2023年09月16日
琵琶螺鈿修理② 白蝶貝加工・・・
琵琶螺鈿修理② 白蝶貝加工・・・
夏の終わりにお預かりした古い琵琶。
こちらは白蝶貝で作られた螺鈿の修理を行いますが、、、
諸々の事情あって作業スペースを確保する必要があり、
先行して修理を行うことに。。。

まずは欠損部分のトレースから。
紙を当てて鉛筆でなぞります。。。

こちらも同じく。。。

覆手前板裏面に付いている固定薄板(爪)の螺鈿も、、、

しっかりと採寸です。。。

これで採寸が完了しました。

次にフィルムにトレースして、、、

材料選びです。。。
ちょっと多い!選ぶのに苦労しました(^^;

まずは爪の螺鈿から、形を写し取って輪郭加工。。。
擦り板とヤスリ、そして水を使います。

他のパーツも大枠で加工~OK!

その次は厚み加工。。。
ここは一工夫~~~両面テープで留めて、、、

ダイヤモンド砥石に押し付けながらスリスリと。。。

厚みも計りながら、、、OK、、、
いやっ!!削り過ぎました~(^^;
1.2mm厚にしたかったところを1.0mmに。。。
やり直しです(~_~;)
さて、ここからが時間がかかりました。
現物合わせで欠損部の凹み、継ぎ目に合わせる必要があり、
精度がハンパなく求められる作業が続き、、、

4時間以上の作業の後に、ようやく補完パーツが完成!!
この4パーツだけ(+やり損じ2パーツ)で4時間以上とは、、、
複雑な形状もありましたので、ピタッと合わせるには
当然と言えば当然でしょうか。。。
現物合わせの難しさを、今回もしっかり味わったのでした(^^;

こちら糸巻接合部右側は、、、

こんな感じで。。。

左側も、、、

このように。。。

覆手前板裏面の固定薄板(爪)も、、、

ピッタリと。。。
さぁ~この突貫作業で螺鈿加工が完了しました。
次は割れた覆手前板螺鈿の接合と、、、
膠による補完螺鈿の接着であります。
つづく。。。
夏の終わりにお預かりした古い琵琶。
こちらは白蝶貝で作られた螺鈿の修理を行いますが、、、
諸々の事情あって作業スペースを確保する必要があり、
先行して修理を行うことに。。。
まずは欠損部分のトレースから。
紙を当てて鉛筆でなぞります。。。
こちらも同じく。。。
覆手前板裏面に付いている固定薄板(爪)の螺鈿も、、、
しっかりと採寸です。。。
これで採寸が完了しました。
次にフィルムにトレースして、、、
材料選びです。。。
ちょっと多い!選ぶのに苦労しました(^^;
まずは爪の螺鈿から、形を写し取って輪郭加工。。。
擦り板とヤスリ、そして水を使います。
他のパーツも大枠で加工~OK!
その次は厚み加工。。。
ここは一工夫~~~両面テープで留めて、、、
ダイヤモンド砥石に押し付けながらスリスリと。。。
厚みも計りながら、、、OK、、、
いやっ!!削り過ぎました~(^^;
1.2mm厚にしたかったところを1.0mmに。。。
やり直しです(~_~;)
さて、ここからが時間がかかりました。
現物合わせで欠損部の凹み、継ぎ目に合わせる必要があり、
精度がハンパなく求められる作業が続き、、、
4時間以上の作業の後に、ようやく補完パーツが完成!!
この4パーツだけ(+やり損じ2パーツ)で4時間以上とは、、、
複雑な形状もありましたので、ピタッと合わせるには
当然と言えば当然でしょうか。。。
現物合わせの難しさを、今回もしっかり味わったのでした(^^;
こちら糸巻接合部右側は、、、
こんな感じで。。。
左側も、、、
このように。。。
覆手前板裏面の固定薄板(爪)も、、、
ピッタリと。。。
さぁ~この突貫作業で螺鈿加工が完了しました。
次は割れた覆手前板螺鈿の接合と、、、
膠による補完螺鈿の接着であります。
つづく。。。
2023年09月14日
和櫛修理④ 完成・・・
和櫛修理④ 完成・・・
和櫛修理が昨日完成しまして、
お客様にも先程ご確認頂き、ご了承頂きました。
近日中に発送します。

