2025年01月08日

栗形螺鈿完成・・・

栗形螺鈿完成・・・

昨年11月にご依頼を頂き、
12月から製作していた栗形螺鈿が完成しました。
今年初の納品となります。


日本刀朱塗りの鞘に取り付けてある黒呂色塗りの栗形に
青貝粒(アワビ薄貝の粒)を貼り付けております。

アワビ薄貝には赤、紫、黄などの色味もありますが、
その中から青味の粒だけを選り分け、
正面から見て輝くよう向きを揃えて貼っております。


この御鞘は全て漆塗りということもあり、
当然ながら螺鈿も漆で貼り付け、
最後は摺漆を施して磨いております。

工程順にご説明しますと、、、(以下)


到着時の写真。
栗形は黒漆塗りの状態で綺麗に磨かれておりました。


お客様へ製作前にお送りした青貝粒貼付シミュレーション。
事前にイメージをお伝えするために作成しました。


粒の大きさを当方で言うところの3号に揃え、
青味のものを選んで漆で貼り付けます。
写真は貼り終えた状態を撮ったものとなります。


次に、螺鈿粒を固定するため
接着用の呂瀬漆を純テレピン油で希釈して含浸させ、
よく乾燥させます。


そして、何回か黒漆を上塗りします。


あとはペーパーの番手を上げながら
螺鈿をしっかり研ぎ出します。
最後に摺漆と磨きを数度繰り返し、
写真のように磨き上げて完成となりました。


鞘全体の清掃チェックを終え梱包完了しました。
明日発送致します。

明後日にかけて日本列島全体が冬型の気圧配置が強まり、
暴風雪もありそうですが何とか無事に届きますように!
配送スタッフの皆様、よろしくお願い致します~。

ご依頼主様、この度はご注文頂きまして
まことにありがとうございました。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:35Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工鞘塗り

2023年08月31日

2023年 夏の終わり・・・

2023年 夏の終わり・・・

今年の夏も今日で終わりですね。何かと仕事に追われていましたが、思い出もチラホラと。。。
作る仕事は産み出すこと。それもコツコツとした地道さを持って生れ出る様子を、この夏もじっくり味わった感じがします。秋も様々にやって行きましょう。


植物園での夕暮れ。
夕涼みは素晴らしかった。。。


緑も生き生きと。。。


7月の大雨の傷跡。
大量の砂が溜まっています。。。


切り株くん、、、あまり会えませんでしたが、
この秋はたっぷりと付き合うことになりそうです(^.^)


鞘塗りラスト作業は銀シトドメ接着。
まるまるとした可愛い栗形に最後ピタッとハマった時は、
完成した~と思わずつぶやきが(><)


新たなる品物を夏の終わりにお預かりしました。。。
欠けが治って、、、新たに生まれ変わって下さい。


9月は、中断していた幾つもの修理案件をこなすことから始まります。
新たなご依頼も加わり、再生の秋となりそうですね。


しっかりとお付き合いして行きましょう。


この夏も生命が溢れていました。。。
ありがとう。



♪童神 夏川りみ



童神 わらびがみ 歌詞と解説 icon100


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:28Comments(0)制作日記鞘塗り修理

2023年08月27日

鞘塗り完成・・・

鞘塗り完成・・・

鞘塗りが完成しました。

今回はデザイン作業から完成まで本当に長い期間を要しましたが、
御依頼主様の心温かいご理解を頂きながら進めることが出来ました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


鞘前面は、梅鉢羽紋、城山三峰、塩飽波に梅、そして二大松と盛りだくさん。

以前にもお話をアップしましたが、
ご依頼主は塩飽水軍から20代以上続く武家の当主。
御一族の逸話などを元に加飾したものとなっています。
出来上がってから気づきましたが、、、
ちょっとした絵巻物のようになっている感じですね。


鞘背面は、金鵄梅鉢紋、夜の城山三峰、塩飽波に梅を配していますが、
前面に比べて静寂な雰囲気になるよう仕立てました。

前面の紋が「太陽」とすれば、
背面の紋は「月」ということになるでしょうか。。。


最後の作業は、栗形への銀シトドメ接着。
形状や嵌り具合の調整で、なかなかこの栗形には苦労しました(^^;


