2022年08月28日
新作鞘塗り⑳ 最終中塗り・・・
新作鞘塗り⑳ 最終中塗り・・・
新作鞘塗りは、3回目の中塗りを実施。
これで中塗りは最後となります。
今回はちょっとした凹みの解消や曲面の滑らかさを出すために
通常1~2回のところを、しつこく3回塗ってみました(^.^)

ペケペケ(××)風に黒漆を配った様子です(^^)
鯉口・鐺の表面の高さと塗りの高さを合わせるのは、
本堅地ともなりますと下地が相当厚くなるだけにたいへん難しく、
各下地の段階から調整を重ねて参りましたが、
中塗りの段階では高さだけでなく滑らかさの調整も必要になります。
奇麗な淀みのない曲面を出すのは、また至難の技であります(^^;

神経を集中して、力加減に注意し、刷毛を何度も通しながら、、、
最後の中塗りが完了~ダンボール室(ムロ)内でじっくり乾燥です。

修理中の螺鈿硯箱と仲良く並んで、しばらくおねんねしといて下さい(^.^)
さて、ここまで来ましたら、暫く本作業は中断。
次は加飾へと移行するのですが、
加飾の中には確認・検討が必要なものが幾つかありますので、
9月~10月半ば?にかけては主にこの試作を行うこととなります。
まだまだ時間はかかりますが、確実にやって行かねば~です。
つづく。。。
新作鞘塗りは、3回目の中塗りを実施。
これで中塗りは最後となります。
今回はちょっとした凹みの解消や曲面の滑らかさを出すために
通常1~2回のところを、しつこく3回塗ってみました(^.^)
ペケペケ(××)風に黒漆を配った様子です(^^)
鯉口・鐺の表面の高さと塗りの高さを合わせるのは、
本堅地ともなりますと下地が相当厚くなるだけにたいへん難しく、
各下地の段階から調整を重ねて参りましたが、
中塗りの段階では高さだけでなく滑らかさの調整も必要になります。
奇麗な淀みのない曲面を出すのは、また至難の技であります(^^;
神経を集中して、力加減に注意し、刷毛を何度も通しながら、、、
最後の中塗りが完了~ダンボール室(ムロ)内でじっくり乾燥です。
修理中の螺鈿硯箱と仲良く並んで、しばらくおねんねしといて下さい(^.^)
さて、ここまで来ましたら、暫く本作業は中断。
次は加飾へと移行するのですが、
加飾の中には確認・検討が必要なものが幾つかありますので、
9月~10月半ば?にかけては主にこの試作を行うこととなります。
まだまだ時間はかかりますが、確実にやって行かねば~です。
つづく。。。
2022年08月26日
螺鈿硯箱の修理② 螺鈿剥がし続編・・・
螺鈿硯箱の修理② 螺鈿剥がし続編・・・
既存螺鈿を引き続き剥がし中の螺鈿硯箱。
難関を幾つも越えている感じがします(^^;

レリーフと合体している螺鈿はカット目を入れ、、、

水攻めをしつつ、、、分離成功!(^^;

こちらもやはり螺鈿がレリーフと合体してます~。

慎重にカット目を入れて、、、
何とか分離に成功しました。

全部剥がし終わったところは早々に清掃~。

この部分も微妙!そろ~りそろりと、、、

最後は、、、髪の毛で引っ張りです!

導きたまえ~!!(^^;

導かれた方々。。。
まだまだ満ちるには足りず!(^_^;)

何とか上蓋はあと一ヵ所に(青い朝顔左下の一片です)。
そこがまた難関で、補修接着剤でビッタシくっついているんですが~(~_~;)
こちらを何とか越えたら次!側面へ~。
つづく。。。
既存螺鈿を引き続き剥がし中の螺鈿硯箱。
難関を幾つも越えている感じがします(^^;
レリーフと合体している螺鈿はカット目を入れ、、、
水攻めをしつつ、、、分離成功!(^^;
こちらもやはり螺鈿がレリーフと合体してます~。
慎重にカット目を入れて、、、
何とか分離に成功しました。
全部剥がし終わったところは早々に清掃~。
この部分も微妙!そろ~りそろりと、、、
最後は、、、髪の毛で引っ張りです!
導きたまえ~!!(^^;
導かれた方々。。。
まだまだ満ちるには足りず!(^_^;)
何とか上蓋はあと一ヵ所に(青い朝顔左下の一片です)。
そこがまた難関で、補修接着剤でビッタシくっついているんですが~(~_~;)
こちらを何とか越えたら次!側面へ~。
つづく。。。
2022年08月23日
新作鞘塗り⑲ 中塗り研ぎ・・・
新作鞘塗り⑲ 中塗り研ぎ・・・

昨日塗った1回目の中塗りが乾きました。
だいぶ望んだような曲線のラインに近づいて来ましたね~(^.^)
私が持っている漆の指南書によりますと、
本当はこの1回目の中塗りというのが「下塗(したぬり)」なんだそうです。
私の方では、下地の次は黒漆で何回も塗ることが多いので、
勝手に中塗りの範疇に入れてしまっておりますが!(^^;

ともかく、次々と塗って行かねばなりませんので、
研ぎを早々にしっかり行いました。
そしてまた、塗面をカチッと固めるため室(ムロ)に入れて〆ます。
錆地との合体をより強固にしておく目的もありますが、、、
つづく。。。
昨日塗った1回目の中塗りが乾きました。
だいぶ望んだような曲線のラインに近づいて来ましたね~(^.^)
私が持っている漆の指南書によりますと、
本当はこの1回目の中塗りというのが「下塗(したぬり)」なんだそうです。
私の方では、下地の次は黒漆で何回も塗ることが多いので、
勝手に中塗りの範疇に入れてしまっておりますが!(^^;
ともかく、次々と塗って行かねばなりませんので、
研ぎを早々にしっかり行いました。
そしてまた、塗面をカチッと固めるため室(ムロ)に入れて〆ます。
錆地との合体をより強固にしておく目的もありますが、、、
つづく。。。
2022年08月22日
新作鞘塗り⑱ 中塗り・・・
新作鞘塗り⑱ 中塗り・・・

