2021年08月31日

印象に残る夏の終わり・・・

印象に残る夏の終わり・・・

今日で2021年の夏が終わります。


午後は糸島の工房に来ました。
気温は結構高めです。


昨日、粕屋の叔母宅で積んできた部材や工具の荷下ろしを。。。


解体した和箪笥の四角い化粧扉。
何か重要なものをしまっておく箇所に付いた扉のようでして、
鍵金具も複雑な構造になっているようです。
金具の細工や毛彫りが素晴らしく、
これだけは壊さずに記念として取っておくことにしました。

また時間が出来たら、漆の塗り直しや金具の磨きをしたいと思います。

それにしましても、この夏は大変印象に残ることが多く起きました。
近しい親族が深刻な病気になるという私事もありましたが、、、

社会的な側面から見ますと・・・
新型コロナウィルスのデルタ株感染拡大、、、
東京オリンピック、パラリンピック、、、
日本各地で起きた集中豪雨、、、
アフガニスタンのタリバン攻勢と政変、、、
そして本日=8月31日、アメリカ軍のアフガン撤退と20年戦争終結。


わたしはペシャワール会の会員として、
アフガニスタン東部の緑化事業を支援しております。

アフガニスタンは、皆さんもご存じの通り、
長年にわたる戦争、民族・宗教対立、干ばつ等の自然災害に苦しめられた国です。
ただ、これは決して他人事ではなく、まさにアフガンは世界の縮図みたいなもので、
人間が直面している問題をギュッと凝縮し、内包している国だと私は捉えています。
この国の瀕死の状態に陥った人々は、
もしかすると未来の我々もしくは子孫たちの姿であるかもしれないのです。

だからこそ、何とかせんといかん・・・と言って
問題の本質に真正面から向き合い、立ち上がった中村哲先生の活動に共鳴し、
寄付という形でしかありませんが支援をしている次第です。

アメリカ軍が撤退し、今後の情勢は予断を許さない感じではありますが、
タリバンもしくは今後形成される政府が、ペシャワール会の活動に賛同し、
維持・継続できるよう取り計らってくれることを願ってやみません。


日差しの強いこの夏は、空を見上げると
アフガニスタンのことを考えることが多かったような気がします。



本日の夕日。
少し沸き立つ雲間から、強い光が覗いていました。


去り際は色合いが綺麗な雲が現れていました。
希望の見える秋になって欲しいなぁ~と思います。。。


この8月は、一つ嬉しいことがありました。
かねてから曲名を知りたかったものが分かったのです。
1990年代の中頃に、以前勤めていた美術品制作会社(東京)の
長野県の工房へ再び訪れた際、CDで流れていた曲なのですが、
最近よく利用している音楽配信サイトSpotifyがチョイスした曲にあったんですね~。

実は祖母が2000年代に亡くなった時も、
お寺であったお葬式で流れていまして、、、あっ!と思ったんですが(^_^;)
良かったらお聞きください。。。

♪アンドレ・ギャニオン「めぐり逢い」 icon100







  


2021年08月31日

和箪笥の解体作業・・・

和箪笥の解体作業・・・

昨日は、粕屋の父方実家(叔母宅)で、100年くらい前の漆塗り和箪笥を解体。
ちょっとシロアリさんが来ていたので、勿体ないですが廃棄を決断です。
他の大物片付けもあり、一日作業となりました。

お盆頃にシロアリさん発覚!その時に急遽依頼を受けましたが、
今年は珍しく大雨が続いていたり、コロナのこともあって、
私がワクチン2回接種終了後の月末に解体することとなりました。



シロアリさんでおぞましきことになってた本体は
もう叔母が早々に解体して屋外に!(^^;
この金具たちがたくさん付いた引き出しの解体が残っておりました~。
やるべし!!