今は無き二大松。
御一族の本家に空高くそびえていた二つの大松は、
第二次大戦で空襲の的となることが恐れられ、切られてしまったとのことです。

戦争は、、、大切なものを奪っていきます。
しかし、記憶と精神は残されていますね。


天界での安寧を祈ります。


瀬戸内に浮かぶ島に見立てた梅たち。


夜の城山三峰は、青貝粉蒔きで。
ようやく磨き上げることができ、輝き出しましたね~(^.^)


木製刀身が取り付けられた柄を鞘に差して。。。


これで一旦は当方での作業が終了しまして
最後の仕立ては鞘師さんや研師などの方々にして頂くこととなります。

鞘は、塗りを施すとベースの木地が僅かに動くこともあるらしく、
刀身のはまり具合を最良の状態にするため、
刀身と鞘内双方の微調整(研磨等)が必要となるというお話でした。
繊細な仕立て作業が最後に待っているわけです。

ブログでの更新は以上となりますが、
以上の通り、まだ最終的な納品には至っておりませんので、
お客様のお手元に届くまで、引き続き気を抜かずに対応して行く所存です。



これで見納め。。。
どうか最後まで無事に・・・と願いつつ送り出しましょう。
いってらっしゃい。

  


2023年08月18日

鞘塗り蒔絵⑦ 最後の粉蒔き・・・

鞘塗り蒔絵⑦ 最後の粉蒔き・・・

鞘塗り蒔絵は、ようやく最終コーナーを回りつつあり、、、
粉蒔きは大松を残すのみとなりました。

大松は絵柄のボリュームがありますので、
松葉の梨地塗りが終わった後の丸粉蒔きは
4回に分けて行っております。


最初は松葉の輪郭から。。。


次に松葉の細い線=毛打ちを。。。

デザイン原画を見ながら、線の数もほぼ揃えて描きましたが、
漆の粘度、乾燥速度を考慮し。室温・湿度にも気を配るなど、
いろんな意味で本当に難しい線でした(^^;


3回目は松葉下の小枝柄と幹の凹み部分を。。。
凹み部分は陰となるところなので、
黒ベースの上に透き漆を塗って、
細かい粉でグラデーションが付くように蒔いてみました。


そして本日午後、4回目=最後の粉蒔きです!
まずは幹に弁柄漆を塗りまして、、、


大き目の丸粉=7号、5号で蒔きました。
こちらは幹の立体感が出るように、
少しだけ密度を変えて蒔いてみました。

これで粉蒔きは全て終了。
粉固めや摺漆を重ねながら、磨き仕上げに移行して行きます。

最終コーナー、、、最後までよくよく気を付けながら
何とか無事フィニッシュと行きたいところですね。


本日の朝ジョグの時、浄水緑地階段の脇で見つけた
わたしの推しのつる草くん♪
見守っていて下さいね~(^.^)

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:16Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年08月15日

鞘塗り蒔絵⑥ 丸に金鵄梅鉢・・・

鞘塗り蒔絵⑥ 丸に金鵄梅鉢・・・

日本刀鞘塗りは、ようやく丸粉蒔絵に入って来ました。
蒔き終わったものから順にこれから更に磨きをかけて行きます。


この『丸に金鵄梅鉢』は、
第二次世界大戦において若くして戦死された
ご親族を弔う意味を込めるというオーダーにて制作したオリジナルデザインの紋でして、
夜の世界を表現している鞘背面に描いています。

本日は終戦記念日、、、
あの大戦争で犠牲になられた世界中の方々に対し
心よりご冥福をお祈り申し上げます。



鞘背面の粉蒔きは全て完了。
前面もある程度進んでいますが、大松の蒔絵がまた勝負どころであります。

引き続きコツコツと進めて参りましょう。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:33Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年08月13日