先日に固め(生漆含浸)を行った錆地が乾きました。

栗形がハマるよう、穴は既に調整をかけていますが、、、
まだ暫く栗形は嵌めません。。。

下地はこれで終了。

全体をしっかり空研ぎしてから、、、

いよいよ中塗りであります。。。

黒漆を少し小さ目の漆刷毛で塗って行きます。
この暑い時期は漆の表面乾燥が早いので、
空調をかけて部屋は涼し気にしつつ、それでも厚塗りは厳禁!
注意しながら、久しぶりの黒漆塗りです。
曲面の滑らかさをよりアップさせるため、
中塗りは計3回くらい必要になるかもしれません。
手は抜けないところです。
つづく。。。
先日に固め(生漆含浸)を行った錆地が乾きました。
栗形がハマるよう、穴は既に調整をかけていますが、、、
まだ暫く栗形は嵌めません。。。
下地はこれで終了。
全体をしっかり空研ぎしてから、、、
いよいよ中塗りであります。。。
黒漆を少し小さ目の漆刷毛で塗って行きます。
この暑い時期は漆の表面乾燥が早いので、
空調をかけて部屋は涼し気にしつつ、それでも厚塗りは厳禁!
注意しながら、久しぶりの黒漆塗りです。
曲面の滑らかさをよりアップさせるため、
中塗りは計3回くらい必要になるかもしれません。
手は抜けないところです。
つづく。。。
2022年08月21日
新作鞘塗り⑰ 錆固め・・・
新作鞘塗り⑰ 錆固め・・・
新作鞘塗りは下地の最終段階に。
目の細かい砥の粉を混ぜた漆パテ=錆を仕上げに掛かります。

何日か前に、2度目の錆付けを行った状態です。。。
最後は曲面の歪みが出ないよう、
ヘラで撫でるようにして錆を付けます。

乾燥させた錆を丁寧に研ぎます。
最後は#400~600の砥石で水研ぎです。

鐺や鯉口との面を合わせるように、、、

何度も曲面や曲線を確認しながら、、、

曲面の下地付けや研ぎは本当に難しい。
でもかなり頑張りまして、ようやくここまで来ました。

そして、この錆に生漆を含浸させます。。。

ワイプオール(不織布)で余分な漆を拭き取り、乾燥へ。
肌合いがまだ安定していない部分もありますが、
この後は中塗りで整えて行きましょう。
つづく。。。
新作鞘塗りは下地の最終段階に。
目の細かい砥の粉を混ぜた漆パテ=錆を仕上げに掛かります。
何日か前に、2度目の錆付けを行った状態です。。。
最後は曲面の歪みが出ないよう、
ヘラで撫でるようにして錆を付けます。
乾燥させた錆を丁寧に研ぎます。
最後は#400~600の砥石で水研ぎです。
鐺や鯉口との面を合わせるように、、、
何度も曲面や曲線を確認しながら、、、
曲面の下地付けや研ぎは本当に難しい。
でもかなり頑張りまして、ようやくここまで来ました。
そして、この錆に生漆を含浸させます。。。
ワイプオール(不織布)で余分な漆を拭き取り、乾燥へ。
肌合いがまだ安定していない部分もありますが、
この後は中塗りで整えて行きましょう。
つづく。。。
2022年08月19日
螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
螺鈿硯箱の修理① 螺鈿剥がし・・・
ずっと現物検証中だった螺鈿硯箱。
修理方針がようやく固まり、現在本作業に入っております。
まずは螺鈿剥がしから。。。

上蓋の全体像。螺鈿修理のオーダーですが、
複雑な加飾構造になっており、相当難易度が高い案件です。
螺鈿の裏に塗ってある白い塗料が曲者でして、
この分析と対処法、置換方法の検証に結構時間がかかりました。
しかも、、、バラバラになった後に一度何かの水溶性接着剤で補修されており、
難しさに拍車をかけています(^^;

この白い塗料は、幾つかの検証をした結果、
写真のように水で溶けることが分かりました。
他の溶剤等でも溶解テストを実施しましたが、
結局のところは水に対して溶ける様子が一番自然のようです。

溶け方の様子などから、恐らく胡粉を混ぜた膠ではないか?
との見方を強めています。

従って、まずは水攻めであります(^^)

ここからが剥がし作業のポイント。娘の髪の力を借ります!
小さいころに長髪をカットして大切に保管していたものがここで役に立つとは~
漆刷毛以外で人毛を使う機会があるとは思いませんでした!(;'∀')

細くてしなやかで切れない、、、中々の仕事っぷりです~助かる(笑)

だいたい剥がれてきたところで、OLFA刃の力も借ります。

無事分離~(^_^;) えっらい時間がかかりました。

そしてまたひたすらヒコヒコと、、、
つづく。。。
ずっと現物検証中だった螺鈿硯箱。
修理方針がようやく固まり、現在本作業に入っております。
まずは螺鈿剥がしから。。。
上蓋の全体像。螺鈿修理のオーダーですが、
複雑な加飾構造になっており、相当難易度が高い案件です。
螺鈿の裏に塗ってある白い塗料が曲者でして、
この分析と対処法、置換方法の検証に結構時間がかかりました。
しかも、、、バラバラになった後に一度何かの水溶性接着剤で補修されており、
難しさに拍車をかけています(^^;
この白い塗料は、幾つかの検証をした結果、
写真のように水で溶けることが分かりました。
他の溶剤等でも溶解テストを実施しましたが、
結局のところは水に対して溶ける様子が一番自然のようです。
溶け方の様子などから、恐らく胡粉を混ぜた膠ではないか?
との見方を強めています。
従って、まずは水攻めであります(^^)
ここからが剥がし作業のポイント。娘の髪の力を借ります!
小さいころに長髪をカットして大切に保管していたものがここで役に立つとは~
漆刷毛以外で人毛を使う機会があるとは思いませんでした!(;'∀')
細くてしなやかで切れない、、、中々の仕事っぷりです~助かる(笑)
だいたい剥がれてきたところで、OLFA刃の力も借ります。
無事分離~(^_^;) えっらい時間がかかりました。
そしてまたひたすらヒコヒコと、、、
つづく。。。
2022年08月15日
新作鞘塗り⑯ 接合部・下地の補正・・・
新作鞘塗り⑯ 接合部・下地の補正・・・
先日接着した鯉口や鐺は、暫く乾燥させておりましたが、、、

接合部の麦漆がだいぶ瘦せ来て、
硬化が奥の方まで進んだようです。

このタイミングで補正作業を。。。
接合部の隙間に切粉地を掻き入れます。

乾燥後に一旦研いで、、、

再び切り粉地を掻き入れます。。。
隙間が深いので、数回入れ込む必要があるのです。
一度に掻き入れると中で下地が乾燥せずに膿みますので!(^^;

2度目の掻き入れも乾燥しましたので、
ちょいと彫刻刀で接合部に切れ込みを入れつつ、、、

ダイヤモンドヤスリの平タイプなども使って
丁寧に砥ぎ上げます。。。
さて、昨日の午前中、下地全体をチェックしていたところ、、、
ちょっと問題になっている部分を発見!!
写真を撮り忘れましたが、アールの部分に少しだけチヂミが発生していました。
後々のトラブルの元!このまま放っておくわけには行きません!!

