2023年01月02日

2023年 仕事始め・・・

2023年 仕事始め・・・

今日はちょっと早めに2023年仕事始めです。
今年は、初っ端に鞘塗りの黒漆中塗りを致しました。


日本刀はそもそも武具ではありますが、
現在は人の英知が造り出した「美術品」として、
研ぎ澄まされた精神性のある存在、
心を鍛える存在としての価値があるものであると考えます。

決して人を傷つける存在であってはいけません。
『刀は鞘に納めよ』これが私の鞘塗り制作に向き合う姿勢です(^.^)


昨年末に鐺がハマる部分の造作をしておりましたが、、、


錆固めが終わってからの最終確認。


ピタッとハマるようですね~良かった(^^)


さて、研ぎを入れまして、、、


黒漆で塗りましょう。。。


スキっと塗れました~。暫く箱ムロの中に納まっといて下さいね。。。(^.^)


またコツコツと今年もやって行きましょ~。
そして何事も行動は早めにね(^^;  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 13:30Comments(0)制作日記漆塗り鞘塗り

2023年01月01日

2023年 新年のご挨拶・・・

2023年 新年のご挨拶・・・

新年明けましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます


元日恒例の朝ジョグに行って参りました。
今朝はこの時期にしては暖かく、雲はだいぶ広がっておりましたが
そのわずかな隙間からお日様の素晴らしい輝きを拝むことが出来ました(^^)/


展望台から北側の市街地を眺めますと、
日差しを受けた街並みが印象的でした。
今の暗い世情の中に差し込む希望の光を思わせる風景でしたね~(^.^)


さて、工房運営において恒例となっている今年の目標漢字一字ですが、
今年は「行」ということに致しました。

昨年は「動」という字を目標としまして、
様々な方面へ活発に動くよう努めるつもりでしたが、、、
思った以上に活動的になれず、目新しい動きはそれ程なく、
動画はやってみましたがまだまだな感じで、
ご依頼品も遅々として進まず、、、、、と、
反省ばかりの大変残念な結果に終わりました(・_・;)

もうこのままでは、ただ年を重ねて終わってしまうことに繋がりかねません!
そういう危機感を持ちましたので、思い切り良くまず行こう!という心づもりで、
「行」という漢字を目標にした次第です。

「行動」という熟語がありますね。
「行」という字が「動」の前に来ることでより積極的に、、、
今年こそ打って出るくらいの覚悟、行動力でやって行こうと思います。

また、行うこと、行ったことに責任を持つことも大切。
結果重視で行きたいとも考えております(^.^)

自分のことでお恥ずかしいですが、
今年は55歳ということで、ゴーゴーであります。
*駄洒落か、、、でも、もう行くしかないですね~(^^;



いつもの朝ジョグで向かう浄水緑地の頂上には、、、
朝日を浴びたベンチの上に沢山の松ぼっくりが!
どなたかが拾い集めて置いたのでしょうが、、、
何らかの意志の元になされた行動の表れと私には映りました。
行動は誰かに影響を与える、、、ということでもありますね。



帰路の道すがら、浄水教会では
新たな植え込みの中に映えるマリア様も。。。
この一年がより平和になりますように。

2023年もどうぞよろしくお願い申し上げます!  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:45Comments(0)制作日記

2022年12月30日

2022年 仕事納め・・・

2022年 仕事納め・・・

今日が今年の仕事納めです。

もう少し進めておきたいことが幾つもありましたが、
ここら辺で今年も終わりとします~。


今年もお世話になった道具たち。。。
アワビ薄貝と一緒に記念パチリしときましょう(^.^)

この一年、色々な作業をしましたが、
なかなか遅々として進まず、、、
ご迷惑をおかけしたご依頼品も多々ありました(^^;

しかしながら、勉強になることも沢山ありましたね。
今年一年をかけて得た経験を、また来年に活かしたいと思います。

本年中の当ブログをご覧頂きましてありがとうございました!
2023年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:03Comments(2)制作日記

2022年12月26日

2022年 糸島工房納め・・・

2022年 糸島工房納め・・・

本日は糸島の工房納め。
例年はもう少し年の瀬に近い日で納めとするのですが、
今年はちょっと早めの26日に。

そして、本日は作業などはせず、、、
ただひたすらお掃除と野良仕事にいそしんだのでした(^^;


スマホ長尺画面サイズで切り株くんをパチリ。
掛け軸のようになっとるよ、切り株くん!(^.^)


もうビフォー状態はとても写せないくらいの
凄くヤバい状態になっていたドアガラスを、
スクィージーでピシャリピカピカに!