鞘塗り蒔絵⑤ 丸粉蒔き・・・

鞘塗り蒔絵⑤ 丸粉蒔き・・・

こつこつと進めている鞘塗り蒔絵。。。

梨地粉蒔きが完了しましたので、
いよいよ蒔絵の最終仕上げに向かうため
丸粉蒔きに入っております。


まずは梅鉢羽紋のフレームに、
丸粉を蒔くための羽柄を描きます。
一旦置き目(転写)をして、、、


梨地塗りの上に弁柄漆は判然としないので
より明るく目立つ朱漆で羽柄を描きました。。。


そしてこちらが、丸粉を蒔いて乾燥させた後、
溶剤で希釈した生漆で粉固めをした様子です。


金鵄紋の方は、弁柄漆を丁寧に薄く塗り、、、


丸粉を蒔きました。。。
レリーフ状になるよう回数塗り重ねてますので、
凹凸感が出ている感じですね。


こちらも希釈した生漆で固めて。。。


そして、梅の花の螺鈿にも、、、
丸粉3号を蒔き付けましょう。

丸粉蒔き付け工程で一番難しいのは
細かい毛打ち(金線)がある松葉であります。
引き続き頑張って参りましょう。

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:21Comments(2)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年08月01日

鞘塗り蒔絵④ 梨地粉蒔き・・・

鞘塗り蒔絵④ 梨地粉蒔き・・・

鞘塗り蒔絵は、本番作業の第3工程「梨地塗り」へ。。。
今回は梨地粉蒔きであります。

絵柄の背景になる部分を、
少し濃い飴色でありながらキラキラと光る「梨地塗り」にします。
具体的には、梅鉢羽紋のフレームと松葉が該当する部分ですが、
まずは粉を蒔く工程から開始です。


さて、最初は梅鉢羽紋から。。。
上から羽の絵柄が入る丸フレームのベースに
研ぎ出し梨地漆を塗ります。


梨地粉を蒔き終わった状態です。
ビッチリと贅沢に蒔いております。
ほとんど見えなくなる背景にしては、かなりリッチな感じです(^^;

この丸フレームについてはテストで色々と試しましたが、
一番細かめの1号粉で密に蒔くのが良いという結果に。
上から絵付けする羽の絵柄がこれまたビッチリと描かれるため、
その隙間から見える金粉は細かく密な状態が良いと考えた次第です。


次に松葉にも梨地粉蒔きを。。。


こちらが蒔き終わった状態です。
梅鉢羽紋のフレームと比して、少し密度を下げました。


そしてこれが大事な作業!粉押さえの作業です。

タイミング良く慎重にやらないと失敗する作業なのですが、、、
金粉を蒔いた後、漆の乾燥が更に進み程良く粘度が高まった段階で
押さえ紙で金粉を丁寧に押さえてあげます。

この作業によって、鋭角に立ち上がった梨地粉が
平板に押さえ付けられて定着します。

もしこの作業をしないとどうなるか、、、
乾燥後の粉掃いや、上塗り後の研ぎ出し時に梨地粉が取れてしまい
剝げた所があちこちに出来てしまうのです(~_~;)



乾燥して粉掃いが終わった梅鉢羽紋フレームです。
きっちり蒔き付けられましたね。
まずは一安心ですが、、、今後も油断は禁物です。


松葉もしっかり乾燥して粉掃い。
こちらもひとまずOKです。
イメージ通りの程良い粉密度となりました。

さて、次はこの蒔いた梨地粉の固め作業です。
つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:24Comments(0)制作日記金箔・金粉鞘塗り

2023年07月30日

純金丸粉届く・・・

純金丸粉届く・・・

本日、注文していた純金丸粉が漆屋さんから届きました。
今回は約6年ぶりに金粉を購入したのですが、、、
値段が倍になっていて驚いたのでした~(^^;


注文したのは純金丸粉3号。
どちらかと言うと細かめの丸粉です。
このたった1gで2万円もします(^-^;

鞘塗り蒔絵の試作で、
この3号粉を本番で多く使うことが予想され、
当方の在庫がわずかとなっていたので注文したのですが、、、
ネットで見ると、どこの漆屋さんも細かめ金粉の在庫が無い!!

