2020年09月15日

お盆の塗り直し・・・

お盆の塗り直し・・・



 だいぶ前からご依頼を請けていたお盆修理。。。
 次なる大きな山です!

細かい手直しを試みていましたが、
傷みが厳しい箇所が幾つもありまして、
側面や底面は、もう根本的に修理して塗り直しまで施すことに決めました。


 先月下旬~今月始めにかけて、
 刻苧(こくそ)で傷を埋めたり、錆付けを施しました。


 お試し用としてご用意頂いた壊れているお盆を使い
 先日、テスト塗りも実施。。。


 うるみ漆を調合して作りまして、
 現在の経年変化した朱色にだいたい近いものを見出しました。
 お盆の内側底面は、、、蒔絵が入っておりますので、
 このまま塗面の磨き直しや蒔絵の補修を。。。

ある程度の補修と塗り直しになると思いますが、
来月~再来月にかけて、コツコツと進めて行きましょう。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:42Comments(0)制作日記漆塗り

2020年09月14日

琵琶塗り終わり、発送・・・

琵琶塗り終わり、発送・・・

ようやく琵琶塗りが終わり、さきほど発送しました。


 最後に磨きを入れた、半手(海老尾)と糸巻棒。
 磨き粉を使って布磨きを施しました。


 今回の梱包段ボールは、蓋被せ型に、、、
 どうか無事にお客様の元へ届きますように~祈!  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:00Comments(0)制作日記漆塗り楽器装飾

2020年09月02日

久々に蒔絵作業・・・

久々に蒔絵作業・・・


 久々に蒔絵作業です。
 道具や純金粉を用意して、、、ちょっと緊張です^^;

台風が近づいているので、湿度が上がって来た感じですね。
風が入ってこないよう、全窓をピシャッと閉めて!
金粉が飛んだら大変なことになりますからね~汗。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:58Comments(0)金箔・金粉漆塗り

2020年08月21日

湿度25%・・・

湿度25%・・・

最近は晴れ続きで、高温&低湿の毎日、、、
やはり湿気が余りにも足りず、室に入らない品物の漆乾燥がイマイチです(^^;


 昨日のお昼、気づいたら、、、部屋の湿度が25%!!
 今年見たことのない数字のような。。。(;'∀')  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:43Comments(0)制作日記漆塗り

2020年07月28日

茶合塗りを再開・・・

茶合塗りを再開・・・

茶合塗りは、お客様へのデザイン最終確認のため暫く中断していましたが、
やっと決まりましたので作業再開です。


 左の茶合(大)は、元々お客様がお持ちのもの。
 塗り直しということになります~。


 しっかり研いで、、、


 内側も研いで、、、


 展開図面も確認してから、、、
 茶合大小それぞれの色漆でベースの中塗りを。。。
 大は煤紅、小はピース紺で。


 写真のように小口から塗り出し、まずは内側を塗ります。
 最後にまた小口付近に溜まった漆を丁寧に漆刷毛で拭う感じです。
 内側が乾いたら、今度は外側を、、、それはまた後日。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:23Comments(0)制作日記漆塗り

2020年07月16日

狛犬と古墳のネクタイピン・・・

狛犬と古墳のネクタイピン・・・



 昨日は贈答用のネクタイピンを納品。狛犬と古墳がテーマとなっています。

詳細は伏せますが、ご依頼主は奥様でして、
その筋の専門家でらっしゃる旦那様へのプレゼントとして製作しました。


 パッケージには説明書付きで。
 ふつうプレゼント用としては四つで納品はしないのですが、
 今回は意味のある数字でしたので、そこにこだわりました。


 「狛犬」ピン~阿形
 社殿の破風・虹梁・懸花(紫陽花)をモチーフに加えたデザインとなっています。
 狛犬は相島産アコヤ真珠貝製。彫刻を施し、漆を擦り入れてみました。
 ベース虹梁部には純金粉を。
 破風下中央には懸魚というものがあるのですが、
 旦那様がお好きな紫陽花の花形を配し「懸花」としました^^