螺鈿の輝き、ふたたび♪

裏側センターも、菊の花なんでしょうね。

桜の花弁も、暫くは落ちないでね。

最後の磨き作業の様子です。
どうぞ末永く輝きが保ちますように。。。
この度はご依頼頂きありがとうございました。
いってらっしゃい(^.^)
和櫛修理が昨日完成しまして、
お客様にも先程ご確認頂き、ご了承頂きました。
近日中に発送します。
螺鈿の輝き、ふたたび♪
裏側センターも、菊の花なんでしょうね。
桜の花弁も、暫くは落ちないでね。
最後の磨き作業の様子です。
どうぞ末永く輝きが保ちますように。。。
この度はご依頼頂きありがとうございました。
いってらっしゃい(^.^)
2023年09月12日
和櫛修理③ 錆付け・・・
和櫛修理③ 塗りの補修・・・
和櫛の修理は、補完する螺鈿の接着まで終わりました。
次の工程は塗りの補修となります。

まずは、接着した螺鈿周囲の大きく欠落した塗りの補修から。。。
こちらは厚みのある塗りがごっそり剥げておりますので、
漆パテ(錆)を付けて土台を作ります。

上から見るとこんな感じで。。。
ちょっとこの写真ではお分かりにくいかもしれませんが、
螺鈿縁に向かって駆け上がる感じにパテ付けしております。

夏場で厚いためか、半日で錆がしっかり硬化しました(^^)/
これを研ぎまして、、、

生漆で固めます。。。

翌日、、、固めた錆を仕上げ研ぎしてから、
塗立漆(艶アリ漆)で上塗りです。
通常は呂色漆で中塗りなのですが、
ここは、乾燥の遅くなった塗立漆をたっぷり目に塗り、
ひとつ工程を省いてみました。
写真は撮っておりませんが、この螺鈿周囲の上塗りの際に、
他の小さな塗りの剥がれ、亀裂、隙間などを全て補修塗りしました。
また、これら上塗りが乾燥した後、
清掃時に研いでいた櫛の隙間も全て塗り上げました。
ここまでが最初の清掃作業から数えて大きくは12工程。
細かい工程も合わせると20工程近くになります。。。
なかなか修理というのも、工程数が多いものですね。
残るは仕上げ作業ですが、、、
最後の最後まで気を緩めることなく進めましょう。
つづく。。。
和櫛の修理は、補完する螺鈿の接着まで終わりました。
次の工程は塗りの補修となります。
まずは、接着した螺鈿周囲の大きく欠落した塗りの補修から。。。
こちらは厚みのある塗りがごっそり剥げておりますので、
漆パテ(錆)を付けて土台を作ります。
上から見るとこんな感じで。。。
ちょっとこの写真ではお分かりにくいかもしれませんが、
螺鈿縁に向かって駆け上がる感じにパテ付けしております。
夏場で厚いためか、半日で錆がしっかり硬化しました(^^)/
これを研ぎまして、、、
生漆で固めます。。。
翌日、、、固めた錆を仕上げ研ぎしてから、
塗立漆(艶アリ漆)で上塗りです。
通常は呂色漆で中塗りなのですが、
ここは、乾燥の遅くなった塗立漆をたっぷり目に塗り、
ひとつ工程を省いてみました。
写真は撮っておりませんが、この螺鈿周囲の上塗りの際に、
他の小さな塗りの剥がれ、亀裂、隙間などを全て補修塗りしました。
また、これら上塗りが乾燥した後、
清掃時に研いでいた櫛の隙間も全て塗り上げました。
ここまでが最初の清掃作業から数えて大きくは12工程。
細かい工程も合わせると20工程近くになります。。。
なかなか修理というのも、工程数が多いものですね。
残るは仕上げ作業ですが、、、
最後の最後まで気を緩めることなく進めましょう。
つづく。。。
2023年09月12日
和櫛修理② 螺鈿の修理・・・
和櫛修理② 螺鈿の修理・・・
修理を開始した和櫛は
清掃が終わり、いよいよ本格的な修理に入ります。