全てのドアガラス、窓ガラスが奇麗になり、
これで気持ち良く年を越せます(^^)


当工房の溝さらい、、、また別方面を実行致しましたが、
とても今日一日で終わるレベルの量ではなく、
つづきは来年に持ち越しです(~_~;)


いろいろやって日が暮れて、、、
今年も糸島工房お疲れ様でした!
そしてありがとうございました。

☆今年の仕事納めではありません~。
 まだ仕事は残っておりますので(^^;

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:02Comments(0)制作日記

2022年12月25日

鞘塗り試作⑤ 螺鈿試作完了・・・

鞘塗り試作⑤ 螺鈿試作完了・・・

新作鞘塗りの試作は、螺鈿のテストがほぼ完了。

試作ですので製作レベルは下げておりますが、
諸々よく確認出来まして、だいぶ安心して本番が迎えられそうです。


今回の螺鈿試作は、青貝粉蒔きの密度や、
絵柄の螺鈿裏側に塗った裏彩色の立ち具合が主たる目的。


斜めから見て、、、うん、ホドホドに絵柄が目立って大丈夫そうですね。

青貝粉と共に、梨子地粉蒔きで城山三峰の試作も行いましたが、
こちらも本番に向けて大体の知見を得ました。


正面から絵柄螺鈿を見ますと、
裏彩色の印象は薄れて真珠層が目立って来ます。

次は蒔絵のテスト(兼練習)となりますが、、、
先行して行った城山三峰とは技法が異なる「高蒔絵」の試作となります。
引き続き本番へ向けて確認、カクニンです(^^;

つづく。。。



さて、こちらは年末に入荷した別件の鞘です。


切粉地付けが完了し、生漆で固める作業を。

少し早めに進めている次第でして、
年末にかけてだいぶ進めておきたいところです。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:50Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り

2022年12月22日

螺鈿硯箱の修理⑯ 完成・・・

螺鈿硯箱の修理⑯ 完成・・・

長期間を要した螺鈿硯箱の修理が完了しました。
所々中断を挟みながら、ようやく完成した次第です。

☆本日夕方発送~明後日のクリスマスイブにお客様の元へ届く予定です。


完成した様子です。
まずは斜め右方向から。


左斜め方向より。


蓋=上面の様子。


引き出しの付いた正面の様子です。
苦労したお花=No.4グループの螺鈿も
何とかここまで出来上がりました。。。


左側面です。


右側面です。

その昔、最初の製作において膠で接着されたこと、
そして、一旦何らかの接着剤が使われた補修が入ったことが、
今回の修理に苦労した要因となりました。

欠損螺鈿も大小様々あり、
色味や輝きの合わせに腐心しましたし、
経年変化の表現や、修理の過程で欠損や劣化した毛打ち=金線の補修も
この2週間ほどで工夫しながら対処した次第です。


お花螺鈿の毛打ち=金蒔絵の輪郭線補修の様子です。


金消し粉を蒔いて、、、


プチプチと穴を開けて、、、経年変化=エイジング表現を。
やはり、こういう手間をかけないと、
新しく補完したものは既存の様子に馴染みませんもんね(^^;

修理した螺鈿や金線は、全て仕上げの段階でエイジング加工を施しました。


修理前の一枚=お花螺鈿。
過去の修理で違う場所に貼られていた螺鈿もあり、
もう大変な状況でしたが、、、(^^;


これでやっと納品となります。
お客様がご満足頂けるよう願うばかりですが、
出来る得る限りのことはさせて頂いたと思います。

あとは無事にお客様の元へ届きますように。
(冬将軍が来ておりますので)

ご依頼、誠にありがとうございました!
良いクリスマスを!