まずは金具外し。お仏壇のある手前の大部屋で、
クーラーに当たりながら涼し気に作業~(^.^)
引き出しを部屋に一つずつ入れては金具外し~の繰り返し。。。
☆金具は毛彫りなどが素晴らしく貴重な感じなので、
 銅製の小釘と共に工房で保管することに。


引き出しの内側を見ると、、、ふむふむ。
ふたつに割られた釘先が二手に曲げ打ちされて固定されてますね。
こればまた真っ直ぐにして打っ叩いてっと、、、


外側に浮き上がった金具を外してっと、、、という具合に。


縁飾りの金具は、、、小さな釘で留まってますね~。
こちらは一昨年にお坊様の椅子(曲録)塗り直した時に
金具を外したのと同じ要領で。。。
その時、特別に作ってた専用小釘抜きが今回もバッチリ活躍です!(^^)/


さて、小引き出しの次は大引き出し。
こちらは丸い鍵金具も付いてます!


小釘を同じ要領で抜いてっと、、、


おっと!叔母が解体してた本体に、
ラスボス的な金具が付いているのを発見!!
これはまたタンスを動かすため横にくっついている大物取っ手金具、、、
裏側を外すのに一苦労です!(;'∀')


全ての金具を取り外しました!!いよいよ解体です。
庭の日陰になるコンクリスペースに持って行って、
ハンマーで打っ叩いて解体して行きます。


各面材はどうやら膠で接着された木釘で留めてあるようで、、、
強く叩くとすんなり分解できました。。。


バラバラにするとですね~けっこう少なく見えますね~(^_^;)
☆写真は総量でないです。


当時の職人さんが筆で書いた番号も発見(^.^)

この和箪笥は、基本的に桐で出来てますが、
本体は杉で出来ているところもありました。


そして、使えそうな部材は取っておいて工房へ。
残り廃棄分の長尺部材は、電動ノコでバシバシカットしました。

しかし、叔母がこの機を逃してなるものか!!ということで、
和箪笥以外の大物部材を小屋から出してきて
「これたちもゴミ袋に入るサイズにカットしてくれんね~♪」と言って来まして、、、
もうひたする日が暮れるまでカットしまくることなりました~汗(^^;


いらない材で使えそうなものもあり、、、
和箪笥活用群の部材と共に糸島の工房へ


いやはや、ま~ハードな解体&断捨離の一日となりましたが、、、
やっぱりここで出て来るのが叔母の美味しい手料理であります。


お昼はコチラ~♪


お晩はコチラ~♪

ま~片付けもできるし、素晴らしい賄い付きということで
良い一日でありました(^^)/



☆オマケ!
叔母の家に行く前に、東区のお客様の元へ金継ぎを納品。
お布団屋さん(ブログ福岡よかよかの「ふとん屋のひとり言」さんです!)ですが、
イイ感じの仕立て台?と呼び出しボタンが、、、(笑)


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:58Comments(0)制作日記よもやま話木工

2021年08月28日

夏の終わりの糸島工房・・・

夏の終わりの糸島工房・・・

今日は久々の糸島工房での作業。
もうこの夏も終わろうとしておりますが、、、
ちょっと来ない間にも、いろいろと変化が(^^;


切り株くん巨大化が進んでおります、、、(^^;
最近は青虫くんたちにも食べられず、
豪雨でもたらされた雨水をたっぷり吸って、スクスクと育ったようです。。。


一時のやつれ具合はどこへやら、、、
伸びやかさが違う、オーラが違う!^^


工房のある芸術村オーナーより、もぎ立てイチジク頂きました~^^
なんせ、工房の脇に実がなってますからね~(^^;


相変わらずの自然な甘さ、、、まいう~♪^^


ちょっと蒸しますが、風は爽やか~。いろいろやりましょ~。

写真は撮っておりませんが、、、
まず最初にやったのは、数年使っていなかった電動ノコの確認。
明後日に使う用事があるので、ちゃんと動くか確認していたところ、、、
何回かボタンを押していたら、急に動かなくなりました!!汗

片方のカーボンが外れないのでこれが怪しい感じでしたが、、、
ともかく分解してスイッチやモーターまで調べまくり!!
結局、原因は溶着気味になってたカーボンらしいことが判明し、
分解状態でカーボンを内側に落とし込むように外してから、
取り付け内部を研磨して、壊れたカーボンを直してからまた装着すると、、、復活!!
いやはや、これで時間食いましたね~(^^;