やっと1社の通販サイトで「残りあと2つ」とありまして
そそくさと注文したのですが、、、実は在庫切れとのご連絡アリ!
どうもメーカー製造で何らかの事柄が発生しているとのことでした。

少し急いではいたのですが、、、
結局は注文してから届くまで12日かかりました(^^;
それでも早急にご対応頂いた漆屋さんに感謝です。


こちらは約2週間前に色々と試作を終えていた2本。
なんと、足りない金粉が届いたこのタイミングで、
先ほどご依頼主様より試作ご確認のご返信あり。
Goサインを頂きましたので、いよいよ本番の一部に手を付け始めます。


またまた緊張の連続と思いますが、、、
つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 14:54Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年07月15日

鞘塗り蒔絵③ 純金平目粉置き・・・

鞘塗り蒔絵③ 純金平目粉置き・・・

鞘塗り蒔絵は、いよいよ本番作業に。。。
最初は二大松の平目粉置きから始めます。


松の幹の所々に平目粉をくっつけるのですが、
まずは幹の凹凸を意識して濃弁柄漆を筆塗りして、、、


漆が程良く半乾きになったところで、
一個一個竹串で貼り付けて行きます。。。

数日前に試作して粉の大きさは確認済み。
当初から3号粉を想定していましたが、
幹ベースの細かい丸粉と同化してしまう恐れがあることと
実際はもっと大きめの方が見栄えするものと判断し、
5号、7号の紛を使用することに。。。

粉の配置はCGで予めシミュレーションしていましたが、
本番では幹の様子を見ながら位置など調整して配っていきます。


貼り終えたところです。


漆が乾燥した状態でみるとこのように。。。


金鵄紋や梅鉢紋の漆上げ(ベース盛り上げ)はほぼ完了しました。


後は金粉蒔き等の試作を重ねて本番作業に入りましょう。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:55Comments(2)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年07月12日

鞘塗り蒔絵② 梨地粉テスト・・・

鞘塗り蒔絵② 梨地粉テスト・・・

鞘塗り蒔絵は、試作も含めて少し進んできました。
引き続き確認しながら~の作業になっております。


鞘本体に施している金鵄紋の漆上げの様子です。
胴の胸羽も盛り上げないといけません。


梨地粉のテストの様子です。
一旦乾いたので、周りにほんの少しはみ出た梨地粉を
竹串で慎重に剥がしているところです。


そして上から梨地漆を塗ります。。。


今はまだ薄い飴色ですが、
乾いてくると一旦これがだいぶ濃くなります。


松葉にも同様の作業をします。
さて、上手く狙い通りに行くでしょうか?

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:40Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年07月07日

鞘塗り蒔絵 漆上げ・・・

鞘塗り蒔絵 漆上げ・・・

7月に入り、今日は七夕です。
しかし、相変わらずの大雨で七夕どころではありません。
せめて、作業ではキラキラと行きたいところです(^-^;


鞘塗り蒔絵の作業は、コツコツと進めております。
7月に入ってからは、レリーフ状に絵柄を盛り上げるため
「漆上げ」という技法で漆を何度も重ね塗りしています。


テスト用の蒔絵でも同様に漆上げを行いました。
梅鉢紋はフレームベースの色味を弁柄と黒の2色に塗り分けてテストです。


このフレームや松葉に研ぎ出し梨地漆を塗って
梨地粉を蒔きます。。。


テストですから、粉の大きさや量も変化させて蒔いてみました。
上から描く細かい金蒔絵との関係なども確認して行きます。


さて、別のご依頼案件も幾つか並行して進めております。


こちらはある程度進んでいる薔薇のチャーム。
思いのほか手間取っております(^^;


そしてこちらは、、、卓上プレートのご依頼品。
個人所蔵されてらっしゃる著名な方の書を
卓上プレートにされたいとのことで、製作を承りました。


桂材を購入し、、、


レーザー彫刻を施して、、、


基本的に拭き漆で仕上げて行きます。。。

う~む、カットする前に木固めしてしまうとは、、、
ちょっと工程が逆転してしまってますね。

本来は、カット(加工)→レーザー彫刻→漆塗り
だと思いますが、カットするタイミングを逸してしまい、
先走りしてしまいました!(^^;