☆鮮明な修理完成画像をご覧になる場合は
 当工房アメブロへ⇒icon100








  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 11:56Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年12月17日

螺鈿硯箱の修理⑮ 螺鈿表面削りと磨き・・・

螺鈿硯箱の修理⑮ 螺鈿表面削りと磨き・・・

螺鈿硯箱の修理は、いよいよ最終段階へ入りつつあります。

螺鈿自体の再接着、補完が完了し、
これからは表面的な仕立てがメインとなります。


全体の色調を合わせるため、表面に付着した摺り漆や汚れ、
僅かに残っていると思われる膠をカッターで慎重に削り落とします。

毛打ちの金線や特徴的な幾つかの汚れは残しながらの作業になりますので、
たいへん気を使いますし、時間も数日を要しました(^^;


難しいNo.4の螺鈿も、、、


茶色の表面が削られて、白くなりました。



次に、傷などをわざと付けるエイジング処理を。
補完した新しい螺鈿に、ニードルと定規を使って
既存螺鈿から続く直線的な深い傷を入れます。


こちらはフリーハンドで、ランダムに入った傷を入れますが、、、
ともかく既存螺鈿に似せてやることが肝要です。


そして、、、胴擦り粉と綿棒を使って表面を磨きます。
膠らしき付着物も、最後にはこそぎ落とされてクリヤーになりました。

毛打ちの金線が思いの外強く付着しており、
摩耗せずに残り気味となり、作業しやすく助かりました(^-^;


最後は指にも胴擦り粉を僅かに付けて、
螺鈿を全体的に優しくなでるように磨き、表面処理が完了。

次の工程は、毛打ち(金線)の補修となります。
これからいよいよ仕上げ感が出て来る段階に入り、
徐々に苦労が報われた感じになって来ますね。

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:53Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工修理

2022年12月15日

鞘塗り試作④ 試作の螺鈿貼り・・・

鞘塗り試作④ 試作の螺鈿貼り・・・

本番製作と同時進行で試作も進めている日本刀鞘塗り。

他ご依頼品の合間を縫って進めているところですが、
螺鈿の裏色もほぼ決まって来ました。


梅は濃い紫、波・泡は濃い青。
それぞれ調整した色味ですが、
決まるまでにだいぶ時間を要しました。


青貝粉の試し蒔き。
海の煌めきと城山三峰の表現。
螺鈿の光る方向がランダムなので、
ちょっと多めに蒔いておりますが、果たして!?

曲面である鞘に螺鈿細工を貼る場合は、
けっこう想定外の問題が起きることもありまして、
このように試作をすることが多いです。

本番用の準備も進めており、
試作で時間がかかっている分を取り戻さないといけません。

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 22:32Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り鞘塗り

2022年12月13日

螺鈿硯箱の修理⑭ 継ぎ目&縁埋め・・・

螺鈿硯箱の修理⑭ 継ぎ目&縁埋め・・・

硯箱の螺鈿修理は日々こつこつと。。。

螺鈿は全て貼り終わり、
これからの仕上げ作業がまた勝負どころであります。


螺鈿貼り付け後の初期乾燥も終わり、
いよいよ仕上げの工程へ入って行きます。


まずは継ぎ目埋めの作業から。。。
継ぎ目が目立たなくなるよう白漆で埋めて行き、、、


綿棒などを使って拭き取ります。。。


こちら一番大変なNo.4グループ。
小まめに地道に白漆を擦り込んで行き、、、


丁寧に拭き取って行きます。。。

この継ぎ目埋めは繰り返す必要がありそうですが、
とりあえすは乾燥を完了させ、次は縁埋め作業を実施。


既存螺鈿の縁(際)は、螺鈿の角が立たないよう
どうやら漆パテ(錆)を擦り込ませ、ガードしてあったようです。


錆を作って縁を埋めて行きます、、、


指で一旦擦り込んでから、、、


綿棒で拭き取り、、、


最後も指を使って、螺鈿の縁や木地周辺に
錆を馴染ませる仕上げを。。。


後々補修は必要かもしれませんが、
まずは既存の様子と似通っているので良しとします!