次に、アワビ貝殻の研磨を。。。
巣穴が多くても厚みがあって部分的に使えそうな貝殻をピックアップ。


#120まで研磨しました。
次回は月末にトリミングをする予定です。


それにしましても、今日はどことなく秋の気配も感じつつ
何のかんの言って暑かったですね。
夏が終わっても、例年のごとく暫くは暑さが続くのでしょう。



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:50Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工木工

2021年08月27日

9月へ向けて準備開始・・・

9月へ向けて準備開始・・・

大物案件の製作~納品が終わり、
次なる9月のご依頼品づくりに向けて準備を開始です。


こちらは特殊な準備。
以前もご紹介した乾漆粉づくりです~(^.^)
なかなか根気が必要~(^^;


そんでもって、こちらは螺鈿材料の仕立て。
また研磨して厚み調整です。


今回は先々のことも考え、けっこう多く研磨しときます!汗


昨日は、久々お打合せしたお客様から、
東京ご出張の有難いお土産を頂きました~♪
ナンと!曜変天目茶碗のバッジであります!
本当にありがとうございます(^^)/

三菱の至宝(静嘉堂所蔵品)が収録された展示会のカタログも
しっかり拝見させて頂きました。一度観たいんですよね~静嘉堂の品々。
おっと!ちょっと調べたら、、、
2022年に静嘉堂文庫美術館、丸の内に移転するんですかっ!(;'∀')

イイなぁ~東京出張&展示会(^-^;


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:54Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り

2021年08月25日

納品へ出かけると・・・

納品へ出かけると・・・

今日は納品のため、久々に車で遠方に出かけました。
最初は晴れ間もあって「今日は天気に恵まれたねぇ~」なんて言っていると、、、


そうこうする内に渋滞が始まり、、、、、、、
ピタッと停車してしまっている最中に、なにやら怪しげな雲がっ!!

まもなく突如としてドシャ~~~降りであります!!
あっという間に前がよく見えないくらいの状態となり、
メチャクチャに危ない!!

何てことでしょうか~、40~50分くらいの事故渋滞につかまりまして、
もしかするとこのゲリラ豪雨で
運転を誤った車が事故を起こしたのかもしれません。。。

これはもう夕立ちというものとは別物の、、、
もはや「スコール」という印象でした。

なんか亜熱帯化してますかね?日本は。。。(^^;


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:07Comments(0)制作日記社会つれづれ

2021年08月24日

金継ぎ完成・・・

金継ぎ完成・・・

金継ぎ作業は最終段階を迎え、やっと完成しました~。
障害を負った君たちが、またお客様の元へ帰って行きます。
しっかりやり直せるからね~♪(^.^)


深川製磁お茶碗は、粉固めがしっかり乾き、最後の磨き工程。。。


まずは磨き粉で磨き上げ~です。


脱脂綿に茶黒いのが付きます(^.^)


こちらは金彩がとれないよう、隙間を縫うように!(^^;


そして、、、鯛牙で丁寧に丸粉の頭を潰します~。
キラキラして来ました。


丸粉1号を蒔いていたコーヒーカップも、、、


布や手磨き、そして洗浄も施して、やっと完成です!
君たちもよく付き合ってくれましたね~(^^)/


ちょっと個性的にしたかった深川製磁お茶碗は、、、
こんな感じで仕上がりました。


金属の質感が出てる感じですかね~。
少し鈍目の光り方。。。(^.^)


あなたも、結構渋めに上がりましたね~。
そこはお口が当たるとこなんで、、、
だいぶたっぷりと金粉盛っときましたよ。


あなたも、、、そこ、お口当たるっしょ~(^^;


ま~またそこんトコロよろしく!