早速切粉地を一枚剥いで見たところ、、、
う~む、やっぱりここの内部が乾燥せずにちょっと膿んでいましたか~汗。
膿んでいた部分を取り除き、研ぎを入れました。
慎重にやっていたつもりでしたが、
少しだけ厚目に付け過ぎたようで、いかんかったですね~(^_^;)

そして乾燥させながら3回切粉地を薄く付け直しました~。
この写真が最後の薄付けで、、、

先ほどしっかり研ぎ上げました。
これで大丈夫でしょう。
問題点はしっかり直して次に進む、、、これが肝要であります!
余談ですが、政治の世界でもぜひお願いしたいところですね(^^;
つづく。。。

☆貝殻を仕入れに料亭の大将のところにも。。。
本日は終戦記念日。ベランダの隅に暫くお供えのように置いておきましょう。
アワビ供養もしとかんとですね!合掌(^_^)
先日接着した鯉口や鐺は、暫く乾燥させておりましたが、、、
接合部の麦漆がだいぶ瘦せ来て、
硬化が奥の方まで進んだようです。
このタイミングで補正作業を。。。
接合部の隙間に切粉地を掻き入れます。
乾燥後に一旦研いで、、、
再び切り粉地を掻き入れます。。。
隙間が深いので、数回入れ込む必要があるのです。
一度に掻き入れると中で下地が乾燥せずに膿みますので!(^^;
2度目の掻き入れも乾燥しましたので、
ちょいと彫刻刀で接合部に切れ込みを入れつつ、、、
ダイヤモンドヤスリの平タイプなども使って
丁寧に砥ぎ上げます。。。
さて、昨日の午前中、下地全体をチェックしていたところ、、、
ちょっと問題になっている部分を発見!!
写真を撮り忘れましたが、アールの部分に少しだけチヂミが発生していました。
後々のトラブルの元!このまま放っておくわけには行きません!!
早速切粉地を一枚剥いで見たところ、、、
う~む、やっぱりここの内部が乾燥せずにちょっと膿んでいましたか~汗。
膿んでいた部分を取り除き、研ぎを入れました。
慎重にやっていたつもりでしたが、
少しだけ厚目に付け過ぎたようで、いかんかったですね~(^_^;)
そして乾燥させながら3回切粉地を薄く付け直しました~。
この写真が最後の薄付けで、、、
先ほどしっかり研ぎ上げました。
これで大丈夫でしょう。
問題点はしっかり直して次に進む、、、これが肝要であります!
余談ですが、政治の世界でもぜひお願いしたいところですね(^^;
つづく。。。
☆貝殻を仕入れに料亭の大将のところにも。。。
本日は終戦記念日。ベランダの隅に暫くお供えのように置いておきましょう。
アワビ供養もしとかんとですね!合掌(^_^)
2022年08月14日
2022夏工房・・・
2022夏工房・・・
昨日は糸島の工房へ。。。
最近の暑さはハンパなく、
空調のない工房に長居すると身体に堪えますので、
こういう時はホドホドの時間で切り上げるのが肝要です(^^;

行きがけの糸島平野。
夏って風景です(^^)

傍らの農家さんの小屋では、、、

ヤギさんも暑そうな、、、(・_・;)

わたしがバイクで寄って来たこともあるのか、
それとも暑すぎて~なのか、すぐにお隠れになりました~汗

工房に着くと、さらに侵食が深まっとるような。。。(^_^;)

あれっ!?こちらさんも相当暑そうにしとりますね(((^_^;)
さて、今回の目的は貝殻の在庫確認。
大型の貝殻の種別とサイズをチェックです。
長径160mm~の特々大ケースを表に出して、、、

諸々計測であります!

数量や種類が詳しく分かりましたので、
ご要望に合ったものがどのくらいあるか
お客様に確認を取りたいと思います。
午後2時半頃に工房を出て、早々に退散!
一番暑い時間帯ではありましたが、、、
やはり長居は無用~ということで!(^^;
昨日は糸島の工房へ。。。
最近の暑さはハンパなく、
空調のない工房に長居すると身体に堪えますので、
こういう時はホドホドの時間で切り上げるのが肝要です(^^;
行きがけの糸島平野。
夏って風景です(^^)
傍らの農家さんの小屋では、、、
ヤギさんも暑そうな、、、(・_・;)
わたしがバイクで寄って来たこともあるのか、
それとも暑すぎて~なのか、すぐにお隠れになりました~汗
工房に着くと、さらに侵食が深まっとるような。。。(^_^;)
あれっ!?こちらさんも相当暑そうにしとりますね(((^_^;)
さて、今回の目的は貝殻の在庫確認。
大型の貝殻の種別とサイズをチェックです。
諸々計測であります!
数量や種類が詳しく分かりましたので、
ご要望に合ったものがどのくらいあるか
お客様に確認を取りたいと思います。
午後2時半頃に工房を出て、早々に退散!
一番暑い時間帯ではありましたが、、、
やはり長居は無用~ということで!(^^;
2022年08月11日
新作鞘塗り⑮ 鯉口・鐺の接着・・・
新作鞘塗り⑮ 鯉口・鐺の接着・・・
さて、下地も最終段階に入って来た新作鞘塗り。
しかし、最後の下地=仕上げ錆付けをする前にする作業が!
鞘の刀身挿入口に付ける鯉口と、鞘の先端に取り付ける鐺、
この二つのパーツの接着であります。
鞘肌の高さと、この両パーツの高さをほぼ合わせる必要があり、
(実際は0.1~0.15mmほど鞘肌が低くなるようにしますが)
最後の錆付けの時は、このパーツがはまっていた方が合わせやすく、
いつも作業前に接着しておくようにしております。

