 現代的なテクニックを使う方向で研究を進め、、、


 色々と試した結果、接着強度の高い樹脂に着色して
 下地と似た色合いを出すという方向で落ち着きました。


 接着に伴い、螺鈿をガチガチにテープで固定。
 それでも足りない場合は、重石をかけて、、、


 螺鈿接着が終わったところです。
 この後、研ぎを施し絵付けを行って螺鈿は完成。
 金彩は、水を僅かに湿らせた綿棒で金彩表面に付着した汚れを落としつつ、
 傷や擦れたところには摺漆を施して金消し粉を蒔き付け、
 引っかき線を針で入れての補修となりました。

 この金彩も箔なのか金泥なのかはよく分かりませんでしたが、
 強力に漆と密着していることで、清掃作業は比較的楽に進められました。


修理作業の概要は以上の通りですが、
ここまでハードルが高いことになろうとは思わず、
骨董品修理の奥深さを痛感した次第です。

それにしても、先人の知恵には計り知れないものがあるものですね~汗。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:42Comments(2)螺鈿(らでん)・貝細工金箔・金粉漆塗り

2018年09月25日

朱の乾漆粉づくり・・・

朱の乾漆粉づくり・・・

以前に行った朱の乾漆粉づくりを、再びやることになりました。


 まずは朱漆(赤口)をガラス面に塗ります。


 2度塗るのですが、1回目は少し厚めに塗り過ぎたのか、一部にちぢみが出てしまいました。
 しかし、このくらいのちぢみであれば、しっかり乾かせば問題ありません。


 ガラス板に塗った朱漆を乾燥させて剥がしました。
 まだ少し柔軟性があるのですが、
 これを工房に持って行って、ある処理を施します。
  
タグ :乾漆粉


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 01:36Comments(0)漆塗り

2018年08月30日

尺八 金蒔絵の完成・・・

尺八 金蒔絵の完成・・・

漆塗りと蒔絵のご依頼を頂いていた尺八がこのほど完成し、
先日お客様がお受け取りに来られまして直接納品致しました。


 朱塗りの尺八にして欲しいという珍しいご依頼。
 モチーフは、山桜に鶯(うぐいす)と半鐘蔓です。


 本当に長い間お預かりしておりましたが、やっと、、、という感じです。
 大変お待たせ致しました!


 鶯は、丸粉蒔絵をベースとして透き漆で描き起こしてみました。
 山桜は、花びらを丸粉蒔絵、枝や幹を梨子地塗りで。


 蒔絵の表現は、多岐に渡って様々なものがありますが、
 試作を重ねながら、取捨選択して本番に臨みました。


 山桜に蔓を二重螺旋で絡ませました。
 変化自在な生命の神秘を意識してデザイン。


 半鐘蔓も丸粉蒔絵にて絵付けしております。


 背面の半鐘蔓。


 山桜の幹たち。根本は途切れた形に、、、生命の根源は謎ですね。


 当工房の銘「瑞緒」を背面に。。。


 尺八を製作した工房の銘(焼き印)はそのまま残しまして、
 その横に当工房の銘を螺鈿で入れております。


 最後の仕事=鶯の眼光を入れる作業。
 梨子地粉3号の一粒を黒目に針で貼り付けてみました。


今回のご依頼は蒔絵を主としたものとなりましたが、
やり甲斐と共にその難しさを痛感した次第です。本当に今後の糧となりました。
お客様には改めて感謝申し上げます。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 13:37Comments(0)金箔・金粉漆塗り楽器装飾

2018年08月07日

鞘塗りをアレコレと・・・

鞘塗りをアレコレと・・・

他ご依頼品と共に、相変わらず鞘塗りも幾つか並行して進めております。

漆塗り用の鞘たちは、下地作業を更に進めて、、、


 布着せの次の工程に入る準備中、作業で使っている新聞にふと目が留まりました。。。
 夏の甲子園=第100回全国高校野球選手権記念大会が開幕(^^)


 貼った絹の目に錆(漆+砥粉のパテ)を擦り込む=布目擦り。



 乾燥しました、、、研ぎます。



 次は、地付けです。



 また乾燥しました、、、研ぎます。☆溶岩の様に硬い!です。


別件の鞘塗りも完成へ。。。最後に栗形を接着です。


 木地に螺鈿装飾とウレタン塗装。栗形・鯉口・鐺部分は黒漆で。
 すみません、螺鈿装飾は未公開で!(^^;
 

 2液型樹脂を接合部に塗布し、
 浸透圧でピタッと納まるように樹脂の量をさじ加減してみました。
 樹脂が接合部からはみ出すことなくキレイに空気が抜けて、、、
 上手く行ってホッとしました~。


諸々、まだ遅々として進んでいないご依頼品もあります。
お盆前にかけて、製作ペースを上げましょう。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:37Comments(0)漆塗り塗装

2018年08月01日

8月に入っても漆芸つづき・・・

8月に入っても漆芸つづき・・・

もう8月になりました。早いものです!