そんなこんなで、皆さん旅立って行きます。
もう私に会わなくて済むようにね。
でも、、、またいつでも帰ってきていいよ♪ (笑)

傷ついても、障害を負おうとも、、、
きっとやり直せるんだからね。




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:49Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り

2021年08月22日

金継ぎ 粉固め・・・

金継ぎ 粉固め・・・

さて、金継ぎも大詰めを迎えております。
昨日蒔き付けた金粉を、今日は生漆で固めます。。。


こちらは金消し粉を蒔き付けたコーヒーカップ。
テレピン油で溶いた生漆を、蒔絵筆で優しく丁寧に塗ります。


そして、これもまたやさし~く、、、
ティッシュペーパーで押さえて余分な生漆を吸い取ります。
ティッシュに跡がつかなくなるまで何度も押さえます(^.^)


金消し粉を使った金継ぎは、このあとは磨き作業で完了予定。
金丸粉を使った金継ぎは、、、まだ何度か手が掛かります。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:36Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月21日

金継ぎ 金粉蒔き・・・

金継ぎ 金粉蒔き・・・

本日は、先日ちょっとしくじって仕切り直しとなった作業、、、
金継ぎ器たちの金粉蒔きです。


蒔絵用のヤワめ弁柄漆を蒔絵筆で塗り、、、
ちょっと室に入れて湿気を吸わせ、、、


弁柄漆が半乾きになったところで金粉の蒔き付けです。
本当にいつもこのタイミングが難しくって、
いまだに失敗することがあります(^^;


蒔き付け完了~。
右と下のコーヒーカップは金消し粉、左のコーヒーカップは金丸粉1号、
そして、上の深川製磁お茶碗は金丸粉3号で。
ちょっと器の様子などを見て、金粉の種類を変えて見ました。

今回は、マットな表面の器には優しい雰囲気が出る消し粉、
艶のある器には個性的味わいが出る丸粉を使っております。

質感の対比効果を狙ってのことですが、、、
仕上がり具合は果たして如何に!?

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:20Comments(0)制作日記金箔・金粉漆塗り

2021年08月20日

プライベートの日程と製作のタイミング・・・

プライベートの日程と製作のタイミング・・・

8月も既に後半に入っておりますが、、、
なかなか予定が詰まって来て、製作のタイミングも難しい感じです。

一昨日の17日はユーザー車検へ。
いやはや、今年は最悪のタイミング(大雨)で予約入れてしまいました~(^^;


なんでこんなに降るの~‼️(・・;)
無事に車検場へたどり着けるのかっ!?


書類申請通過してマルチテスタラインへ、、、
やっと小降りになって来たのね~(^-^;


あ~池のようになってた駐車場、、、やっと水引きましたね~。
これが豪雨の威力かって、見せつけられました。
この日ユーザー車検受けれなかったら、スケジュールがグチャグチャに!
ホント危ないところでした!(((^_^;)

この日の晩は、金継ぎの中塗り作業を。
しかし、翌18日に見てみたら、2箇所ちぢみ~が発生!(^^;
ということで、この日はその修正を行い、金粉蒔き付けが出来ず、
ナンと!ここで製作のタイミングがずれるということに。。。

19日は、コロナワクチンの2回目接種を予約していまして、、、
副反応の影響で身体ダルダルになることも想定し、
この前に金粉作業やりたかったのですが、、、そそくさと予定変更です!

既に作業を完了している大物(木工品)の梱包は
納品が月末なので、副反応が落ち着いてからでも良かったのですが、
意外と段ボール加工は体力使いますので、これを体調の良い18日に先行して実施!


送付物が収められる丁度良いサイズのダンボールをスーパーで見つけて大喜び!
ほんの1cm違いサイズの大型段ボールがあったので、
これで下箱(本体)と被せの上フタをイメージ通りに作れました~(^.^)
ヤマトさんの160サイズ以内にも収まりましたし、本当に助かりました。


箱内部の充填詰め物もしっかり用意出来て梱包完了!
こういう実製作以外の作業も、時間、労力、手間が結構かかるもんなんです(^^;


以上のように、ちょっとしたアクシデントがあって予定がズレると、
プライベート&製作の日程をよく確認しながら、的確な見直しが必要になって来ます。
その辺りをいい加減にすると、自分だけでなく家族や関係先にも迷惑が掛かりますし。。。