まずは欠損部分の確認を。。。
一番大きな剥がれた螺鈿=菊花の横に、
少し欠損部があるようですね。
こちらは、シャープペンシルで示した葉と
その右側にある最小の葉で補完します。
既存螺鈿の図柄を見て気付いたのですが、
全く同じ形、大きさの螺鈿があちこちに沢山使われています。
これは、大正や昭和初期の螺鈿職工さんたちが、
生産費用の抑制と、作業効率を上げる手段として、
パーツの大量生産をしていたことを伺わせます。。。

櫛上面の欠損部分。
こちらは、他の図柄の様子から、
どうやら桜の花弁ペアが付いていたようです。
ここで、使用する貝種を検討。
ご依頼を請けた当初はアワビを想定しておりましたが、
よくよく既存螺鈿を確認すると、真珠層の様子がなんか違います。
この淡いグラデーション、、、アワビのうねうねした層ではなく
夜光貝のそれに似ておりますね。
以上の確認から、補完する螺鈿を作って行きましょう。

はじめは図柄のトレースから。
フィルムで既存螺鈿の形をトレースして行きます。。。

夜光貝の厚貝材料を使用し、
厚みは0.2~0.3mmという薄さに研磨調整。

輪郭をトレースして、、、

加工完了であります!
次は、いよいよ螺鈿の接着へ。。。

予め前日に裏塗りし、乾燥させていた菊花螺鈿。
大きな螺鈿は、裏塗りは必須ですね。
接着~乾燥時、裏側に空気が入ってしまいますと、
螺鈿裏側部分に黒漆が無いか薄い状態となり、
こうした部分が表側から白く見えてしまいますので。

蒔絵筆で、接着用の呂瀬漆(生漆、黒漆が半々)を
櫛の接着面と、螺鈿の裏側に塗って、、、

湿気のある簡易ムロで半乾きにさせ、、、

螺鈿を貼付(接着)します。。。

ピタッと貼れましたね。

セロハンテープで固定させ、
一晩乾燥させます。。。
螺鈿貼付完了しました。
次は、漆塗りの補修へと移ります。
つづく。。。
修理を開始した和櫛は
清掃が終わり、いよいよ本格的な修理に入ります。
まずは欠損部分の確認を。。。
一番大きな剥がれた螺鈿=菊花の横に、
少し欠損部があるようですね。
こちらは、シャープペンシルで示した葉と
その右側にある最小の葉で補完します。
既存螺鈿の図柄を見て気付いたのですが、
全く同じ形、大きさの螺鈿があちこちに沢山使われています。
これは、大正や昭和初期の螺鈿職工さんたちが、
生産費用の抑制と、作業効率を上げる手段として、
パーツの大量生産をしていたことを伺わせます。。。
櫛上面の欠損部分。
こちらは、他の図柄の様子から、
どうやら桜の花弁ペアが付いていたようです。
ここで、使用する貝種を検討。
ご依頼を請けた当初はアワビを想定しておりましたが、
よくよく既存螺鈿を確認すると、真珠層の様子がなんか違います。
この淡いグラデーション、、、アワビのうねうねした層ではなく
夜光貝のそれに似ておりますね。
以上の確認から、補完する螺鈿を作って行きましょう。
はじめは図柄のトレースから。
フィルムで既存螺鈿の形をトレースして行きます。。。
夜光貝の厚貝材料を使用し、
厚みは0.2~0.3mmという薄さに研磨調整。
輪郭をトレースして、、、
加工完了であります!
次は、いよいよ螺鈿の接着へ。。。
予め前日に裏塗りし、乾燥させていた菊花螺鈿。
大きな螺鈿は、裏塗りは必須ですね。
接着~乾燥時、裏側に空気が入ってしまいますと、
螺鈿裏側部分に黒漆が無いか薄い状態となり、
こうした部分が表側から白く見えてしまいますので。
蒔絵筆で、接着用の呂瀬漆(生漆、黒漆が半々)を
櫛の接着面と、螺鈿の裏側に塗って、、、
湿気のある簡易ムロで半乾きにさせ、、、
螺鈿を貼付(接着)します。。。
ピタッと貼れましたね。
セロハンテープで固定させ、
一晩乾燥させます。。。
螺鈿貼付完了しました。
次は、漆塗りの補修へと移ります。
つづく。。。
2023年09月12日
和櫛修理① 清掃作業・・・
和櫛修理① 清掃作業・・・
4月にお預かりしてから長期間中断していた和櫛の修理。。。
9月に入ってから突貫作業であります。
もう完成間近のところまで進んでいるのですが、
まずは最初の作業=清掃の様子をアップします。