ま~それでも何とか仕立てて行きましょう。
つづく。。。
  


2023年06月28日

鞘塗り 蒔絵開始・・・

鞘塗り 蒔絵開始・・・

新作鞘塗りは、前回記事をアップしてから
あっという間に2ヶ月以上経ってしまいしました。。。

この間、様々なご依頼案件があり、また所用も重なって、
鞘塗りが長期間中断していたわけですが、、、
準備が終わっていた蒔絵がようやく開始であります。


蒔絵柄の転写=置き目からスタート。
ちょっと厚手の特殊な和紙を使っておりますが、
こちらに二大松の絵柄を焼き漆で描いてから鞘に転写です。


転写後、うっすらと金消し粉を蒔き付けて、、、

通常は銀消し粉で良いと思いますが、
金消し粉の方が細やかに蒔き付く感じもして
ちょっと贅沢してます(^^;


そして、蒔絵のベースとなる弁柄漆を塗ります。

今回は、ある程度厚みのある高蒔絵を施しますので、
これから更に何回か漆を重ねていく予定です。

まだまだ時間はかかりますが、
各蒔絵工程をしっかりこなして行きましょう。

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:41Comments(0)制作日記金箔・金粉鞘塗り

2023年04月09日

鞘塗り 最終蒔絵準備・・・

鞘塗り 蒔絵準備・・・

製作中の鞘塗りは、
最終工程の蒔絵準備に取り掛かっております。


加飾完了している螺鈿。
一旦艶上げして、状態を確認します。


先週蒔き終わっていた城山三峰も、
艶上げして確認です。

そして、鞘全体にまた摺漆を薄っすら施し、
最後の絵柄である家紋、大松の金蒔絵仕様を検討。

家紋、大松は高蒔絵で表現しますが、
幾つかの蒔絵テクを組み合わせますので、
ここは慎重に練習を兼ねて試作を行います。

いよいよ最後の関門となって来ますが、
いつぞや制作した尺八の金蒔絵=山桜、蔓の時を思い出しながら、
検討を重ねて参りたいと考えております。

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:27Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年03月24日

鞘塗り 栗形再修正・・・

鞘塗り 栗形再修正・・・

本日、鞘塗りの1本(未公開分)がようやく完成しました!

しかし、先日接着した栗形は、、、
今度は金具シトドメの取付穴が少し傾いていることが判明!

普通こういうことないんですが、決着を付けるため
妥協なき戦いを昨日から今日にかけて慣行~(・_・;)


ここに来て気づくとは、、、何たる不覚!
栗形の縦方向も僅かに傾いております。
横方向の傾きは分かったのにこれには気づかないなんて、、、(;'∀')


もう途中の悪戦苦闘は撮影せず、、、
数時間かけて修正完了!やり切った~。

WBCの大谷とトラウトのように
シトドメくんたちもビッタシ決着つけました(^^;


早速隙間に錆付けであります。。。


反対側も。。。
この後、シトドメ穴の傾き修正削りで出来た隙間もコクソで埋めて、、、


そして本日、乾燥したところで
生漆含浸させて錆とコクソの固めを。。。


金梨地粉で描いた城山三峰も、研いで摺漆。。。

本鞘は、まだまだ作業が続きます(^^;





  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:29Comments(0)制作日記漆塗り鞘塗り

2023年03月22日

鞘塗り 栗形接着・・・

鞘塗り 栗形接着・・・

WBCは本日決勝で盛り上がっておりますが、、、
こちら日本刀鞘塗りは、
いよいよ上塗りがだいぶ進んだこのタイミングで栗形接着。
やり直しもあって苦労しております(^^;

☆WBC日米双方頑張って下さい~。
 そして胃に穴が開きそうな?栗山監督にもエール(^-^;


一昨日の様子。一回コクソ(漆パテ)でくっつけましたが、、、
何と、栗形がちょっとだけ傾いていることが判明!
なんてことでしょう!(;'∀')
約5度くらいでしょうか~接着やり直しです(^^;


一旦作ったコクソは練り直して、、、


凹みを成形し直すため、凹み左上側面などに塗り付けます。。。


昨日の接着やり直しの様子。
まずはコクソ乾いた所で削って成形。
これがまた時間がかかります(;'∀')


またコクソを練って、、、


再接着へ~。
ペタペタとコクソ適量付けて、、、


栗形を嵌めてグッと押し付けます~。


反対側からもしっかり押さえて、、、
これで決まってちょうだい!(^-^;

こちらの接着は何とか決まりそうですが、、、
さて、WBCの決着は如何に!?