 「古墳」ピン~
 前方後円墳をテーマに。
 古墳形状に加え、横穴式石室、盛土をイメージしたデザインとなっています。
 古墳ベースは白蝶貝で、アワビ貝を象嵌。


 加工の様子。前方後円墳に模った白蝶貝を精密加工。


 その前方後円墳に象嵌するアワビ薄貝加工の様子。
 まるで古墳の里のようで、、、(笑)


 ともかくちっこくてですね~、、、
 老眼には辛い!(^^;


 ベース木材に螺鈿を嵌めるため、微調整の削りを幾度となく。。。


 青い螺鈿を、横穴式石室に見立てた溝に切り貼りして行く作業。
 石の形状にこだわってカットし、漆で貼って行きました。


旦那様には既にプレゼントされ、大変喜んで頂いたとのこと。
作り手として、嬉しい限りです。。。

*お二人にはやっぱりこの曲を贈りたい!
 ニューシネマパラダイス 愛のテーマ♪ icon100
 https://www.youtube.com/watch?v=nWtfoAxGwcM





  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:24Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2020年06月30日

駆け足で終わった6月・・・

駆け足で終わった6月・・・

もう6月が終わろうとしていますが、
イレギュラーなことも色々と発生してバタバタとしていました。
そんなこんなで、今月も早く通り過ぎた感じです。。。

これから7月にかけて、螺鈿作業をコツコツと、、、
そして、漆塗りの仕事が多くなりそうです。


 余った漆も大切に、、、

このようにガサガサに乾いた漆たちを見ていると、
なぜかイタリヤやスペインで見た風景を思い出します。
荒々しい山肌、乾いた空気、そして壊れた城壁、、、
今月、NHKで見たスペイン「サンティアゴ巡礼」の旅番組では、
映画「グラディエーター」の音楽が流れていました。心に沁みる音色です。
新型コロナの惨禍に見舞われた両国に祈りを捧げたい気持ちになりました。

*映画グラディエーター Now We Are Free♪より icon100
 https://www.youtube.com/watch?v=o_5mCMHPQds

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:07Comments(0)制作日記よもやま話漆塗り

2020年05月29日

茶合塗り~中塗りへ・・・

茶合塗り~中塗りへ・・・

コツコツ進めている茶合塗りは、
やっと黒漆の中塗りまで進みました。


 完成した錆地です。。。


 肌が少し粗いところもありますが、、、
 次の中塗りへ。。。


 昨晩塗った中塗りの黒漆。きちんと乾きました。
 黒漆は肉持ちが良いので平滑面を作る上でも優れているのですが、、、
 このように一旦しっかりと塗ることによって、
 この上に重ねる上塗り(色漆)の下地となります。


 内側を今日塗って、また次へ進みましょう^^

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:08Comments(0)制作日記漆塗り

2020年05月24日

茶合塗り~錆下地・・・

茶合塗り~錆下地・・・

茶合塗りの下地作業は、錆(漆パテ)付け~固め作業へ入っています。
いつものごとく、下地作業はコツコツと進めています。。。


 2日前の様子。炭粉下地の研ぎと固めが終わったところです。
 この表情もなかなか風合いがあって良い感じです。。。


 この二日間で錆付け2回行い、本日水研ぎを。。。
 錆は箆付けしますが、その最中に写真を取る余裕はありません。
 なぜかと言いますと、錆=漆パテは固まるのが結構早くて、
 もたもたしているととんでもないことになるからであります(^_^;)


 水研ぎ終了~ (内側)


 水研ぎ終了~ (外側)

 錆は、細かい土(砥の粉)、水、生漆を混ぜたものです。
 この錆付けが平滑に(滑らかに・均一に)付いてないと、
 次の中塗りの工程の時に苦労します。


 生漆を水研ぎして乾燥させた錆地に染み込ませます~
 これもいわゆる「固め」作業です。


 錆地が生漆を吸収すると黒くなります。


 暫くの間、カプセルミニホテルに入ってもらいましょう(^^)/

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:12Comments(0)制作日記漆塗り

2020年05月22日

漆屋さんからマスクのプレゼント・・・

漆屋さんからマスクのプレゼント・・・


 注文していた色漆が届きました。
 ナンと、マスク付きで!