ビフォー状態。。。
こちらは少しだけ清掃等の作業が進んでおりますが、
まだまだ沢山の汚れがこびり付き、
塗面や螺鈿表面の劣化が著しい様子です。

まずは表側の菊花螺鈿カクニンであります。。。

付着した漆らしき部分を削り取り、、、

彫刻平刀で表面を均して、、、

それでも菊花螺鈿が嵌らないので、
慎重に凹みの外縁部を削ります。
櫛自体が相当ちぢんでいるらしく、
けっこう削りました!(^^;

ようやくピタッとハマり、、、

清掃開始!
まずは最小限度の水を使って、アルコール等の溶剤も使用。

綿棒、カット綿、キムワイプ、竹串、
そして、カッター、サンドペーパーなども駆使して。

櫛の隙間は、製作当初の塗りムラやバリが残っており、
清掃しにくい状態でしたので、こちらもついでに研磨です。。。
写真は撮っておりませんが、やはり大量の汚れが付いてましたね~。
積年の汚れは凄し、、、です。(^-^;
汚れ以外でも判明したことがありました。
やはり、螺鈿接着には膠も使われていたようです。
菊花螺鈿の接着面に水を付けると少しベタベタしましたので。。。
昨年から、古い工芸品の修理に共通していたのがこの膠。
間違いなく、この和櫛も水洗いは厳禁!!であります(^^;
修理の最後の最後で漆を全体に含浸するまでは、
水洗いや大量の水を使った作業はご法度!ということで進めます。

清掃完了~表側。

清掃完了~裏側。
これで次の作業へ進めますね。
古い品の修理は、ともかく最初は徹底した清掃が肝心。
清掃、洗浄無くして修理は成らず、、、なのであります。
さぁこれから修理の本番へ向かいましょう。
つづく。。。
4月にお預かりしてから長期間中断していた和櫛の修理。。。
9月に入ってから突貫作業であります。
もう完成間近のところまで進んでいるのですが、
まずは最初の作業=清掃の様子をアップします。
ビフォー状態。。。
こちらは少しだけ清掃等の作業が進んでおりますが、
まだまだ沢山の汚れがこびり付き、
塗面や螺鈿表面の劣化が著しい様子です。
まずは表側の菊花螺鈿カクニンであります。。。
付着した漆らしき部分を削り取り、、、
彫刻平刀で表面を均して、、、
それでも菊花螺鈿が嵌らないので、
慎重に凹みの外縁部を削ります。
櫛自体が相当ちぢんでいるらしく、
けっこう削りました!(^^;
ようやくピタッとハマり、、、
清掃開始!
まずは最小限度の水を使って、アルコール等の溶剤も使用。
綿棒、カット綿、キムワイプ、竹串、
そして、カッター、サンドペーパーなども駆使して。
櫛の隙間は、製作当初の塗りムラやバリが残っており、
清掃しにくい状態でしたので、こちらもついでに研磨です。。。
写真は撮っておりませんが、やはり大量の汚れが付いてましたね~。
積年の汚れは凄し、、、です。(^-^;
汚れ以外でも判明したことがありました。
やはり、螺鈿接着には膠も使われていたようです。
菊花螺鈿の接着面に水を付けると少しベタベタしましたので。。。
昨年から、古い工芸品の修理に共通していたのがこの膠。
間違いなく、この和櫛も水洗いは厳禁!!であります(^^;
修理の最後の最後で漆を全体に含浸するまでは、
水洗いや大量の水を使った作業はご法度!ということで進めます。
清掃完了~表側。
清掃完了~裏側。
これで次の作業へ進めますね。
古い品の修理は、ともかく最初は徹底した清掃が肝心。
清掃、洗浄無くして修理は成らず、、、なのであります。
さぁこれから修理の本番へ向かいましょう。
つづく。。。
2023年09月04日
琵琶螺鈿修理①・・・
琵琶螺鈿修理①・・・