まずは来週が予定ツメツメなので、、、
ちょっと今月後半も心して対応していかないと~(^^;
☆天気予報もチェック!です。

ということで昨日=19日は、予定通り近くの病院でコロナワクチン接種。
1回目は先月で副反応はほぼ無かったのですが、、、、、
やっぱり!今回は翌日(本日20日)になって来ましたね~(;'∀')
体温が37.7°と高くなり、今でも節々の痛みとともに発熱継続中~汗。
ま~時折体温下がるので、それほど副反応強くないですが。。。
☆それで、今この記事を書いております。


あ~早くこのモヤモヤ感が治まって、爽やかになって欲しいもんです~~。
来週が予定通りに行くために。。。(^^;




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:54Comments(0)制作日記よもやま話社会つれづれ

2021年08月18日

数日ぶりの朝ジョグ・・・

数日ぶりの朝ジョグ・・・

今日は数日ぶりの朝ジョグ。
雨ばかりでなかなか連日は走れませんね(^^;

しかし、その道のりの中で見かける
雨露に濡れた植物もまた美しか、、、です。

長雨はうっとうしいものですが、
そういうささやかな楽しみも与えてくれますね。


浄水緑地には、巨木があるとです。
何気なく普通に、、、ですね(^.^)


おっと、よく目を凝らすと、、、生き物がおるとデス。。。(^.^)


ツルたちが、よかよかデス。


なんかね~~~ここまでつづくと、怒られてる気がしますね(^^;


ゾウさんのお鼻のようになった迫力のある根っこたち。。。


こちらはシャキッと撮れましたね~。
瑞々しかっ!


もう通信の役目を終えたマイガラケー。
しかし、目覚まし時計として、そして朝ジョグのお供として、
まだまだ活躍してくれてます。
今回の写真も、けっこうよく撮れてましたよ(^.^)♪


これからもよろしくね、、、その寿命が尽きるまで(^^)/












  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:12Comments(0)よもやま話

2021年08月17日

金継ぎ中塗り作業・・・

金継ぎ中塗り作業・・・

本日は、昨日に錆固めしたところを黒漆で中塗りします。

コーヒーカップたちは欠け部分ですから、
その形状から言って研ぎも塗りも難しくないのですが、、、
問題は深川製磁のお茶碗です。
ほそ~い線ですからね、毎度作業には神経を使います。


まずは研ぎ作業から。。。
形を自在に加工できる炭を使います。


先端に行くほど薄い形状になるよう加工された炭。
過去のご依頼品の作業の際に作っていたものですが、
これだと細いラインもトギトギしやすいんですね~(^^)/


研ぎ終わってから、黒漆で慎重に中塗りです。
これを一晩乾かして、次なる一連の最終工程=金粉蒔き付けへ。

つづく。。。



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:03Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月16日

金継ぎ下地固め・・・

金継ぎ下地固め・・・

さて、前日までに重ね付けした錆(漆パテ)。
これを時折水を付けながらヤスリで研いで器の元の形状に成形します。


後の作業や仕上がりに支障が出ますので、ここは丁寧に。


だいたいこんな感じでしょうか。。。
また中塗りをしますので、出っ張らないようなレベルまで研ぎ削ります。


次に生漆を錆にたっぷりと吸わせます。
今回のコーヒーカップたちは欠けばかり。
おまけに3つと少ない、、、ですので、筆は使わず竹串で。
蒔絵筆を使うと、使用前の油抜きと使用後の洗洗いに時間がかかりますので、
ここは作業時短の為にも竹串を使いました。(^.^)


最後に余分に溜まった生漆をティッシュで吸い取ります。
1回目は、やさし~く、ズレないようにサッと押さえます。


ティッシュに生漆の跡が付きましたね~


今度はティッシュの違う面を出して、2回、3回~と強めに押さえて吸い取り、
生漆の跡がティッシュにほぼ付かなくなるまでしっかり吸い取ります。
生漆が吸い込んだ錆は、このように黒くなります。