箕輪さん、ありがとうございます!
大切に使わせていただきます。(^〇^)
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:20Comments(0)制作日記漆塗り

2020年05月19日

茶合塗り~下地2回目の炭粉蒔きと研ぎ・・・

茶合塗り~下地2回目の炭粉蒔きと研ぎ・・・

茶合塗りの下地作業は、2回目の炭粉蒔きが終わり、
暫く乾かしておりましたが、本日水研ぎを。。。



 まずは、ザッと粗目のサンドペーパーで研いで、、、


 炭粉下地を駿河炭で研ぐ、、、これは今までやったことがないのですが、
 どうなるか少し試してみました(^^;


 Before~
 研ぐ前の、細かい炭が蒔き付けられた少しモフモフな肌。。。


 After~
 炭で研ぐのもなかなか良し、、、
 蒔き付けた炭の頭がだいぶ取れて平らかになり、平滑面がホドホドに出ました。


 内側は、ペーパーのみ掛けました。
 丸みを付けた炭で研ぐのも良さそうですが、、、
 いずれにしても、錆(漆パテ)をこの上にしっかり箆付けして行くので、
 そこまで平滑に研いでも意味があるのかな?炭粉下地も薄くなるし・・・
 と思いましたので、まずはこのままで。


この後に生漆を再び染み込ませる「固め」作業を行い、室に入れて乾燥へ、、、

つづく。。。



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:52Comments(0)制作日記漆塗り

2020年05月15日

茶合塗りの炭粉蒔き・・・

茶合塗りの炭粉蒔き・・・

引き続き螺鈿作業の合間で進めている茶合塗りは、
1回目の炭粉蒔きが終わり、よく乾かしてから2回目に入っております。


 1回目が乾燥した様子です。先はまだ長し(^^;


 内側も・・・

2回目では、柔らかい箆を使って生漆をよく炭粉地に染み込ませ、
ほんのちょっと浮いた生漆に、1回目より更に細かい炭粉を蒔き付けます。
その後、1回目と違って、当方独自の叩き技で炭粉を引き締めてやります。
そうすると、粉がよく地に馴染んで強固な塗膜となります。


螺鈿の作業もあり、諸々抱えている今の状況に感謝しておりますが、
その内、コロナの負の影響がいよいよ本格化してくるものと予想しています。
今回の炭粉下地のように、しっかり地固めする動きもしていかないとですね(^^;

   


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:29Comments(0)制作日記漆塗り

2020年05月09日

茶道具(茶合)の塗りを開始・・・

茶道具(茶合)の塗りを開始・・・

かなり時間のかかる螺鈿作業を幾つかこなす合間に、
ご依頼の茶道具=茶合塗りも始めました。
こちらもオリジナルデザインで螺鈿を施す予定です。


 うちの2軒隣りの木工房=O氏に作って頂いた木地。
 両面を写し取って図面化しといて、、、


 生漆で木地固めです。。。


 よく吸いますね~^^


 塗装の基本!木地の小口にはたっぷりと下地塗料を吸わせましょ~^^


 余分な生漆を拭き取って、、、しばらく湿気を施したカプセルに入ってもらいます。。。


 しっかり乾きましたね~。つぎ行きましょう!