切粉地の時に鯉口を一旦はめてみましたが、、、
あ~やはりきつくなってて全部はハマらない!(;'∀')
これは下地や環境の影響なのか、
鞘木地や鯉口がわずかに膨張・変化するためと思われます。

ということで、鯉口の嵌め口や木地を研磨調整。
とてもデリケートな部分ですので、最高度の慎重さが必要!
けっこう時間がかかります!!(;'∀')

あ~やっとピッタリとハマってくれました(^^;

鐺はそこそこの調整でハマってくれるのですが、
それでも時間がだいぶかかりました。

次に、接着剤の麦漆づくり。。。
強力粉を練り練りして、小麦粘土を作ります。
耳たぶくらいの柔らかさのミニボールに~(^.^)

そしてこのミニボールに生漆を混ぜてまた練り練り。
適正量混合に到達すると、このように
ねっちゃ~~っと糸を引く様になります(笑)

これを鯉口接合部分にベッタリと、、、

鐺部分にも同じく、、、
☆まるでキャラメルかチョコレートのようですね(^_^;)

押し込んで力強くグー!!

鯉口にもしっかり押し込んでピッタリと~
そして余分な麦漆を拭き取って、、、
無事に接合完了です!
両パーツとも、鞘木地の補強の意味もあり、
特に鯉口は刀身を挿入して留める部分ですので、
この接着作業には最大限の配慮が必要です。
接着剤の麦漆は、最深部が中々乾きませんが、
室に入れて2~3日乾燥させ、
まずは接合表面~中間部までを硬化させましたら
両パーツがある程度固定されますので、次の作業に移れるでしょう。
つづく。。。
さて、下地も最終段階に入って来た新作鞘塗り。
しかし、最後の下地=仕上げ錆付けをする前にする作業が!
鞘の刀身挿入口に付ける鯉口と、鞘の先端に取り付ける鐺、
この二つのパーツの接着であります。
鞘肌の高さと、この両パーツの高さをほぼ合わせる必要があり、
(実際は0.1~0.15mmほど鞘肌が低くなるようにしますが)
最後の錆付けの時は、このパーツがはまっていた方が合わせやすく、
いつも作業前に接着しておくようにしております。
切粉地の時に鯉口を一旦はめてみましたが、、、
あ~やはりきつくなってて全部はハマらない!(;'∀')
これは下地や環境の影響なのか、
鞘木地や鯉口がわずかに膨張・変化するためと思われます。
ということで、鯉口の嵌め口や木地を研磨調整。
とてもデリケートな部分ですので、最高度の慎重さが必要!
けっこう時間がかかります!!(;'∀')
あ~やっとピッタリとハマってくれました(^^;
鐺はそこそこの調整でハマってくれるのですが、
それでも時間がだいぶかかりました。
次に、接着剤の麦漆づくり。。。
強力粉を練り練りして、小麦粘土を作ります。
耳たぶくらいの柔らかさのミニボールに~(^.^)
そしてこのミニボールに生漆を混ぜてまた練り練り。
適正量混合に到達すると、このように
ねっちゃ~~っと糸を引く様になります(笑)
これを鯉口接合部分にベッタリと、、、
鐺部分にも同じく、、、
☆まるでキャラメルかチョコレートのようですね(^_^;)
押し込んで力強くグー!!

鯉口にもしっかり押し込んでピッタリと~
そして余分な麦漆を拭き取って、、、
無事に接合完了です!
両パーツとも、鞘木地の補強の意味もあり、
特に鯉口は刀身を挿入して留める部分ですので、
この接着作業には最大限の配慮が必要です。
接着剤の麦漆は、最深部が中々乾きませんが、
室に入れて2~3日乾燥させ、
まずは接合表面~中間部までを硬化させましたら
両パーツがある程度固定されますので、次の作業に移れるでしょう。
つづく。。。
2022年08月11日
新作鞘塗り⑭ 錆付け・・・
新作鞘塗り⑭ 錆付け・・・

粒子が中目の切粉地が出来上がりました。
一見つるっとした曲面に見えますが、、、

空研ぎするとわずかな凹みが見えて来ます(^^;
この荒らした表面に、今回は
細粒子の水練り砥の粉と生漆を混合した錆を付けて行きます。
漆芸の分野では「錆付け」と呼ばれる工程ですね。

砥の粉、濾し網(茶漉し)、漆を準備し、、、
あとは、水、ヘラ、ガラス定盤、拭き取り布、
そして清掃溶剤(無水エタノール等)が必要です。
今は気温や湿度がだいぶ高く、
錆の乾燥が恐ろしく早いことが予想されましたので
作業中の写真は撮っておりません!(^^;
精緻で手早さが必要になるため、
写真を撮る余裕は全くナシ!でありました(・_・;)

こちらは、錆付けした上で一旦空研ぎした鞘の状態です。
もう1~2回、仕上げの錆付けをする予定でありますが。。。
余った錆は、いつもはラップに包んでおくのですが、
この暑さで変質硬化気味となり、扱いづらくなる~という気もしましたので、、、