錆固めが完了したら、、、
君たちしばらくカプセルに入っといて下さいね~(^.^)


今回の一連の金継ぎ記事は、
作業の様子をより細かくアップしております。

金継ぎのやり方は、たぶん人それぞれで様々だと思いますが、
金継ぎも含めた「漆芸」というものは、
そもそも非常に多くの技法が編み出されてきた分野ですので、
これが完成!これがベスト!ということもなく、
常に進化するものであると考えています。
恐らく、漆芸に携われていらっしゃる方々も
そのように考えてらっしゃることと推測しております。

今回の金継ぎでも、実はちょっと思案して新しい試みを。。。
これまでの技法を振り返り、もうちょっとこうしたらいいんじゃない~?と
違ったやり方を少し取り入れてやっております。

もしかしたら、ちょっとこれマズい!という結果が後から出てくるかもしれません。
でもそれでいいのです。そんときゃ~軌道修正すれば良し。
思いついたら、、、まずはやってみるのが先決。(^.^)

正解は無い、、、だから自分の頭で能動的に考え
より良くなると思う方法を考案し、実践していく。。。

今後も常にこの姿勢で取り組んで行こうと思います~(^^)  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:04Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月15日

お盆中も金継ぎ作業・・・

お盆中も金継ぎ作業・・・

考えてみたら、お盆休みに入っておりましたね~。
もう関係なく仕事しているような、、、(^^;

ということで、金継ぎ作業もコツコツと進行中。。。


昨晩に漆を焼き付けた深川製磁お茶碗は、、、
くっつき具合も含めて確認を。
ひび割れの近くに指を構えて~~~


ピーン!と端っこを弾いてみました。
この弾いた時の音色で、くっつき具合を確認するわけですね。
キーン!だったらOK!! パーン!だったらNG!!
つまり高音であったら合格、低音であったら不合格なのであります~(^.^)

うん、よかキーン音がします!合格~。
麦漆で隙間を埋めて一次接着し、更に漆を焼き付けて(上塗り溶着させて)、
しっかりひび割れが接合したようです。


さて、コーヒーカップたちはと言いますと、、、
このように漆を焼き付けた欠損部に錆(漆パテ)を塗り付け、
これから更に元の形状になるまで重ね付けして行きます~。

つづく。。。  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:33Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月14日

お茶碗金継ぎは次の工程へ・・・

お茶碗金継ぎは次の工程へ・・・

今日は本当に凄い大雨で、
福岡市にもとうとう大雨特別警報が出てしまいました!
何とか市内では川の氾濫が起きなかったようですが、
他の地域では甚大な被害が!
どうにか早く治まって欲しいものです。。。(-_-;)

しかし、このような状況でも、
仕事の方はコツコツと進めておかねばなりません~。
気を取り直して今日も作業です。

さて、深川製磁お茶碗の金継ぎは次の工程へ。。。


1日しっかり乾かした麦漆は、
ひび割れからはみ出した余分な部分を削ります。


外側も同様に削り削り、、、


ちょっとお口のところに細工を、、、^^


だいたいこんな感じで下処理終了。。。
そして暫くまた室に入れ、
ひび割れ隙間に入った麦漆に湿気を更に吸わせて乾燥させます。


次に、生漆に黒漆を混ぜたものを作って、、、


同じところに塗ります。。。


内側も蒔絵筆で同様に、、、


だいたいこんな感じでしょう。


そして、、、温度調整を考えながら
この器も焼き入れてやります!!^^ 

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:17Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月13日

やっと金継ぎ作業へ入る・・・

やっと金継ぎ作業へ入る・・・

諸々先約案件を終わらせて、やっと金継ぎ作業に入れました。
いろいろ下処理をして次の工程へ。。。


深川製磁のお茶碗は、、、
ひび割れに浸み込んだお汁のシミをふやけさせるため、
暫く水に浸け込んでおりました~。


漆の付着が良くなるように、
ちょっとダイヤモンドヤスリで削って、、、


慎重に削りラインを入れました。。。


内側も同様に削ってやります~。


次に練り小麦をホントにチマッと作って、、、^^


それに漆を混ぜて麦漆を作ります。。。


純テレピン油で希釈した麦漆を、
ひび割れに蒔絵筆で塗って浸透させます~。


外側はこのように。。。



さてさて、こちらのコーヒーカップたち。
やはりダイヤモンドヤスリで調整削り、、、


割れた輪郭の調整も~。


コーヒーカップたちは、漆塗ってから焼き入れてやります!(^^)