7月は本当に忙しく、
製作業に加えて講師業も特別授業が目白押しで、
さらに猛烈な酷暑も加わって、だいぶヘトヘトになりました。

学校が一区切りつきましたので、製作業に集中です!
ご依頼頂いているうち、漆塗りに関するものも多く、
8月も、これらの製作が続いていくことでしょう。

その内の一つ=日本刀鞘大小拵は、下地の作業が続いています。
だいぶ予定が遅れていますが、他ご依頼と並行して、
この8月で何とか中塗りまで完了させたいところです。


 木地固めが終わり、鯉口を接着したところ。


 下地塗り前のマスキング。経験上、セロハンテープも有効です。
 発泡スチロールも、、、利用価値あり!!ですね。


 布着せの作業へ。鞘の躯体に馴染むよう絹を糊漆で貼って行きます。


 室(ムロ)で乾燥させては研ぎ~を3回は繰り返し、
 出っ張り過ぎたところは刀でカットして、ある程度平滑にします。
 絹や糊漆が厚いところは、どうしても中が乾いていないので、
 表面を研いでは室入れ~を繰り返す必要があります。

今回の日本刀鞘大小拵は、お客様が本堅地(一番堅牢な漆下地)をご希望されています。
着実に積み重ねて行かないといけません。完成まで、まだまだ先は長い、、、です。   


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:18Comments(0)漆塗り

2018年06月20日

雲竜図蒔絵ギター完成・・・

雲竜図蒔絵ギター完成・・・

様々なこともあって半年以上を要しましたが、、、
雲龍図蒔絵ギターがやっと完成!!
今週初めに、ご依頼主であるギターショップ「糸島の音風」様へ納品致しました。


 ギターの全体写真です。


 龍頭部分の様子。龍は本蒔絵(金丸粉)、雲は梨子地塗り(金梨子地紛)で表現。
 龍の眼にはローズレッドの彩色を裏側に施した螺鈿を入れております。


これだけ広い面積に蒔絵を施したのは初めて。
いろんな意味で研鑽を積むことができたご依頼でした。
次なるステップアップに繋がることと思います!

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:48Comments(0)漆塗り楽器装飾

2018年06月15日

ギター蒔絵は最終工程へ・・・

ギター蒔絵は最終工程へ・・・

ギター蒔絵は、やっと終盤戦に向かってきました。

蒔絵で一番手のかかっている龍は、、、
金丸粉を蒔いて乾燥させた後、生漆を浸透させて丸粉を固め、その後に摺漆。


 大枠で研ぎを入れてから、鯛牙(たいき)で丸粉の表面を潰すように撫でて磨きました。
 この作業を施すと、キラキラと丸粉が光ってきます。

雲の部分は、全て金梨子地紛での蒔絵を施していますが、
その上から梨子地漆を重ね塗りしております。
雲の流れごと(エリアごと)に塗り重ね回数や研ぎの程度を変えることで、
上塗りされた梨子地漆の厚みを変え、金梨子地紛の色味に変化をつけました。
摺漆や磨き作業でペーパー等の研ぎ足を段階的に無くしながら、艶上げに持って行きます。
 

 そして、最終工程。。。
 龍、雲、ベース黒、ギター表面全体に摺漆を施してよく乾燥させた後、
 呂色磨き粉で全体を手磨きです。


 一旦磨き上がりましたが、研ぎ足が少し目立つところを無くしたり
 艶のレベルをもう一段階上げるために、再度摺り漆と呂色磨きを施します。
 「もう一丁!」という感じでしょうか。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 10:27Comments(0)金箔・金粉漆塗り楽器装飾

2018年05月10日

雲の蒔絵開始・・・

雲の蒔絵開始・・・

ギター蒔絵は、いよいよ雲の金粉蒔き工程。
少しテストをした後、本番に入りました。


 粉筒は大き目のものを使用。ぼかしを付けつつ、雲どうしのバランスを考えて。。。


 蒔き終わりました。良く乾燥させてから、余分に蒔いた金粉を掃います。

金梨地紛を蒔いておりますが、この前製作した粉筒はまずまずの働きをしてくれています。
状況をよく見ながら、雰囲気良く仕上がるよう頑張ります。



 昨日は貝殻にバフがけ(磨き)を行う作業をしておりましたが、、、
 超特急で関東方面へ出荷。

それにしても、このように最近はご依頼が多岐に渡っております。
昨日遅くには貝殻に加えて木材を削る作業もしておりました。
こうした状況に伴って、様々な種類の装飾技法が必要となり、取り扱う素材も様々です。
かなり応用力が求められますが、何とかこなしてまいりましょう~。

☆お待たせしているご依頼主様には、本当に申し訳なく思っております。
 多くの手間を必要とし、難しい課題を克服しつつの制作であるため、
 もう少し猶予を頂けますと幸いです。
   


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:07Comments(0)金箔・金粉漆塗り楽器装飾

2018年04月25日

諸々立て込んできました・・・

諸々立て込んできました・・・

かなり久しぶりのブログ更新です。
(約1ヶ月ぶりでしょうか~汗 FBでは記事アップしておりますが。。。)

ちょっとここに来て、また立て込んできました。



 貝殻加工のお仕事も。。。
 バキバキやっております(^^;



 ギター蒔絵の制作は、絵柄の下塗りが終わり、、、


 諸々下準備した後に、やっと龍の蒔絵を開始です。
 一番の見せ所である龍の顔から。。。
 まだ先は長い感じですが、頑張りましょう。

今年の目標からすると、、、もっと飛ばさないといけないですね~(^^;  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:11Comments(0)螺鈿(らでん)・貝細工金箔・金粉漆塗り

2018年03月19日

ギター漆塗り~蒔絵の工程へ・・・

ギター漆塗り~蒔絵の工程へ・・・

ギターの漆塗りは、黒呂色塗りが終わり、蒔絵の作業に入っております。


 黒呂色塗りと研ぎが終わって一旦艶上げです。
 最終的な艶上げは、蒔絵が終わる時に再度行います。


 蒔絵開始です。まずは下塗りから。。。


 置き目(図柄のトレースと転写)をしながら下塗りを。。。


 下塗り完了。龍と雲は、見分けが付きやすいように下色を変えてみました。


 さて、小さく加工した砥石で研磨です。


 地面(ベースの黒漆)を傷めないように、慎重に研いで行きます。
 この作業にも結構時間をかけます。

今回は大き目の蒔絵なので、一つ一つの作業に時間がかかりそうですね。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:59Comments(0)漆塗り楽器装飾