夏の終わりに届いた琵琶。
梱包を解いて、、、だいぶ古い琵琶のようですね。
今回は螺鈿修理のご依頼であります。
割れや欠損した白蝶貝のパーツを直して行きます。。。

大きい箱で届き、立派な袋に入っておりました(^.^)

まずは弦を結ぶ覆手(ふくじゅ)部分を確認。。。
前板の螺鈿が取り外されております。

次に糸巻との接続部分を確認。。。
螺鈿の先端が割れて欠損しております。

取り外された覆手前板の螺鈿は、
右側が割れて二つに分かれていたものをセロハンテープで仮固定。
他の部品もアリ。。。

覆手前板螺鈿を仮置きしてみました。。。

まずはピッタリと嵌りますね。
しっかり修理して行きましょう。

前板の裏側に取り付けられていた爪(小さな固定薄板)と、
正体不明の波型螺鈿、、、

御依頼主様に確認したところ、
琵琶の中で何かが動いてカラカラと鳴っていたらしく、
躯体修理をご担当された琵琶職人の方が、
胴の中からこの波型螺鈿を取り出されたそうです。
この波型部品は、恐らく製作者が作り置きしていたものを
胴の中に落としてしまったものでしょう。
覆手前板の波螺鈿に似た箇所があります。
興味深いことに、貝殻切り出し用の図(和紙)が
片方の表面に糊付けされたままになってますね。
当方でも、以前お預かりした琵琶で同様のことがありまして、
わたくしも何とか木片を取り出した記憶があります~(^^;
さぁこれから型取りなどして、
螺鈿の修理をしっかりして行きましょう。
つづく。。。
夏の終わりに届いた琵琶。
梱包を解いて、、、だいぶ古い琵琶のようですね。
今回は螺鈿修理のご依頼であります。
割れや欠損した白蝶貝のパーツを直して行きます。。。
大きい箱で届き、立派な袋に入っておりました(^.^)
まずは弦を結ぶ覆手(ふくじゅ)部分を確認。。。
前板の螺鈿が取り外されております。
次に糸巻との接続部分を確認。。。
螺鈿の先端が割れて欠損しております。
取り外された覆手前板の螺鈿は、
右側が割れて二つに分かれていたものをセロハンテープで仮固定。
他の部品もアリ。。。
覆手前板螺鈿を仮置きしてみました。。。
まずはピッタリと嵌りますね。
しっかり修理して行きましょう。
前板の裏側に取り付けられていた爪(小さな固定薄板)と、
正体不明の波型螺鈿、、、
御依頼主様に確認したところ、
琵琶の中で何かが動いてカラカラと鳴っていたらしく、
躯体修理をご担当された琵琶職人の方が、
胴の中からこの波型螺鈿を取り出されたそうです。
この波型部品は、恐らく製作者が作り置きしていたものを
胴の中に落としてしまったものでしょう。
覆手前板の波螺鈿に似た箇所があります。
興味深いことに、貝殻切り出し用の図(和紙)が
片方の表面に糊付けされたままになってますね。
当方でも、以前お預かりした琵琶で同様のことがありまして、
わたくしも何とか木片を取り出した記憶があります~(^^;
さぁこれから型取りなどして、
螺鈿の修理をしっかりして行きましょう。
つづく。。。
2023年08月31日
2023年 夏の終わり・・・
2023年 夏の終わり・・・
今年の夏も今日で終わりですね。何かと仕事に追われていましたが、思い出もチラホラと。。。
作る仕事は産み出すこと。それもコツコツとした地道さを持って生れ出る様子を、この夏もじっくり味わった感じがします。秋も様々にやって行きましょう。