ということで、下地をどうするかアレコレ考えた末、炭粉下地にすることに。


 生漆を塗って炭粉を蒔いた様子です。
 軽く作った方がお茶っぱなどの分量を感じられて良いでしょうし、強度も持たせたい、
 木地が薄く繊細に良く作られているので下地も薄くしたい、、、
 それらの条件をクリアするためには、漆を吸収した薄い多孔質膜を作って
 強度を比較的保てる炭粉下地が適していると判断しました。


*以前ネットで見つけた下記資料には「元軍の甲冑は軽い」という
 鎌倉期日本側の興味ある文献が見受けられます。
 当時の元軍は寄せ集めの連合軍であったらしく、
 武具の漆塗りには「骨粉下地」などを使う民族が多い中で、
 炭粉のみ下地に使っていた民族も連合軍に加わっていたらしい、、、という分析もありました。
 炭粉下地が当時から行われていたとは。。。
 いずれにしましても、東方アジア圏では昔から弓などの武具に
 軽くて強度を持たせる漆塗りは欠かせないものであったんですね~。

 →参考サイト:独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所「鷹島海底遺跡出土の元寇関連漆製品に関する調査」icon100


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:55Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り木工

2020年04月26日

激動の4月が終わり、混迷の5月へ・・・

激動の4月が終わり、混迷の5月へ・・・

新型コロナウィルスの影響で、
この4月の動きは公私ともに大変なものでした。。。

敢えてここで書かなくても、もう皆さんご存知のことですが、
経済、教育、生活など、社会全般に渡り、公も個人も様々な支障や制約が出たり、
またいろんな動きが日々出てきたりして、難しい局面が続きました。

このような流れは5月も続くのでしょうが、
各方面で、さてこれからどうしたものか!?という事態にも直面し、
どっちの方向に進むか、アレコレと悩ましいことにもなるでしょう。
そして、何らかの決断を下さなければならない時も必ず訪れるはずです。

但し、ウィルスの動静、また人の動きというのはかなり読めません。
一旦何かを決めても、また軌道修正が迫られる・・・ということも多くなるでしょう。
まずはこの5月、、、世間は混迷することでしょうが、
しっかりと先を見据えた方向性を公私ともいかに示せるかが、今後を占う意味で重要です。


当工房では、まずはご予約頂いているご注文案件を着実にこなしつつ、
コロナ収束後の展開や当方ができることを少しイメージしておいて、
ある程度事態が落ち着くまでの間に、それらをまた形にして行く時間を作ろうと考えています。

時には立ち止まってじっくり考える、、、そういう機会が訪れているような気もします。



 現在製作を進めている筑前琵琶の漆塗りと装飾。
 これから螺鈿細工を施して参りますが、またその様子は5月以降にご紹介致します。


 先日加工した厚貝螺鈿。家紋「抱き茗荷」の彫刻を施しています。
 この乱れた世相も一旦丸く収まりますように。。。(祈)


  


2020年03月22日

工房も春本番へ・・・

工房も春本番へ・・・

先日行った糸島の工房では、お昼過ぎまで凄く良いお天気。
作業もはかどりました。


 雲一つない、素晴らしい青空。しかし風は強し!


 工房作業は、螺鈿材料の下準備と色の調合(調色)です。
 イメージ通りの色が出来たと思います~良かった!

しかし、、、夕方から風雲急を告げました~嵐!(^^;


天気の移り変わりは、今年は相変わらず短い周期でやってきますが
だんだんと春の陽気が訪れることも多くなって来ました。
これから更に暖かくなってくることでしょう。

新型コロナウィルスの感染拡大は、
主にヨーロッパが大変な状況へ。
しかし、日本も何とかこらえている感じで、
決して油断はできないと思います。

長期戦になることもあり得ますが、ここは何とか耐えて行くしかありません。
一人一人の忍耐と努力で、この困難を乗り越えましょう。
  
タグ :工房作業


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:48Comments(0)制作日記よもやま話漆塗り楽器装飾