基本的には250Wで。。。
1000Wを時折瞬間的に入れてやりながら温度調整。


焼き入りました(^^)/
つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 20:46Comments(0)制作日記漆塗り

2021年08月12日

早くも『龍の尾』来たる・・・

早くも『龍の尾』来たる・・・

急激に大雨時期が到来しました!
昨日からひっきりなしに雨が降り続き、
これから1週間くらいはずっと雨の日になるとの予報です。

そして、早速あの恐ろしい姿が雨雲レーダーに現れました、、、
そうです、私が個人的に名付けている『龍の尾』=線状降水帯です!!

まだお盆前ですよね~。
例年、秋雨前線は9月前半~のはずがちょっと早すぎやしませんか?
なんでこの時期に!?って感じですね~(^^;

昨日たまたまテレビで見たのですが、
どうやら今年は、北半球の上空を流れる偏西風が大きく蛇行しているとのこと。
その関係で、あっつ暑の南の空気と冷たい北の空気がぶつかるエリア、
つまり大雨が降るエリアが、ちょっと早めに日本空域へ顔を出して来ているようなのです。

ひょっとすると、大雨と酷暑の時期がこれから暫くは交互に来るのかもしれません。
もしそうだとしたら、ま~何とも厳しい状況ですね~(;'∀')



 一昨日、朝ジョグ時に撮った曇り空。
 この時の不吉な雲の様相(龍の鱗のような?)が、いまの状況を暗示してましたね。
 ともかく大きな被害が出ないことを願っております!(祈)
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 15:24Comments(0)よもやま話社会つれづれ

2021年08月11日

真夏の植物事情・・・

真夏の植物事情・・・

朝ジョグは、あまりの暑さのため途切れ途切れになっていましたが、
ここまでは何とか継続中であります!(^^;
相変わらずジョグ中の植物観察も~ですね。

昨日は、台風一過の感じとなり、やっと暑さが和らいできました。
朝ジョグもチョイ楽になって足取りも軽かったです。


 浄水緑地のてっぺんでは、、、今年もサルスベリ(百日紅)が満開に!


 美しいピンク色のサルスベリ~♪


 台風の雨粒のおかげで、、、刈られたツツジ~じゃない!サツキも
 緑が濃くなって来ました。


 むしり取られたツルたちも、やっぱり伸びてきますね~^^


 孤独な君も、どこまで伸びるん?(^.^)


 オッと!発見です~。
 こちらの雑木は確かツバキさんだったかと。。。
 この最も暑い時期に、なぜか葉を散らすんですか~。
 しかも散った葉っぱたちはほぼ全て黄色、、、
 なんかツバキさんなりの夏事情があるとですかね~?(^^;)



  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:27Comments(0)よもやま話

2021年08月08日

薄貝をさらに薄く・・・

薄貝をさらに薄く・・・

久々にアワビ薄貝を使った細工を。。。


 まずは材料選びから。
 在庫のアワビ薄貝は、真珠層の模様や色で分別してます。


 今回は、これらの中から特に必要とされる色味のものを20枚ほど選びました。


 そして、細工の細かさや絵柄の具合などから判断し、
 加工に適した厚みになるよう、水研ぎを施して更に薄くしていきます。
 加工前は0.12~0.13mmだったものを0.9~1.0mmへ。。。

 これはもう、感触や曲がり具合を頼りに厚みを判断しますが、
 いつも難しい作業ですね~(^^;


さて、今日で東京オリンピックも閉幕です。

新型コロナウィルスの急激な感染拡大もあって、
微妙な心持ちでオリンピックを見ておりましたが、
選手たちの頑張っている姿は素晴らしいものがありましたね~(^^)