植物園での夕暮れ。
夕涼みは素晴らしかった。。。

緑も生き生きと。。。

7月の大雨の傷跡。
大量の砂が溜まっています。。。

切り株くん、、、あまり会えませんでしたが、
この秋はたっぷりと付き合うことになりそうです(^.^)

鞘塗りラスト作業は銀シトドメ接着。
まるまるとした可愛い栗形に最後ピタッとハマった時は、
完成した~と思わずつぶやきが(><)

新たなる品物を夏の終わりにお預かりしました。。。
欠けが治って、、、新たに生まれ変わって下さい。

9月は、中断していた幾つもの修理案件をこなすことから始まります。
新たなご依頼も加わり、再生の秋となりそうですね。

しっかりとお付き合いして行きましょう。

この夏も生命が溢れていました。。。
ありがとう。
♪童神 夏川りみ
童神 わらびがみ 歌詞と解説
今年の夏も今日で終わりですね。何かと仕事に追われていましたが、思い出もチラホラと。。。
作る仕事は産み出すこと。それもコツコツとした地道さを持って生れ出る様子を、この夏もじっくり味わった感じがします。秋も様々にやって行きましょう。
植物園での夕暮れ。
夕涼みは素晴らしかった。。。
緑も生き生きと。。。
7月の大雨の傷跡。
大量の砂が溜まっています。。。
切り株くん、、、あまり会えませんでしたが、
この秋はたっぷりと付き合うことになりそうです(^.^)
鞘塗りラスト作業は銀シトドメ接着。
まるまるとした可愛い栗形に最後ピタッとハマった時は、
完成した~と思わずつぶやきが(><)
新たなる品物を夏の終わりにお預かりしました。。。
欠けが治って、、、新たに生まれ変わって下さい。
9月は、中断していた幾つもの修理案件をこなすことから始まります。
新たなご依頼も加わり、再生の秋となりそうですね。
しっかりとお付き合いして行きましょう。
この夏も生命が溢れていました。。。
ありがとう。
♪童神 夏川りみ
童神 わらびがみ 歌詞と解説

2023年07月19日
金継ぎ完成・・・
金継ぎ完成・・・
金継ぎがようやく完成しました。
今回は、、、バラバラになったコーヒーカップが
本当に難しかったですね~(^^;

今回の、コーヒーカップ兄弟。

葉脈のように欠けた君。
君は本当にこれからどう活きるか。。。

何とか持ちこたえて、活きて行って下さい。。。(^_^;)

どん底には意味がある。。。

あなたは、、、脳神経細胞のように欠けましたね。

小皿兄弟も、、、ちょっと欠けることはあるさ。

お二人さんも、どうかご無事で、、、完。
金継ぎがようやく完成しました。
今回は、、、バラバラになったコーヒーカップが
本当に難しかったですね~(^^;
今回の、コーヒーカップ兄弟。
葉脈のように欠けた君。
君は本当にこれからどう活きるか。。。
何とか持ちこたえて、活きて行って下さい。。。(^_^;)
どん底には意味がある。。。
あなたは、、、脳神経細胞のように欠けましたね。
小皿兄弟も、、、ちょっと欠けることはあるさ。
お二人さんも、どうかご無事で、、、完。
2023年05月29日
金継ぎも、ようやく中塗りへ・・・
金継ぎも、ようやく中塗りへ・・・
5月も最終盤になって来て、
大きな台風が南から上がって来ているせいか
今日はとっても蒸し暑い日となりました。
しかも、もう梅雨入りとなったそうで!(^^;
そんな中、しばらく前に始めた金継ぎご依頼品は
ようやく錆付け後の乾燥が終わり、中塗りを開始します。