2020年03月14日

琵琶塗りの中塗り作業・・・

琵琶塗りの中塗り作業・・・

琵琶塗りは中塗り工程へ。
しっかり下塗りを研いで「紫色漆」を塗りました。


 2回目の下塗り(黒漆)を施した塗面。しっかり乾かしました。


 まずは駿河炭で研いで、、、


 しっかりと研いで、、、汗


 ペーパーもかけて研ぎ終わり、、、またマスキングをし直しました。


 色漆を濾して、しっかり練って、、、


 塗り終わり、、、パチリ☆
 あれっ?ちょっと画像の明度が高いですね。
 実際の塗った色はここまで明るくなく、もう少し濃い感じ。
 乾燥するとより濃く、暗くなるはずです。


 翌日の中塗り塗面。
 乾燥した状態を見ますと、だいぶ濃い目に変化しています。
 色見本でお客様に提示した通り、蘇芳色(すおういろ)に近い紫になっています。

さぁ、これから螺鈿などの加飾に入ります。
まだまだ先は長いですが、頑張って参りましょう。


それにしましても、コロナショックの影響は凄いですね。
各方面、知人にも厳しい状況が続いています。
わたしの方でも少なからず影響が出ていますが、
何とか世界中の人々が協力して、
終息の方向に向かって欲しいと願うばかりです。


 コロナのこともあり、だいぶこもって作業ばかりしていましたので、時には外へお散歩です。
 大濠公園は子ども連れの方がたくさんいらっしゃいました^^

♪ Salyu「旅人」icon100
*琵琶作業中によく聴いています。
 制作は一つの旅のようなもの。
 歌詞の中に出てくる言葉=「いのちの色」をきらめかせよう、
 そして「新しい地平」を切り開こう~。

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:54Comments(0)制作日記漆塗り楽器装飾

2020年03月10日

琵琶塗りの下塗り作業・・・

琵琶塗りの下塗り作業・・・

琵琶塗りは下塗り工程へ。
「黒漆塗り」作業です。


 漆を下地に随分吸わせたので二日間乾かしました。
 触って、しっかり乾いたことを確認。。。


 サッと少し粗目のペーパーで空研ぎです。
 なかなか下地には手間がかかったので、この様子を見るとちょっと感慨深いですね。
 まだ完成もしていないのに(^^;


 黒漆を濾し紙で濾して大粒のブツ(ゴミ)を取り除き、いよいよ刷毛塗りです。
 久しぶりに大きい刷毛を使います。。。


 今回は下地と塗りの食いつきをしっかりさせたいため、黒漆は結構薄く塗りました。
 これからカッチリ乾かします。

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:15Comments(0)制作日記漆塗り楽器装飾

2020年03月09日

琵琶塗りの下地作業・・・

琵琶塗りの下地作業・・・

琵琶塗りの下地作業は、布着せ後、第5~10工程へ。
この一週間で、布目擦り~切粉地付け~錆付けへと進みました。

まずは、糊漆で貼り付けた布(寒冷紗)を粗目の紙やすりでしっかり研ぎ、布目擦りを行いました。
布目擦りとは、本来、布(紗)の目に錆(土と漆を混ぜたもの)を擦り付けて埋める作業ですが、
今回の琵琶下地では、諸々思案しまして、錆より粗目の切粉を使いました。


 切粉をプラスチック箆で薄目にしっかりと擦り付けて行きます。
 紗の目に沿って縦横に擦り付けますが、
 先に付けたところは、水と空気に漆が反応して、みるみる黒ずんで行きます。


 布目擦りの作業完了。
 擦り終わって15分もすると、もうこんなに黒くなっています。


 1日室で乾かし、「布目擦り」で擦り付けた切粉地をしっかり研ぎました。
 布目がまだ少し残っていますが、腹板の曲面自体はだいぶ滑らかになって来ましたね。。。


 切粉地付け完了。今回は少し厚目に。。。また、あっという間に黒くなって来ます。

普通ならこの後は地付け(粒子が大きめの地粉を含んだ漆パテをヘラ付けする工程)なのですが、
地付けをするとどうしても下地が厚くなりがちなので、省くことにしました。


 しっかり室で乾燥させた後、空研ぎして切粉地の状態を確かめ、、、
 妙な凹み等無しで状態OKということで、水研ぎです。


 水研ぎ後はマスキングテープを一旦剥ぎます。


 半月部分のマスクも取って、一旦きれいに。
 この際の清掃は、面倒でもこの段階でやっておかないと、
 後で剥がすのが大変になったり、仕上がりが悪くなる原因になりますので。。。