こういう角もしっかりやっておかないと、、、


研いだ後に錆を馴染ませて。。。


全ての縁埋め作業が完了したところで、、、
ん!?補修した螺鈿の光り方に違和感あり。
躊躇なく取り外しに掛かります。。。


はい、やり直しですね!

引き続き仕上げに向けて、日々こつこつ作業を。

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:00Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年12月12日

籃胎漆器お弁当重箱の納品・・・

籃胎漆器お弁当重箱の納品・・・

籃胎漆器お弁当重箱が完成しまして、本日納品であります。
☆ビフォーアフターもご覧下さい(^.^)


アフタ~全体像。


斜め上からパチリ。


結局、、、竹編みのところも全て漆浸み込ませました。
ポロポロ状態でしたので。。。

内側だけ修理しても、結局外側から崩れ出したら
折角の修理が何にもなりません。


摺り漆が剥げたところも、所々補修。


箱を展開した様子。。。



蓋内側のビフォー。
こうして振り返りますと、凄い状態でしたね(・_・;)


小口などの修理前状態。。。
バキバキです(^^;


あ~やっとこれで納品ですね。
年末年始でよろしくご活用を!(^.^)


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 12:58Comments(2)制作日記漆塗り修理

2022年12月07日

螺鈿硯箱の修理⑬ 螺鈿貼り付け本番・・・

螺鈿硯箱の修理⑬ 螺鈿貼り付け本番・・・

硯箱に塗った白漆が、
21時間経ってようやく半乾きになりました。

いよいよ貼り付け本番~慎重に螺鈿を接着です。。。


端材にも塗っていた白漆が、
ようやくペッタンとする感じになり、、、


螺鈿の切れ端も貼ってみて確認し、、、


葉っぱ螺鈿パーツをピンセットで慎重に置きます。。。


葉っぱ先端のちっちゃな螺鈿も置いてから、
指でしっかりと圧着、、、


綿棒も使って細目にしごきます。。。


際にはみ出過ぎの白漆を拭き取って、、、


完了~良い感じです。

これで第1弾のパーツ貼付けはOK。
他のパーツもこの調子でやって行きましょう。

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 14:37Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年12月06日

螺鈿硯箱の修理⑫ 螺鈿貼り付け・・・

螺鈿硯箱の修理⑫ 螺鈿貼り付け・・・

螺鈿硯箱の修理作業は、
これから接着する螺鈿の裏側に塗った漆(裏彩色)が
5日程経ってようやく乾いて来ましたので、
いよいよ螺鈿貼り付けを行うことに。。。


まずは、先行分の一ヵ所を。
先に貼っておくと、他の面の螺鈿貼付がしやすくなりますので、
まずはこの葉っぱ螺鈿を貼ることに。。。
接着用の白漆を均等に大枠でヘラ付けして行きます。

前回も書きましたが、この白漆は本当に粘り気が強く
平筆では平滑に塗れないものですから、ここは小ヘラを使用です。

また、このような螺鈿接着においては
呂瀬漆という生漆と黒漆を半々に混ぜたものを通常使いますが、
今回は出来るだけ白色を立たせたいので、
あえて螺鈿の裏彩色に使ったのと同じ白漆を使うことにしました。


ヘラ付けでは対応できない貼付箇所の縁は、、、
このように蒔絵筆で丁寧に塗ります。


さて、この先行分として塗った白漆、
乾燥するのにかなり時間がかかるのですが、
この前に裏彩色で塗った時、半乾きになるタイミングが約10時間。


そして、ようやく5日経ってほぼベト付きが無くなりました。

しかし、ここ数日更に寒くなってきました。
ということは、接着するタイミング=半乾き状態になるのは更に遅くなる可能性が!
たぶん14~16時間ほどではないかと見ていますが、果たして、、、(・_・;)

つづく。。。

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:32Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年12月04日

能管頭金の再製作② 真鍮ベース加工・・・

能管頭金の再製作② 真鍮ベース加工・・・

新しく作り直している能管(笛)の頭金。
他の仕事もしながら、まずは真鍮ベースを突貫で完成させました。

やはり金属加工というのは、
本職でなく慣れてない者にとっては手がかかるもの(^^;


最初のマーキングが終わったところから、、、
ダイヤモンド糸鋸でザクザクと切れ目を入れて行きます。


第1カットOK!