漆の板にしようと思ってとっていた写真タテの裏合板に
ベッタリとヘラ付けしちゃいました(^.^)
ま~これがまた早々によく乾くこと!!
このスピードについて行くのは容易ならざり!(;'∀')
ここまで来ましたら下地作業もあともう一歩。
しかし、鞘塗りの場合はその前にしなければならないことが一つアリ~
で次の作業へ、つづく。。。
粒子が中目の切粉地が出来上がりました。
一見つるっとした曲面に見えますが、、、
空研ぎするとわずかな凹みが見えて来ます(^^;
この荒らした表面に、今回は
細粒子の水練り砥の粉と生漆を混合した錆を付けて行きます。
漆芸の分野では「錆付け」と呼ばれる工程ですね。
砥の粉、濾し網(茶漉し)、漆を準備し、、、
あとは、水、ヘラ、ガラス定盤、拭き取り布、
そして清掃溶剤(無水エタノール等)が必要です。
今は気温や湿度がだいぶ高く、
錆の乾燥が恐ろしく早いことが予想されましたので
作業中の写真は撮っておりません!(^^;
精緻で手早さが必要になるため、
写真を撮る余裕は全くナシ!でありました(・_・;)
こちらは、錆付けした上で一旦空研ぎした鞘の状態です。
もう1~2回、仕上げの錆付けをする予定でありますが。。。
余った錆は、いつもはラップに包んでおくのですが、
この暑さで変質硬化気味となり、扱いづらくなる~という気もしましたので、、、
漆の板にしようと思ってとっていた写真タテの裏合板に
ベッタリとヘラ付けしちゃいました(^.^)
ま~これがまた早々によく乾くこと!!
このスピードについて行くのは容易ならざり!(;'∀')
ここまで来ましたら下地作業もあともう一歩。
しかし、鞘塗りの場合はその前にしなければならないことが一つアリ~
で次の作業へ、つづく。。。
2022年08月10日
新作鞘塗り⑬ 切粉地固め・・・
新作鞘塗り⑬ 切粉地固め・・・
先日ヘラ付けした切粉地は、
湿気のある室(ムロ)でしっかり乾きました。

さて、まずは切粉地を研ぎましょう。
指南書では「水を付け、荒砥にて精確に研ぐ」と記されています。
その書の通り、精確さがこの段階で求められます!
切粉地の水研ぎは鞘形状の骨格となるため
非常に神経を使う大切な作業であります。

写真のように何度も鞘のラインを確認しながら研ぎます。

研ぎ上がった状態です。
今回はけっこう綿密に、慎重に、3時間くらいかけて研ぎました。
次は、「地固め」の時と同様の作業。
生漆を切粉地に含浸させて乾燥させ強固にする工程です。
下地は、各工程のヘラ付け作業後に
だいたいは固め作業を行うもの。
水研ぎの後は下地が弱くなるので尚更です。
下地は、乾燥後の粒子間に漆を含浸させますと、
より強固になり耐久性は格段に上がります。

ヘラでしごきながらしっかりと生漆を含浸させます。

そして余分な漆を拭き取りです。

拭き上がった状態です。
また、室(ムロ)でしっかり乾かせましょう。

室と言いましても、簡易的なダンボール製の箱(^^;
鞘は縦長ですので、うちのような手狭な所では
スペースをとらないためにもこのやり方が合理的なんですね~。
当方で独自に作った箱もあるのですが、
今回はメーカー様から届いた時の梱包箱を大切に活用しています。
しっかりとした造りでたいへん重宝しております(^.^)
つづく。。。
先日ヘラ付けした切粉地は、
湿気のある室(ムロ)でしっかり乾きました。
さて、まずは切粉地を研ぎましょう。
指南書では「水を付け、荒砥にて精確に研ぐ」と記されています。
その書の通り、精確さがこの段階で求められます!
切粉地の水研ぎは鞘形状の骨格となるため
非常に神経を使う大切な作業であります。
写真のように何度も鞘のラインを確認しながら研ぎます。
研ぎ上がった状態です。
今回はけっこう綿密に、慎重に、3時間くらいかけて研ぎました。
次は、「地固め」の時と同様の作業。
生漆を切粉地に含浸させて乾燥させ強固にする工程です。
下地は、各工程のヘラ付け作業後に
だいたいは固め作業を行うもの。
水研ぎの後は下地が弱くなるので尚更です。
下地は、乾燥後の粒子間に漆を含浸させますと、
より強固になり耐久性は格段に上がります。
ヘラでしごきながらしっかりと生漆を含浸させます。
そして余分な漆を拭き取りです。
拭き上がった状態です。
また、室(ムロ)でしっかり乾かせましょう。
室と言いましても、簡易的なダンボール製の箱(^^;
鞘は縦長ですので、うちのような手狭な所では
スペースをとらないためにもこのやり方が合理的なんですね~。
当方で独自に作った箱もあるのですが、
今回はメーカー様から届いた時の梱包箱を大切に活用しています。
しっかりとした造りでたいへん重宝しております(^.^)
つづく。。。
2022年08月08日
新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・
新作鞘塗り⑫ 切粉地付け・・・
新作鞘塗りは、ひたすら下地作りが続いておりますが、
昨日より四つ目の下地=「切粉地」の作業に入っております。
ここで一旦、本堅地の下地工程を概略で記しておきます。。。
1.木固め 2.布着せ 3.地付け 4.切粉地付け(今回) 5.錆付け
大きく分けると以上五つの工程となりますが、
それぞれが幾つかの工程に分かれている上、
塗って、乾かして、研いでという作業も各々にほぼくっついてくるため、
細分化しますと、下地だけで膨大な工程数となるわけであります。
ちょっと数えてみましたら、、、53工程!!ホント!?(;'∀')
今まで数えていなかったのですが、改めて多いな~と思いました(^^;

さて、昨日施した「切粉下付け」はしっかりと乾きまして、、、

粗目のペーパーで研磨するとこのように。。。

これからさらに「切粉上付け」していきます。
切粉地は、粗い粒子で出来た「地」と細かい粒子で出来た「錆」を合体させた
云わば中目の地でありまして、下地の中では中間層を成すこととなります。

作業中の写真は撮れませんでしたが、
まずは鞘背面にヘラ付けしました。。。
背面側が少し乾燥したところで、重要な確認を実施!
鯉口と鐺のパーツを一旦嵌めて、下地の高さを確認であります。