 マスクし直しての、、、固め作業。
 生漆を切粉地にたっぷり吸わせます^^


 よく吸い込んで行きますね~!
 幾つか箆用意してましたが、、、
 結局今回は、このプラスチック箆1本で用が足りました。


 全体に生漆が行き渡りまして、、、
 余分な生漆を布で拭き取ります。。。
 全体をしっかり拭き取って、固め完了です。


 室で一晩乾かした後、切粉地を軽く荒研ぎしてから
 錆(砥粉(土)、水、生漆を混ぜたもの)を作ります。

 指南書には「錆とは、層を作るよりも膚(はだ)を宜く(よろしく)するもの」とあります。
 厚塗りはせず、箆(ヘラ)で丁寧に薄く塗るのが寛容なり、、、です。


 錆を箆付けした状態です。
 やはり、錆付けは難しい。。。錆は結構早く固まるので時間との勝負。
 しかもムラなく丁寧に付けることが求められるので、箆さばきにも細心の注意が必要です。
 半月のところがですね~~まだまだ修行が必要です。、、、(^^;


 室で一晩乾かした後、研磨完了。
 錆地は大体これでもOKなのですが、、、


 昨晩つくってた残りの錆を、昨晩にも増して丁寧にうっすらと箆付けして行きます。


 私はこの2回目の錆付けを「化粧錆」と呼んでいます。
 昨日よりは半月辺りの錆、上手く箆付けできたような。。。


 翌日、一旦空研ぎをして全体をチェックしてから、このように水研ぎします。
 これは最後の下地研ぎ。指南書にもある通り、
 下塗りをし易くするため「特に注意して平坦に且つ平滑に」研ぐ必要があります。


 水研ぎが完了し、また一旦マスキングを取ります。


 半月の輪郭周辺はどうしても錆がせり上がって固まります。
 研いでも中々このせり上がりが取れないので、彫刻刀で削ります。


 錆研ぎ完了。大体きれいな曲面になったと思います。
 所々黒くなっている部分がありますが、
 ここは元の下地が少し高かったところで、錆が薄くなっています。
 マスキングをし直し、切粉地の時と同様、生漆で錆を固めます。


 生漆を箆付けして拭き取りました。
 やっと下地が完了です。室でしっかりと乾かしましょう。


以上が下地作業ですが、何回か似たような写真があったと思います。
大~小と、、、粒子の大きさが違う地を何回も重ねて作って行くという、
それこそ地道な同様の作業を行うのが漆下地です。
今回は大の粒子を省いた分、少し労力が減りましたが、
それでもこれだけの工程数が必要ということがお分かりかと思います。

今後は下塗り~中塗りと、いよいよ塗りの作業に入ります。
つづく。。。









  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:25Comments(0)制作日記漆塗り楽器装飾

2020年03月02日

琵琶塗り開始・・・

琵琶塗り開始・・・

新たな大物ご依頼品=琵琶が2月下旬に届きました。
補修箇所も直しながらの塗り&装飾となりますが、
納期が決まっておりますので、早速作業開始(^^;


 筑前琵琶に漆塗りと螺鈿蒔絵装飾のご依頼。
 この琵琶は90~100年物らしいです。。。
 ご依頼主はたいへん芸の御達者な方。気合が入ります(^^;


 割れが発生したところには、、、


 刻苧(こくそ)詰め。。。


 ガラス材で白蝶貝の代替補修アリ!(どうしましょう!?(^^;)


 お客様と電話でお打合せした結果、、、
 この覆手右側のガラス片は、取り除いて白蝶貝に取り換えることに。。。
 相当しっかりと接着剤でくっついていましたが、
 薬剤等を点滴しながらカッターでゴリゴリと1時間、、、ようやく取れました!
 