カット面をヤスリがけ、、、


ペーパーがけも。。。


突起用のマーキング~


そしてまたカット作業を再開~


断面にも切れ込み入れて行きます。。。


第2カットOK!


そして更に切れ込みをば、、、


第3カットOK!


そして最後=突起側面のマーキング~


2種類のニードルでゴリゴリと穴開け~


ひたすらゴリゴリと、、、


一旦貫通しました。。。


ここからはさすがに機械の手を借りて~(^^;


大枠の加工完了!
ん!?何か見たことあるような、、、


凱旋門!!(;'∀')


さらに突起の頭を削って図面の形状に仕立てます。。。


これでようやく完成!!


何と言いますか、、、う~む工程多し(-_-;)


これで真鍮ベースは出来上がりました。
あとは少し先になりそうですが、
フクロウ絵柄の夜光貝彫刻プレートを作製します。

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 18:33Comments(0)制作日記楽器装飾

2022年12月02日

能管頭金の再製作① 図面作成と準備・・・

能管頭金の再製作① 図面作成と準備・・・

9年程前に能管(笛)の頭金(かしらがね)をご依頼頂いたお客様から、
装飾部が傷んで来たということで先月下旬にお問い合わせがあり、
頭金を新たに作り直すこととなりました。

先週から準備に着手しておりますが、
他ご依頼案件と並行して、今月から製作開始です。


前回作った時とサイズは同じ。
その時に割り出した修正値を図面に落とし込み、
尚且つ新しい仕様に対応するようフクロウの図案も少し簡素化。

それでも相当細かい絵柄ですので、
果たしてこのように再現できるか微妙!
テストと修正が必要となりそうです(^^;


数日前に注文先から材料の真鍮が届いたとの連絡アリ!
本日、博多方面へ取りに行きました。


真鍮はベース金具として。。。
金具表面に取り付けるフクロウパーツは
夜光貝の薄板で表現する予定です。


真鍮に加工基準ラインを入れます。。。


テープを加工幅にカットして真鍮棒に貼り付け
テープ目に沿って加工ラインに刃を入れて行きます。。。


この1.75mmという細い幅は、
頭金のベース厚みとなりますので、特に正確に!


基準ラインマーキング完了。

まずは真っ二つにカットして、、、
一つは予備として取っておき、もう一つを本番用として加工。

金属加工は慣れないので、
前回なかなか苦労した工作だったように記憶しておりますが、
今回は果たして!?(^^;

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:55Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工楽器装飾

2022年11月30日

螺鈿硯箱の修理⑪ 欠損螺鈿の裏彩色・・・

螺鈿硯箱の修理⑪ 欠損螺鈿の裏彩色・・・

かなり時間を要している螺鈿硯箱の修理。。。
今年中には何とか納めたいと考えております。

先週は、非常に細かい部分は除いて
欠損螺鈿のほぼ全てが出来上がり、
先日、ようやく螺鈿の裏色塗り=裏彩色を行いました。


欠損螺鈿を全て嵌め込んで仮組みした様子。


このような小さいパーツを作るのも、中々苦労しました。
組むときの微調整も大変でしたが、大切なパーツたちです。


No.4グループも仮組みです。


この秋草の葉っぱがラスト製作パーツ。
色味や輝き具合にこだわった結果、こちらも結局3つ作ることに(^-^;


この薄貝からは多くのパーツがトリミング出来ました!
ありがとう!と言いましょう(^.^)



さて、仮組みしたものも含め、全パーツが揃ったところで、、、


全部裏返してフィルムに仮固定。。。


調合白漆で裏彩色スタート!