まずは鯉口から。。。

鐺も嵌めて確認。。。
うむ、、、こちらも良い感じに積層されて来てますね。
研いだ段階で、切粉地の厚みが均一に、
そして両パーツよりも少し低い状態が良し!です。
だいたい0.3~0.4mm程度低くなっている感じがベストでしょうか。
いまのヘラ付けした段階で、背面の切粉地の高さは、
鯉口と鐺に対しほぼ同じくらいになっていますので、
研いだ時に少しだけ両パーツよりも低い状態になるでしょう。
鞘前面も、切粉地をあとどのくらいの厚みにしたら良いかチェック出来ました。
ここからはヘラ付けする感覚が大切でして、まさに勘に頼るところが大きいですね(^^;
そして、先ほど鞘前面も「切粉上付け」が無事完了しました。
平滑さを出すため、また部分補修が少し必要となりそうですが、全体の厚みはこれで良し。
乾燥したら「地付け」の時と同様にしっかり研いで次の工程につなげます。
つづく。。。
新作鞘塗りは、ひたすら下地作りが続いておりますが、
昨日より四つ目の下地=「切粉地」の作業に入っております。
ここで一旦、本堅地の下地工程を概略で記しておきます。。。
1.木固め 2.布着せ 3.地付け 4.切粉地付け(今回) 5.錆付け
大きく分けると以上五つの工程となりますが、
それぞれが幾つかの工程に分かれている上、
塗って、乾かして、研いでという作業も各々にほぼくっついてくるため、
細分化しますと、下地だけで膨大な工程数となるわけであります。
ちょっと数えてみましたら、、、53工程!!ホント!?(;'∀')
今まで数えていなかったのですが、改めて多いな~と思いました(^^;
さて、昨日施した「切粉下付け」はしっかりと乾きまして、、、
粗目のペーパーで研磨するとこのように。。。
これからさらに「切粉上付け」していきます。
切粉地は、粗い粒子で出来た「地」と細かい粒子で出来た「錆」を合体させた
云わば中目の地でありまして、下地の中では中間層を成すこととなります。
作業中の写真は撮れませんでしたが、
まずは鞘背面にヘラ付けしました。。。
背面側が少し乾燥したところで、重要な確認を実施!
鯉口と鐺のパーツを一旦嵌めて、下地の高さを確認であります。
まずは鯉口から。。。
鐺も嵌めて確認。。。
うむ、、、こちらも良い感じに積層されて来てますね。
研いだ段階で、切粉地の厚みが均一に、
そして両パーツよりも少し低い状態が良し!です。
だいたい0.3~0.4mm程度低くなっている感じがベストでしょうか。
いまのヘラ付けした段階で、背面の切粉地の高さは、
鯉口と鐺に対しほぼ同じくらいになっていますので、
研いだ時に少しだけ両パーツよりも低い状態になるでしょう。
鞘前面も、切粉地をあとどのくらいの厚みにしたら良いかチェック出来ました。
ここからはヘラ付けする感覚が大切でして、まさに勘に頼るところが大きいですね(^^;
そして、先ほど鞘前面も「切粉上付け」が無事完了しました。
平滑さを出すため、また部分補修が少し必要となりそうですが、全体の厚みはこれで良し。
乾燥したら「地付け」の時と同様にしっかり研いで次の工程につなげます。
つづく。。。
2022年08月06日
新作鞘塗り⑪ 地固め・・・
新作鞘塗り⑪ 地固め・・・

新作鞘塗りは、前回の地上付けが乾燥しましたので、
粗目のペーパーなどを使って研ぎを施しました。
鞘の曲面を崩さないよう、ペーパーの当て方を工夫しながら
しっかりと慎重に研ぎ上げました。

次に、生漆を地に含浸させて強固に固める「地固め」を実施。
ヘラで生漆をしごいてしっかりと地に馴染ませます。

ワイプオールで余分な漆を拭き取って、、、

鞘のアール部分もしっかりと拭き上げます!
よく拭き取っておかないと、次に付ける下地の密着が悪くなりますので(^^;

Before~生漆を含浸させる前の状態。

After~生漆含浸後に拭き取った状態です~。

さて、この後はしっかり室(ムロ)でまた乾かしましょう。
つづく。。。
☆鞘塗り以外の作業も実施中~↓

修理ご依頼品のための螺鈿裏色調色テストを
何度も繰り返して実施中であります。

白漆をベースとして、黄漆、生漆、そしてチタン白も練り込んで、
様々なパターンでデータを取っています。

10mm角の青貝(薄)プレートに、これらを塗って乾燥させます。
湿度や時間の設定によって、乾燥の速さや色味が変わるため、
総合的に見て、どの調合と乾燥条件が最も欲しい色味に近づくか・・・
という試験をやっているわけであります。
非常に多くのパターンが考えられますが、
幾らやっても現物螺鈿の裏色(白)の再現はそもそも不可能ですし、
諸々の表面処理等を施すことも加味しての色味設定となりますので、
これらの点も計算に入れて、望んでいる色味への近似値を探っている状況です。
表面処理等というのはエイジング加工(経年変化の風合い再現)のことでありますが、
そのテストや試作も並行して実施しておりますので、
また具体的にお見せできる段階になりましたら公開させて頂きます(^^)/
新作鞘塗りは、前回の地上付けが乾燥しましたので、
粗目のペーパーなどを使って研ぎを施しました。
鞘の曲面を崩さないよう、ペーパーの当て方を工夫しながら
しっかりと慎重に研ぎ上げました。
次に、生漆を地に含浸させて強固に固める「地固め」を実施。
ヘラで生漆をしごいてしっかりと地に馴染ませます。
ワイプオールで余分な漆を拭き取って、、、
鞘のアール部分もしっかりと拭き上げます!
よく拭き取っておかないと、次に付ける下地の密着が悪くなりますので(^^;
Before~生漆を含浸させる前の状態。
After~生漆含浸後に拭き取った状態です~。
さて、この後はしっかり室(ムロ)でまた乾かしましょう。
つづく。。。
☆鞘塗り以外の作業も実施中~↓
修理ご依頼品のための螺鈿裏色調色テストを
何度も繰り返して実施中であります。
白漆をベースとして、黄漆、生漆、そしてチタン白も練り込んで、
様々なパターンでデータを取っています。
10mm角の青貝(薄)プレートに、これらを塗って乾燥させます。
湿度や時間の設定によって、乾燥の速さや色味が変わるため、
総合的に見て、どの調合と乾燥条件が最も欲しい色味に近づくか・・・
という試験をやっているわけであります。
非常に多くのパターンが考えられますが、
幾らやっても現物螺鈿の裏色(白)の再現はそもそも不可能ですし、
諸々の表面処理等を施すことも加味しての色味設定となりますので、
これらの点も計算に入れて、望んでいる色味への近似値を探っている状況です。
表面処理等というのはエイジング加工(経年変化の風合い再現)のことでありますが、
そのテストや試作も並行して実施しておりますので、
また具体的にお見せできる段階になりましたら公開させて頂きます(^^)/
2022年08月04日
新作鞘塗り⑩ 地上付け・・・
新作鞘塗り⑩ 地上付け・・・
新作鞘塗りは、下地工程を引き続き進めておりますが。。。
前回下付けした「地」(粗目の漆パテ)がしっかり乾燥しましたので、
今度は同じ「地」を上から重ね付けする工程=「地上付け」です。