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:16Comments(0)制作日記漆塗り鞘塗り

2023年03月19日

鞘塗り 蒔絵本作業開始・・・

鞘塗り 蒔絵本作業開始・・・

昨日は鞘塗り蒔絵本作業の一回目。
いよいよ蒔絵のスタートです。
まずは、純金梨地粉を使って日に照らされた「城山三峰」を表現しました。


一気に蒔いてしまう複雑な段取りで、
背面の螺鈿粒と同様にグラデーション表現が難しく調整に難航しましたが、
夜遅くまでかかって何とか蒔き切りました(^^;


皆さん、お疲れ様でした~。


実物鞘全体の様子を見て判断し、
CGシミュレーションと比べ裾野を広くしてます。

ここからの仕上げがまた難しいのですが、
しっかりやらねば~ですね。

つづく。。。

  


2023年03月15日

鞘塗り 蒔絵の段取り・・・

鞘塗り 蒔絵の段取り・・・


鞘塗り蒔絵の段取り。

この城山三峰を金粉で描く手順は、
背面の螺鈿粒で表現した城山と基本的に同じなんですが、、、
上塗りが仕上がって来ているだけに、失敗できない緊張感があります(^^;

こちらは山ですが、もう一方の未公開鞘塗りでは雲。
大きなモチーフに臨む時は、
視野を広くして心を落ち着けないといけませんね。

これからがまた勝負どころであります。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:04Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り鞘塗り

2023年03月11日

鞘塗り 螺鈿研ぎ出し・・・

鞘塗り 螺鈿研ぎ出し・・・

3月に入ってもう10日経ちました。
だいぶ暖かくなって来ましたが、今日は3.11ですね。
黙禱もしつつ、作業に励みます。

現在のメイン作業となっている鞘塗りは、
螺鈿の上塗りと研ぎ出しが完了し、最初の磨き作業にも入って来ました。

もう一本やっていますので蒔絵になかなか入れずにおります。
そろそろ開始したいところですね(^^;


螺鈿の厚みは0.1mm。
この厚み分となる黒漆の上塗り回数は最低3回です。


上塗り後の研ぎ出し完了。
最後は細かい番手で研いでます。
この後に胴擦りを挟みながら摺漆を3回して、、、


鐺も塗っとかんと~ですね(^^;

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:52Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り

2023年02月28日

鞘塗り螺鈿の貼付完了・・・

鞘塗り螺鈿の貼付完了・・・

もう2月も終わり、明日から春になりますね~。
今年も早いものです。

鞘塗り螺鈿の貼付が全て完了しました。
以下の写真は鞘背面に配する城山三峰。
螺鈿の粒で夜の城山を表しております。。。


夜遅くに貼り終えました。
ちくちくと星の粒を貼って行くような感じでしたね~。


専用のダンボール室で乾燥させて、、、


螺鈿粒を希釈した漆で一旦固めました。

春に入れば今度は鞘前面の昼の城山三峰を蒔絵で表します。
3月は、、、もう五つ踏ん張りほどはしないといけませんね(^^;

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:47Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り

2023年02月23日

鞘塗り 螺鈿加飾・・・

鞘塗り 螺鈿加飾・・・

現在製作中の日本刀鞘塗りは、
ようやく螺鈿の加飾に入っています。


梅と波・泡を貼り付けましたが、曲面への貼付なので
特に絵柄大き目の梅さんに反りが出ないよう気を配りました。


絵柄は全て貼り終えましたので、、、
本日は青貝粉(アワビ薄貝粒)を加飾です。


塗って蒔いて竹串等で調整、、、という具合です。
星の海に旅立った松本零士さんを偲びながら、
つぶつぶやって行きます。。。


ようやく鞘背面が蒔き終わりました。
グラデーション蒔きですので、結構時間がかかります。

前面も何とか本日中に蒔き終わりたいですね(^^;
つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:44Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工鞘塗り