体操日本の若きホープ=高橋選手は、
「メダルの色は関係なく、自分の演技を思い切ってやろう。」という言葉が印象的でした。
結果的には個人総合と鉄棒の2種目で金メダルを得ることとなりましたが、
彼のコメントには、スポーツに対する真摯で謙虚な姿勢が見て取れました。

また、個人総合で銀メダルに終わった中国の肖若騰選手が、
高橋選手が最終演技で自分の点数を上回り逆転優勝を決めた瞬間、
拍手して称えていた・・・ということですが、これは本当に素晴らしいことですね。
真のスポーツマンシップというものは、例え競い合うことであったとしても、
このように互いの努力と技を尊重するものであると思います。

スポーツを通して、国境を越えてお互いを理解・尊重し、
共通認識を得ることが、真の平和にもつながりますね。
オリンピックとはそういうものだと、あらためて認識した次第です。



 ※写真:NHK総合テレビ東京オリンピック 8/7 野球競技「表彰式」より引用
 最後に、野球の甲斐選手。。。
 金メダルということは別にして、彼のプレーやコメントはすごく輝いてましたね~。
 上記のようなスポーツマンシップをいかんなく発揮できていたのではないでしょうか?
 本当に、お・つ・か・れ・さ・ま・・・でした!
 またプロ野球ペナントレースでもよろしく(^.^)
  


2021年08月06日

コツコツと穴開け・・・

コツコツと穴開け・・・

製作の中で、穴開け作業というのも結構やっております。


 この写真のように貝殻へも穴開けします。
 ドリル歯トギトギしながら、、、なかなか硬いですけど、石よりはマシ(^-^;

木材にはこれまで相当やって来ましたが、プラスチック、金属なんかも。。。
穴を開ける時は、部材の形状、硬度、質を考慮して、道具や手順を選択します。

ご存知の方も多いと思いますが、
部材を固定する方法というのもあって、、、
これがまた難しいケースもあるわけです。

「治具」というものがありますね。
加工部材を固定し、加工の誘導もしてくれる器具ですが、
大量生産するときには大変便利なもので、
専用の治具を作って作業効率を上げる、、、という場合も多いかと。

うちでは結構幅広くいろんなものを扱っていますし、
少量や一品ものを作ることが多いので、治具をわざわざ作るようなことはなく、
手で物を押さえることの方が多いような?(^^;

しかし、たとえ手を使う場合であっても、
土台や布当てなどをどうするかは考えて作業しています。

布に水を浸み込ませてその上に加工物を置くと、かなり滑りにくくなるので、
特に貝殻加工する時などには有効な手段として用います。

作業とは、工夫次第で上手く行く。
しかしやり方を一歩誤ると、、、その先には××が待っているのです~!
あな恐ろしや~(>_<)
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:43Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工

2021年08月05日

磨き貝発送・・・

磨き貝発送・・・

本日、磨き貝をお客様の元へ発送。。。
発送前に磨き貝3点を記録写真撮りました~☆


 イナヅマツノヤシくん。
 あらためて撮影してみると、その造形の素晴らしさに感嘆します^^


 違う方向から見ると別物の貝殻に見えます。
 角度を変えてこれだけ印象が変わるというのも特徴的。


 そして白蝶貝の表裏2枚。
 白蝶貝の別名は南洋真珠貝。大きくなる2枚貝ですね。


 広くて厚みがあり、真珠層がたっぷりととれるので、
 細工の材料として使い勝手が良い貝殻です!(^^)/

今回は初めて取り扱うイナヅマツノヤシもあり、
しかも数十年前(100年程前?)の貝殻ということもあって、
研磨や磨きでいつもと違う傾向が出るかも、、、と不安はありましたが、
特に著しい劣化等は見当たらなかったので良かったです。

お盆休みに入る前、オリンピック閉幕での連休などもあり、
もしかすると到着が遅れるかもしれませんが、
割れ物ということもありますし、
ともかく無事にお客様のお手元へ届くことを祈っております!(^^;
   


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:34Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工