まずは下付けした「地」を粗目ペーパーで大略砥ぎます。

研ぐ前は平滑に見えても、研ぐと厚みのムラが分かるもの。。。
「地」を指で均す技には限界があり、どうしても多少のムラが出来るのです。
ムラを完全に解消するまで研いでしまうと
折角付けた地が本当に薄くなってしまい、
布目が見える部分も出て来てしまうので、
研磨はいつもホドホドにすることにしています。
鞘は微妙な三次曲面でありまして、
ヘラ付けで平均的な「地」の厚みを出すのはかなり難しく
所によっては厚過ぎる層が出来て、乾燥時にちぢみを引き起こしてしまいます。
そこで当方では、厚い層の発生を避けるため、
地付けの際に指で均すことを独自に行っています。
指で撫でるわけですから、多少の厚みのムラが出来てしまいますが、
それでもヘラ付けによる層のバラツキよりはかなりマシですので、
これは仕方ないものと捉えています。
そして、、、実は次の工程でこのムラは解消します(^.^)

「地上付け」の様子です。
少し大きめのヘラを使ってしごくように薄く「地」を上付けして行くのですが、
乾燥後の研ぎによって高さが揃った地の「山」がヘラのガイドとなり、
凹みのみに「地」が入って行くことによって、厚みのムラが解消されます。
今回は、これを乾燥させてから更にもう一回、
うっすらと地を全体に馴染ませるようにヘラ付けしました。
これで、層を増した平均的な厚みの地が出来たと思います。

「地上付け」の作業が完了。
今回もまた、ヘラ付けした先からみるみる黒くなっていきました。
いやはや、夏場はホント乾燥が早い。
漆下地工程には持って来い!のような、
ちょっと失敗しそうで怖いような。。。(^^;
次回はこの「地」をしっかり研いで次工程へ進みます。
つづく。。。
新作鞘塗りは、下地工程を引き続き進めておりますが。。。
前回下付けした「地」(粗目の漆パテ)がしっかり乾燥しましたので、
今度は同じ「地」を上から重ね付けする工程=「地上付け」です。
まずは下付けした「地」を粗目ペーパーで大略砥ぎます。
研ぐ前は平滑に見えても、研ぐと厚みのムラが分かるもの。。。
「地」を指で均す技には限界があり、どうしても多少のムラが出来るのです。
ムラを完全に解消するまで研いでしまうと
折角付けた地が本当に薄くなってしまい、
布目が見える部分も出て来てしまうので、
研磨はいつもホドホドにすることにしています。
鞘は微妙な三次曲面でありまして、
ヘラ付けで平均的な「地」の厚みを出すのはかなり難しく
所によっては厚過ぎる層が出来て、乾燥時にちぢみを引き起こしてしまいます。
そこで当方では、厚い層の発生を避けるため、
地付けの際に指で均すことを独自に行っています。
指で撫でるわけですから、多少の厚みのムラが出来てしまいますが、
それでもヘラ付けによる層のバラツキよりはかなりマシですので、
これは仕方ないものと捉えています。
そして、、、実は次の工程でこのムラは解消します(^.^)
「地上付け」の様子です。
少し大きめのヘラを使ってしごくように薄く「地」を上付けして行くのですが、
乾燥後の研ぎによって高さが揃った地の「山」がヘラのガイドとなり、
凹みのみに「地」が入って行くことによって、厚みのムラが解消されます。
今回は、これを乾燥させてから更にもう一回、
うっすらと地を全体に馴染ませるようにヘラ付けしました。
これで、層を増した平均的な厚みの地が出来たと思います。
「地上付け」の作業が完了。
今回もまた、ヘラ付けした先からみるみる黒くなっていきました。
いやはや、夏場はホント乾燥が早い。
漆下地工程には持って来い!のような、
ちょっと失敗しそうで怖いような。。。(^^;
次回はこの「地」をしっかり研いで次工程へ進みます。
つづく。。。
2022年08月03日
新作鞘塗り⑨ 地下付け・・・
新作鞘塗り⑨ 地下付け・・・

前回の工程で布目に擦り付けた錆が乾きました。
ヘラ付けした錆が少しだけ厚い部分もあったので、
一度研いでまた室(ムロ)に入れ、2度乾燥させております。
こうすれば、研いで表に出てきた乾燥不足の錆もしっかり乾きます(^.^)

2度目の研ぎが施された状態。
こちらに今度は粗目粒子の「地の粉」が混じった漆下地を塗って行きます。
漆芸では「地付け」という工程となりますが、
今回はその1回目の下付けということで「地下付け」と呼ばれます。

上新糊、地の粉、生漆を混合した「地」を練ります~。

まずは鞘の背面からヘラ付け&指均し(ならし)を。。。
今回も乾きが早くて、練っている先から「地」が茶色くなってきます。
写真のようにラップで覆っていないと、直ぐ変色して固くなってきますね!(^^;
地は厚塗り厳禁です!0.3mm厚が目安ですが、
それ以上の厚さになるとちぢみが発生して補修が必要に!(;'∀')
この後、前面も同様に付けましたが、無事に作業完了。
次なる工程は「地上付け」ということになります。
つづく。。。
前回の工程で布目に擦り付けた錆が乾きました。
ヘラ付けした錆が少しだけ厚い部分もあったので、
一度研いでまた室(ムロ)に入れ、2度乾燥させております。
こうすれば、研いで表に出てきた乾燥不足の錆もしっかり乾きます(^.^)
2度目の研ぎが施された状態。
こちらに今度は粗目粒子の「地の粉」が混じった漆下地を塗って行きます。
漆芸では「地付け」という工程となりますが、
今回はその1回目の下付けということで「地下付け」と呼ばれます。
上新糊、地の粉、生漆を混合した「地」を練ります~。
まずは鞘の背面からヘラ付け&指均し(ならし)を。。。
今回も乾きが早くて、練っている先から「地」が茶色くなってきます。
写真のようにラップで覆っていないと、直ぐ変色して固くなってきますね!(^^;
地は厚塗り厳禁です!0.3mm厚が目安ですが、
それ以上の厚さになるとちぢみが発生して補修が必要に!(;'∀')
この後、前面も同様に付けましたが、無事に作業完了。
次なる工程は「地上付け」ということになります。
つづく。。。
2022年08月02日
新作鞘塗り⑧ 「むら直し」「布目擦り」・・・
新作鞘塗り⑧ 「むら直し」「布目擦り」・・・
鞘木地に糊漆で貼った絹布がしっかり乾きました。
次の「むら直し」「布目擦り」の工程へ。。。