 先日、この欠損部分の白蝶貝は大枠カット。また成形して補修に充てます。


現在、下地作業を進めていますが、、、


 まずは木固めから、、、


 その後、凹みや窪みにも刻苧(こくそ)を詰めて、、、


 曲面全体がより滑らかになるよう、引込地付け(漆のパテ付け)を施しました。


 引込地をしっかり研いで、なだらかで歪みの取れた曲面を出し、、、


 寒冷紗を糊漆で貼る「布着せ」の作業へ。。。


 ヘラで糊漆をしっかりしごいて、簡易室で暫く乾かします。

まだまだ下地作業は続きますが、今回は楽器への塗りですので、
下地が厚過ぎて音に悪影響が出ては行けません。
かと言って、琵琶という楽器は、その特性として音鳴り、反響による振動が大きく強いので、
下地がもろいと塗りが剥げたり割れが出ることになりかねません。

下地は強固に、しかし出来るだけ薄く、、、そこら辺の塩梅が難しいところですね。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:10Comments(0)制作日記漆塗り楽器装飾

2020年02月21日

鞘塗りご紹介~龍虎螺鈿鞘(大小)

鞘塗りご紹介~龍虎螺鈿鞘

鞘塗りご紹介のラストは、今年に入って完成~納品した
『 黒漆蝋色塗龍虎螺鈿鞘(大小)』*仮称です。

難しい課題も多くあり、当方の様々な事情もあって製作に1年以上を要しました。
やっと先月納品することができましたが、内容の濃いご依頼を頂いた上、
長期間に渡って忍耐強く待って頂いたお客様には本当に感謝しております!


 龍虎が睨み合う構図での鞘大小セットというオーダーです。
 全体に青貝粉蒔きを行い、鐺付近に菊紋も配もしております。


 龍鞘の表裏姿。


 青龍は天界にて霊芝雲(れいしぐも)を伴い、天象の神として地上界を見下ろす、、、
 そのようなイメージでもあります。


 龍鞘裏面の霊芝雲たち。
 霊芝は万年茸の中国での呼称。
 この形を雲にかたどり、吉祥文様として古くから使われてきたとのこと。


 虎鞘表裏姿。
 古くから、虎には竹との組み合わせが多く見受けられますが、
 紅葉とのミックスという斬新なオーダーを頂きまして、
 色合いとしては金色の裏彩色を施した螺鈿にて紅葉を表してみました。


 虎もまた、青龍と呼応するかのように青みの裏彩色を施して青虎と成す。
 龍と虎は共に青もしくは緑系統とのオーダーがお客様からありましたが、
 このことが、デザインする上でイメージ作りに欠かせない重要な要素となりました。


 虎鞘裏面の紅葉螺鈿。


 鞘大小の表裏に施した菊紋。
 銀の裏彩色を施した螺鈿粒を菊紋にかたどり、研ぎ出し螺鈿として表現しました。


今回の製作で難しかったことは、
複雑な絵柄の螺鈿を、かなり曲面のきつい鞘躯体に対し、
いかにスムーズに貼付するかという点、
また、施した全ての螺鈿を一つの曲面とするため、
特に貼付した絵柄螺鈿を極力傷めることなく、
全体を研ぎ出して終わる点が挙げられます。

以上のミッションを成功させる為には、
平板で固い螺鈿の加工から貼付に至るまでのテクニック向上および刷新と、
マスキングテクニックの新たなアイディアが必要となりました。

これらの難点を何とかクリアでき完成と相成りましたが、
今回得られた技術や内容は、次なる製作に必ず活かして行けると確信しています。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 14:39Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り