調合白漆は、わざと固練りの状態に。
トロリ状態ですと、継いだところから裏側に
どんどん浸透して行きますからね!(^^;

筆を走らせますと、粘り気があるので最初はかすれますが、
もっちりとした感じなので隙間への浸透は防げます。


平筆塗りした後、継ぎ目に漆が入って行かない所は
蒔絵筆で少し塗り込みます~。但し、たっぷり塗りは禁物。


苦労したNo.4グループも。。。
ここまで来るのは本当に長かったですね(^.^)


裏塗り完了です。
色味の濃い目変化を防ぐため、
数日間~1週間をかけて乾燥はゆっくりと、、、現在も乾燥中です。

これからがまた勝負どころですが、、、
本件終盤戦は12月へとつづく。。。


さて、今日で秋も終わって今年も残すところあと1ヶ月。
この秋は、美しい自然の風景や実りを享受することも多かったように思います。


時には非情な一面を見せる自然ですが、
このように人間との調和が現れた風景を見つけますと、
なんかホッとさせられる気がしますね(^^)
☆かつて火口であったと思わる池の前に建てられた鳥居です。

自然と人間のみならず、人間同士も厳しい局面はいつも現れます。
なんとか乗り越えて行きましょう♪

♪Make You Feel My Love / Adele【洋楽 和訳】アデル *ボブ・ディランカバー




  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 19:00Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年11月26日

二日連続の塗装作業・・・

二日連続の塗装作業・・・

昨日は粕屋の叔母からヘルプあり!で、
叔母宅玄関扉のリペアです。

そして本日は糸島の工房で、急遽ご依頼案件を。
塗装は準備9割、本番1割(^^;


叔母宅玄関扉ビフォ~。

叔母宅と言いましても、私が生まれた年に建った家。
そして生まれたての私が数年住んだ家でもあります。
55歳っていうことで、それは色々と傷みますわね~(・_・;)


相当劣化が進んでおりますね、、、
我がことのように感じます(^^;


研ぎ~清掃~ステイン~乾燥~マスキング
~下吹き~本吹き~乾燥、という工程。

ホームセンターで売ってる和信ウレタンクリヤースプレー缶も使い
応急処置であります!(^^;


今朝方に叔母から送られてきた写真。
ま~これで何年かは保てるでしょう。



さて、本日は糸島工房へ!
切り株くん、もうちょいで冬ですよ('_')


こちらでも塗装ということで、
片付けと清掃~であります('◇')ゞ


こちらの作業台も片付けて、、、
どこで何がくっついてくるかも~ですから、
ともかく塗装室以外もキレイ目に、
そしてホコリも出来るだけ除去。


塗装ブースも当然キレイに。
見た目は悪いですが、掃除機と雑巾がけを結構しとります。

繰り返しますが、、、ともかく塗装は準備9割、本番1割(^^;


全体像は写せませんが、、、長尺ものゴールド塗装完了!
久々の塗装作業でしたが、何とかホコリは大丈夫でした(;'∀')


あ~一息ついてまたちょいと外を眺めますと、、、
ホント冬がそこまで来てる感があります。


この前のカット後に山積みして作ってしまった大笹竹山、、、
残りの時間を使って少し処置することに。。。
積み上げたところから多少持って来て、、、


上の置き場へ持って行ったりするため枝の切り落とし。
う~む、このコラボレーションはスゴか!
二重帝国のパワーを見せつけられます(^^;


あ~いろいろやって日が暮れて、、、疲れ果てました~。
今晩はよく眠れそうですね(^-^;

  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 23:27Comments(0)制作日記塗装修理

2022年11月23日

螺鈿硯箱の修理⑩ 欠損螺鈿の製作その2・・・

螺鈿硯箱の修理⑩ 欠損螺鈿の製作その2・・・

欠損部の螺鈿パーツ製作に入っている螺鈿硯箱。。。

大小様々な形が失われており、数も結構多いため、
思った以上に時間がかかっております(^^;