カチッと乾きましたね。
表面だけでなく、奥まで乾いたと思います。

継ぎ目も補修しましたので、だいぶ目立たなくなりました。
実は、布の継ぎ目は木地センターに取っていません。
それはなぜかと言いますと、鞘木地の継ぎ目がセンターだからです。
鞘木地は、対称形状に造作された前面(表)と背面(裏)の表裏一体型です。
木地の継ぎ目(貼り合わされた位置)は真ん中なのですが、
布の継ぎ目は、僅かに背面側にずらしているのであります。
このように継ぎ目をずらすことで、木地はより強固になると考えました。

さて、荒砥で布の表面に空研ぎを施す「むら直し」の作業です。
写真のように粗目のサンドペーパーで砥ぎましたが、
最初は試しに#240で研いだところ、もうちょい粗目で良いと思い、
結局は使い古しの#120で研ぎを施しました。

これで「むら直し」完了です。

次は、布目に錆(細かめの漆パテ)をヘラで擦り付ける「布目擦り」の作業。
まずは錆作りから。砥の粉を茶漉しで粉末にし、、、

作り過ぎた砥の粉は容器に入れ、残った適量の分を水練りして、、、
これに生漆を加え、錆が出来ます。

そして錆を布目にヘラで擦り付けて行きます~。
麻や寒冷紗のような目の粗い布を貼った場合は、
錆より粒子の粗い切粉地を使ってこの「布目擦り」を行うこともありますが、
今回は相当目の細かい絹を貼りましたので、
やはり粒子の細かい錆が布目に入って行きやすいと判断しました。
これもしっかり乾かして次に進みましょう~
つづく。。。
鞘木地に糊漆で貼った絹布がしっかり乾きました。
次の「むら直し」「布目擦り」の工程へ。。。
カチッと乾きましたね。
表面だけでなく、奥まで乾いたと思います。
継ぎ目も補修しましたので、だいぶ目立たなくなりました。
実は、布の継ぎ目は木地センターに取っていません。
それはなぜかと言いますと、鞘木地の継ぎ目がセンターだからです。
鞘木地は、対称形状に造作された前面(表)と背面(裏)の表裏一体型です。
木地の継ぎ目(貼り合わされた位置)は真ん中なのですが、
布の継ぎ目は、僅かに背面側にずらしているのであります。
このように継ぎ目をずらすことで、木地はより強固になると考えました。
さて、荒砥で布の表面に空研ぎを施す「むら直し」の作業です。
写真のように粗目のサンドペーパーで砥ぎましたが、
最初は試しに#240で研いだところ、もうちょい粗目で良いと思い、
結局は使い古しの#120で研ぎを施しました。
これで「むら直し」完了です。
次は、布目に錆(細かめの漆パテ)をヘラで擦り付ける「布目擦り」の作業。
まずは錆作りから。砥の粉を茶漉しで粉末にし、、、
作り過ぎた砥の粉は容器に入れ、残った適量の分を水練りして、、、
これに生漆を加え、錆が出来ます。
そして錆を布目にヘラで擦り付けて行きます~。
麻や寒冷紗のような目の粗い布を貼った場合は、
錆より粒子の粗い切粉地を使ってこの「布目擦り」を行うこともありますが、
今回は相当目の細かい絹を貼りましたので、
やはり粒子の細かい錆が布目に入って行きやすいと判断しました。
これもしっかり乾かして次に進みましょう~
つづく。。。
2022年08月01日
8月頭の猛暑・・・
8月頭の猛暑・・・
この夏は 兎にも角にも 暑さかな・・・と、
一句読みたくなる今日この頃ですね。(^_^;)
8月の頭は、この暑さが凄まじくなるとの予報。

確かに、今朝方走ったいつもの浄水緑地コースでは、
ぬる~い空気がまとわりついてくる感じでありました~。
鮮やかな夏空に熱気が上がって来ます(~_~;)
7月の朝ジョグ時にパチリした写真を幾つかご紹介~↓

こちらさんは、何というユリですかな!?
「チリタンゴドレス」という名前を付けたくなります(^^)

恐竜のお肌のような葉っぱ。
点々が苦手な方にとっては避けたいビジュアル!?(^^;
7月末=昨日撮った写真も。。。

例のわたくしが好きな形の葉っぱを持つツル草くんは、
最近、浄水緑地のアチコチで見かけるようになりました。
どうやらその勢力圏を広げつつあるようです。。。

そんな緑さんたちとは裏腹に、
この酷暑の中、落ち行く面々もいらっしゃるようで。

味わい深い方たちですね~(^.^)
でも、カリッカリに焼けとんしゃ~って風貌でもあります。。。(笑)
この夏は 兎にも角にも 暑さかな・・・と、
一句読みたくなる今日この頃ですね。(^_^;)
8月の頭は、この暑さが凄まじくなるとの予報。
確かに、今朝方走ったいつもの浄水緑地コースでは、
ぬる~い空気がまとわりついてくる感じでありました~。
鮮やかな夏空に熱気が上がって来ます(~_~;)
7月の朝ジョグ時にパチリした写真を幾つかご紹介~↓
こちらさんは、何というユリですかな!?
「チリタンゴドレス」という名前を付けたくなります(^^)
恐竜のお肌のような葉っぱ。
点々が苦手な方にとっては避けたいビジュアル!?(^^;
7月末=昨日撮った写真も。。。
例のわたくしが好きな形の葉っぱを持つツル草くんは、
最近、浄水緑地のアチコチで見かけるようになりました。
どうやらその勢力圏を広げつつあるようです。。。
そんな緑さんたちとは裏腹に、
この酷暑の中、落ち行く面々もいらっしゃるようで。
味わい深い方たちですね~(^.^)
でも、カリッカリに焼けとんしゃ~って風貌でもあります。。。(笑)