カプセルに収まっている金継ぎさんたち。。。
錆固めしてから丸3週間くらい、
このカプセル室(ムロ)に入ってしっかり湿気を吸ってますから
割れ目の奥=接着で付けた麦漆やコクソまで
だいたい乾燥してきたんじゃないでしょうか!?
さて、そんな中、他の修理案件、そして鞘塗りの最終蒔絵など、
控えているご依頼品が多数あり、
新規のご予約もかなり詰まって来て、いっぱいいっぱいの状態です。
なかなか手が回らない様子になって来ましたが、
6月から更に巻き巻きでやって参りましょう。(^-^;
5月も最終盤になって来て、
大きな台風が南から上がって来ているせいか
今日はとっても蒸し暑い日となりました。
しかも、もう梅雨入りとなったそうで!(^^;
そんな中、しばらく前に始めた金継ぎご依頼品は
ようやく錆付け後の乾燥が終わり、中塗りを開始します。

カプセルに収まっている金継ぎさんたち。。。
錆固めしてから丸3週間くらい、
このカプセル室(ムロ)に入ってしっかり湿気を吸ってますから
割れ目の奥=接着で付けた麦漆やコクソまで
だいたい乾燥してきたんじゃないでしょうか!?
さて、そんな中、他の修理案件、そして鞘塗りの最終蒔絵など、
控えているご依頼品が多数あり、
新規のご予約もかなり詰まって来て、いっぱいいっぱいの状態です。
なかなか手が回らない様子になって来ましたが、
6月から更に巻き巻きでやって参りましょう。(^-^;
2023年05月05日
金継ぎもコツコツと・・・
金継ぎもコツコツと・・・
ゴールデンウィークも後半に入りましたが、、、
連休中も毎日何かしらの作業をやっております。
暫く前に開始した金継ぎ作業は、
あれから徐々に歩を進めまして、
ここ数日も錆付けをチビチビとやっております。

錆付けもいよいよ終盤に入って来ました。
竹串でハミ出た錆を除去。
竹串は金継ぎの時に何かと活躍してくれます(^.^)

形状の難しいナス型器も、
何度も錆付けを繰り返しました。

これが最後と思われる粗研ぎを入れて、、、

粘土のような感じで少し盛り上げるように錆付けしました。
ひだ状の形状は、成形が難しいですね(^^;
連休中は、幾つものご依頼品を並行して進めておりますが、
一つひとつ本当にコツコツとやっている感じです。
そんな中、修理品を連休中にお二つ納品出来ました。
金継ぎの器たちも、ようやく次の段階に入れそうですね。
はやる気持ちを抑えて乾燥時間をしっかり取りつつ、
またコツコツと進めて参りましょう。
つづく。。。
ゴールデンウィークも後半に入りましたが、、、
連休中も毎日何かしらの作業をやっております。
暫く前に開始した金継ぎ作業は、
あれから徐々に歩を進めまして、
ここ数日も錆付けをチビチビとやっております。
錆付けもいよいよ終盤に入って来ました。
竹串でハミ出た錆を除去。
竹串は金継ぎの時に何かと活躍してくれます(^.^)
形状の難しいナス型器も、
何度も錆付けを繰り返しました。
これが最後と思われる粗研ぎを入れて、、、
粘土のような感じで少し盛り上げるように錆付けしました。
ひだ状の形状は、成形が難しいですね(^^;
連休中は、幾つものご依頼品を並行して進めておりますが、
一つひとつ本当にコツコツとやっている感じです。
そんな中、修理品を連休中にお二つ納品出来ました。
金継ぎの器たちも、ようやく次の段階に入れそうですね。
はやる気持ちを抑えて乾燥時間をしっかり取りつつ、
またコツコツと進めて参りましょう。
つづく。。。
2023年04月27日
薄器修理ご依頼品届く・・・
薄器修理ご依頼品届く・・・
4月に入って、修理のお問い合わせ、ご依頼も
非常に多くなっております。
もしかしますと、コロナ明けに向かって世の中が活動的になり、
ストップしていたものが急に動き出したのではないかな~と思ったりもします(^^;

こちらはつい先日届いた螺鈿入りの薄器。
ご依頼主が茶器としてご愛用されてらっしゃる御品とのことです。
蝶の翅に貼付された毛打ち入り螺鈿が剥がれており、
この修理となります。

まずはセロハンテープで仮止めされた状態から、、、

水で濡らして、慎重に取り外しました。

ひびが入っている螺鈿の裏にくっついてきたセロハンテープも、、、
これ以上螺鈿が割れないよう、水でしっかり濡らしながら
物凄く慎重に取り外しました(^^;

