2022年05月24日

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・

これが最後!と思って塗面に施した摺漆。
だいたい乾いたと思われましたので、いよいよ勝負の呂色磨きへ。。。

本当にこれで終わり~となるのか!?
祈るような気持ちです(^^;

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
まずは、問題なく磨き上げられる底面から、、、

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
やはり底面は上塗りをしっかりして乾燥もバッチリですから
何のトラブルもなく完了~。

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
次は、いよいよ乾きにくくなっていた箱側面。
磨き粉で手磨きしますと、すこ~し乾燥甘いような感じもしますが、、、
何とか磨き上げられそうな雰囲気です!ホッ(^^;

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
やりました~何とか側面を大枠で無事に磨き終わりました。。。

しかし、ここで気づいたことがっ!!

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
呂色磨きの時にこそぎ落とす摺り漆は、
指先にしっかりまとわりつくので都度洗面所に行って洗い落とすのですが、
洗剤と水で流しても何かが表面に残っている感じで、手が結構ベタベタに!!
その感触は、、、溶けた膠が手に付いた時の状態とそっくり。

しかも、ドライヤーの冷風で乾かすと手がすぐサラッとします。
お湯を使った方が残留感はないということも分かり~これはいったい。。。(・_・;)

やはり三段箱の塗面には、経年変化で劣化した膠が
けっこう混じっているのではないでしょうか!?

もう想像の域は越えませんが、この三段箱を塗った職人さんは、
螺鈿を貼る時などで膠を結構使い、漆を上塗りした時に
その膠が溶け出して混じってしまった、、、という推測です。

今回の最終呂色磨きでも、やはりカチッと摺り漆が硬く乾いていない。
なんかちょっとした粘り感が最後まで抜けきれませんでした。
やはり状況をよく考えると、膠という線が一番当たっている気がしてなりません。

【推論】
もしかすると、摺り漆の漆成分自体は乾燥(硬化)しているかもしれません。
しかし、その摺り漆に既存塗面の古い膠が下から溶け出してきていたとすれば、
その混じってしまった膠が湿気(水分)でふやけて一見乾いていないように見える、、、
そういうことではないかと考えた次第です。

ただ、既存塗面は繰り返し摺り漆が施され、
さすがに漆がだいぶ浸透して強化されています。
また、最後は比較的速乾であった赤呂色で摺り漆されていますし、
膠が溶け出す量も少なくなって来ていたのだと想像されます。
だから最終段階に至っては、何とか摺り漆が大枠で乾いてくれた、、、

以上のように、自分なりの推論を立ててみましたが、
本当のところはどうなんでしょうね。
当たっていれば良いのですが!(>_<)

ともかく最終的には、完璧とはいかないまでも、
何とか磨き仕上げまで至れたことに安堵です(^^;


螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
最終呂色磨きで苦労した部位があります。。。
それはネジ周辺であります!ここは磨きにくかった(^_^;)

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
さすがにここは指が入らないので、キャノーラ油や当てゴムの力も借ります。
ゴムにカット綿を薄く絡ませ、油を混ぜた磨き粉を付けて
エッジを効かせながら、ネジ周辺に付いた摺り漆をこそぎ落としながら磨きます。

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
すこ~し際に摺り漆が残りますが、、、
このくらいになれば良しとしましょう。

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
上蓋も磨き上がりました。
ちょっと磨きムラもありますが、
やるだけのことはやった感があります。。。

古い漆塗りの摺り漆と呂色磨きは難しい、、、と
今回ベテランの塗師さんから教わりました。

螺鈿三段箱の修理㉗ 呂色磨き・・・
特に今回の品物は特殊な条件ではありましたし、
確定的な段階まで結論は出ませんでしたが、
これも非常に良い経験になったと思います。

さて、これから最後の最後、
組み上げの作業が待っております。

つづく。。。




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この記事へのコメント
磨き面、鏡面状態で美しいです。やっばり、黒色の中に浮かぶ螺鈿は美しいなあ。
Posted by H.W at 2022年05月25日 09:04
H.Wさま

そうですね!鏡面に仕上がって来る時は、これまでの苦労が報われた気持ちになりますし、、、黒漆に螺鈿が映えて来ますね~(^^)/
Posted by 瑞緒(ミズオ)瑞緒(ミズオ) at 2022年05月28日 22:14
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