小さいパーツ製作の様子です。
爪を少し湾曲させた形にカットし、、、


このように爪でガッチリとパーツを押えて削り、微調整。


補完パーツと欠損部の形をよく比較しつつ、何度も微調整した結果、、、、、


やっとピタッとハマりました。



上蓋天面の欠損部は全て完了!
次なる箇所は、、、最大の難関=箱正面のNo.4グループです(^^;

やはり、、、ここは特徴ある模様であるためか、
輝きや色味が合うものが中々見つかりません!
またしても数百枚の材の中から探すこととなりました~(^^;


何とか3枚の候補を選び出し、2パーツを作ってみましたが、、、
その内の一つが、だいぶ納得できるものとなりました。


収まりがわずかに悪いので、早速微調整。
直線部分ではみ出たところもカット目を入れて、、、


ヤスリます。。。


ここもピタッとOK!


しかし最大の難所が次に待ってました!
この上部パーツ、、、周囲の既存螺鈿は濁っている材が使われておりますが、
この輝きの無い濁り部分というのは、真珠層との絡み方が実に様々で
薄貝によって様相がかなり違っております。

従って、200枚程度の在庫があったとしても、
似たものを見つけるのことはほぼ不可能なのであります!(;'∀')

しかし、出来る限りのことはしたい、、、ということで、
ある程度似た雰囲気の濁り材を6枚程ピックアップし、
作っては確認~を繰り返した結果、、、


結局、同じ形状を4つ作ることになってしまいました!(^^;
しかし、最後に作ったパーツ(写真にて欠損部にハマっている螺鈿)は、
許容範囲の仕上がりになるものと期待しております。


さて、最大の難関を何とか乗り越えて、
あとは中小パーツを6点程作れば補完は完了となります。
もうひと踏ん張りしましょう!

つづく。。。
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 17:40Comments(0)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工修理

2022年11月20日

糸島工房でのシビアな野良仕事・・・

糸島工房でのシビアな野良仕事・・・

今日は塗装室整備のため糸島工房へ。。。
しかし、またしても野良仕事に時間がかかってしまったのでした!
しかも、今回はまたは相当シビアな労苦に~(;'∀')


もうすぐ冬ですよ、切り株くん。


まあまあどんよりした曇り空ですが、、、けっこう暖かい。

塗装の仕事が入る予定になったので、
まずは塗装室の片付け、清掃を行いました。


塗装室整備は早々に終えましたが、、、
時間が余ったので前回来た時にやった溝さらいの続きを敢行!!
水が溜まってたところをしっかりせき止め、土をかき出します!


どんどん山が大きくなっていきます~。
土が水をかなり吸ってるので、腕と腰がしんどい!(;'∀')


土かき出し完了!!
相当な量かき出しました~やり切った感あります(^^;


せき止めダム開放!
開通した用水路、、、もとい!排水路に放流開始!!


あ~流れて行きます。。。これで来年の大雨の備えになることでしょう、たぶん(^^;

しかし、これで野良仕事が終わったわけではなかった、、、
写真を撮る気力を全て奪われるほど、
工房建屋に迫り、そして絡みついていた
大笹竹&つる草2重帝国との攻防がこの後に待っているとは、、、(;'∀')
長径5m高さ2mほどの大笹竹山を築き上げる破目となったのでした。

明日以降の筋肉痛が怖いです(^^;
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 21:50Comments(0)制作日記

2022年11月19日

螺鈿硯箱の修理⑨ 欠損螺鈿の製作・・・

螺鈿硯箱の修理⑨ 欠損螺鈿の製作・・・

11月に入ってから進めていた螺鈿硯箱修理の模様を
ここで一旦まとめてご紹介。。。

東京出張から戻って、諸々他のご依頼も入って来ておりましたので
本件もその合間で少しずつ進めておりましたが、、、


まずは今月頭の話~螺鈿が欠けたところを詳細に確認。
ピンセットで指し示した先などは、螺鈿が直線的に継いであるラインですね。
大きな絵柄ですので、ここは薄貝を継いだのでしょう。


