2010年09月14日

炭粉作り・・・

炭粉作り・・・

この前の日曜日の話。私は工房で焦りに焦っていた。漆の手法の一つ「蒔き下地」で使う炭粉(すみこ)が見当たらないのだ。

依頼があった品物の見本を土曜日から作っているのだが、生漆で「木固め」した見本板を乾燥後に空研ぎし、さぁ~「蒔き下地」を・・・と思ったら、ない・・・炭粉ちゃんが・・・。

炭粉とは、木炭を粉々にしてパウダー状にしたもの。1年ほど前に作って容器に入れていたが、どうしても見つからず、自宅に連絡して探してもらっても発見されなかった。

スケジュールからいって「これはマズい!!」と思い、あたふたしながら、木炭を探しに、お隣の工房、二間隣の工房へと歩を進めると・・・あった!二間隣の木工房に!バーベキュー用の木炭と・・・立派な樫の木炭が!「どうぞ・・・」ということで頂けることに。本当に感謝。このお返しは必ず・・・。

 早速、炭粉作り開始。

 まず木炭を金づちで石の上で叩いてっと・・・

 ある程度の細かい粉状に・・・

 その後、コーヒーミルでパウダー状にする。(写真撮ってなかった)

 パウダー状の炭粉は密閉容器に。

 うむ、結構な量が出来た。


 そして、蒔き下地作業へ・・・

 生漆を塗って、炭粉を降り掛ける。

乾燥後、水研ぎして下地完成。シンプルだが、結構強度のある、しっかりとした下地。厚みが足りないようなら、もう1回炭粉を振り掛ける。

「蒔き下地」は、小物や複雑な形状に向いている手法。炭粉以外に、細かい砂粒を使う場合もあるのだとか。先達者たちはよく考えたもんだね。


螺鈿・蒔絵 装飾工房『瑞緒』HPはこちらicon100

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:55Comments(0)漆塗り