アワビ薄貝が使われておりますが、、、特に大きい欠損パーツでは
在庫の薄貝を何十枚も当てて、模様や色味が近いものを選びます。

硯箱を元々製作された人が、どのような薄貝を使ったのか、
もしくはどのような作り方をしたのかを読み取りながら材を選んでいきます。

既存の螺鈿(薄貝)は、厚みが所々マチマチで、
厚い所では0.15mm、薄い所では在庫の厚目タイプと近い0.12mm程と分かりました。

従って、補完用としては全て厚目タイプを使うこととし、
厚みが足らない箇所については、裏色を重層して対応することになりそうです。
これは手間ですが、怠ると違和感(差異)が出過ぎてよろしくない感じになります。


次に、欠損箇所に透明フィルムを当ててトレース(型取り)をします。

可能な限り隙間が出来ないよう既存螺鈿と補完螺鈿を継がないといけませんので、
このように正確なライン取りが必要になります。



裏色については、もうずいぶん前に作っておいたものを再確認しました。

既存螺鈿の表面は、何層にも摺り漆を施してあることと、
積年の汚れが付着した為か、しっかり茶褐色になっております(^^;

既存螺鈿は、水を使用して剥がした際に
一部の表面はふやけて取れてしまい斑になっている箇所があります。


また、準備している裏色がどうしても濃い目になるため、
ここは既存の茶褐色の様子に似せた仕上がりにするためにも
蒔絵金線以外の螺鈿表面を一旦除去し、摺り漆を薄めにし直すことにしております。
(*写真下の葉螺鈿は表面除去をした状態)

この除去には相当手間がかかりそうですが、
補完分を含めた全体の螺鈿色調を揃えたり、
統一感のある違和感の無い仕上がりにするには必要な作業となりそうです。


以上、かなり細かい作業工程も想定しつつ
ともかく補完螺鈿パーツの加工を開始しました。


最初は小さなパーツから!
トレースに基づいて加工します。
形状もこのように削って調整しながら、、、


合わせます~微妙!本当に微妙です(^_^;)


こちらはかなり小さい部分を補完しましたが、、、
さて、どこを継いでるでしょうか(^.^)


先週は大物のパーツ補完に取り組みました。
上蓋のメイン螺鈿ですね。


やはり、ここは相当難しかった!
何と言いましても材料選びが難しい。
200枚くらいの中から一番合うものをやっとこさ見つけ、、、


トレース通りにキッチリと刃を入れます。
予備がないものと考え、一発勝負であります!(>_<)
※一応2番手は用意しておりますが(^^;


慎重に切り離し、、、


本体と合わせましたが、、、今のところはOKでしょうか(^^;
この先の作業で、また緊張の連続ではあります。


現在もこのような補完作業に邁進中、、、

つづく。。。


  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 16:36Comments(2)制作日記螺鈿(らでん)・貝細工漆塗り修理

2022年11月17日

籃胎漆器の修理⑩ 黒漆小口塗り・・・

籃胎漆器の修理⑩ 黒漆小口塗り・・・

籃胎漆器お弁当重箱、やっと昨日が最後の作業となりました。
小口を黒漆で塗って終了です(たぶん~汗)。


ヘラで漆を配って、、、


今回はナイロン小平筆で均します。
朱漆との際は丁寧に塗り分けを。。。
時間がかかりますが、この塗り分けが一番の肝です(^^;


周囲のハミ出した黒漆は、、、
やはり綿棒でスキっと拭き取りです。


作業終了!

この塗り立て黒漆(艶アリ)は乾燥するのに3日間かかりまして、
現在じっくりと室で乾燥させてます。

あ~これまで長かったですが、
ナンとかやり終えた感ありますね(^.^)

しかしこれでホントに「完」となるのか~(^^;
もう少しつづく?
  


Posted by 瑞緒(ミズオ) at 13:45Comments(2)制作日記漆塗り修理