セロハンテープは、すべて植物由来成分で出来ており、
水で濡らすと粘着面も含めてふやけて来るんです。
従って、こういう時は水の出番であります(^.^)

長年の乾燥による木地収縮で、
螺鈿が木地の動きについて行けずに
剥がれてしまったのでしょう。

この螺鈿さんは、かなり膨らんだクセがついております。
だいぶ頑張ってくっついていたようですが、
とうとう剥がれてしまったのですね。

これから本御品もしっかり修理して行きましょう。
つづく。。。
4月に入って、修理のお問い合わせ、ご依頼も
非常に多くなっております。
もしかしますと、コロナ明けに向かって世の中が活動的になり、
ストップしていたものが急に動き出したのではないかな~と思ったりもします(^^;
こちらはつい先日届いた螺鈿入りの薄器。
ご依頼主が茶器としてご愛用されてらっしゃる御品とのことです。
蝶の翅に貼付された毛打ち入り螺鈿が剥がれており、
この修理となります。
まずはセロハンテープで仮止めされた状態から、、、
水で濡らして、慎重に取り外しました。
ひびが入っている螺鈿の裏にくっついてきたセロハンテープも、、、
これ以上螺鈿が割れないよう、水でしっかり濡らしながら
物凄く慎重に取り外しました(^^;
セロハンテープは、すべて植物由来成分で出来ており、
水で濡らすと粘着面も含めてふやけて来るんです。
従って、こういう時は水の出番であります(^.^)
長年の乾燥による木地収縮で、
螺鈿が木地の動きについて行けずに
剥がれてしまったのでしょう。
この螺鈿さんは、かなり膨らんだクセがついております。
だいぶ頑張ってくっついていたようですが、
とうとう剥がれてしまったのですね。
これから本御品もしっかり修理して行きましょう。
つづく。。。
2023年04月17日
金継ぎ作業スタート・・・
金継ぎ作業スタート・・・
作日は、2月にご依頼頂いてから中々手を付けられずにいた
金継ぎの初期作業を突貫で慣行!

このバラバラになったコーヒーカップが今回のボスです(^^;

麦漆を割れ口に塗って、、、

苦労しながら固定。。。

形状はまとまりましたが、、、
恐らく2次的に麦漆を割れ目に挿入して補強しなければ~ですね。

さてこちらの可愛げなナスさん?は、
欠け部に漆を塗って、、、

アルミホイールギブスして、、、

入って下さい。。。

焼き入れさせて頂きます(^^;

こんがりと、、、

漆焼き付け完了。。。

他諸々あり、、、

仕様不明の金彩アリで、、、
焼き入れずに特殊漆を塗って対応します。
まずはここまで。
半月から一ヶ月ほど麦漆が乾くまで放置となりますが、、、
つづく。。。
作日は、2月にご依頼頂いてから中々手を付けられずにいた
金継ぎの初期作業を突貫で慣行!
このバラバラになったコーヒーカップが今回のボスです(^^;
麦漆を割れ口に塗って、、、
苦労しながら固定。。。
形状はまとまりましたが、、、
恐らく2次的に麦漆を割れ目に挿入して補強しなければ~ですね。
さてこちらの可愛げなナスさん?は、
欠け部に漆を塗って、、、
アルミホイールギブスして、、、
入って下さい。。。
焼き入れさせて頂きます(^^;

こんがりと、、、

漆焼き付け完了。。。
他諸々あり、、、
仕様不明の金彩アリで、、、
焼き入れずに特殊漆を塗って対応します。
まずはここまで。
半月から一ヶ月ほど麦漆が乾くまで放置となりますが、、、
つづく。。。
2023年04月16日
和櫛修理ご依頼品届く・・・
和櫛修理ご依頼品届く・・・
また新たな修理ご依頼品=和櫛が届きました。
現在当工房では修理品を幾つか抱えておりますが、
この御品もしっかり修理して行きたいと思います。

螺鈿で車紋様と花や葉があしらわれている櫛です。
菊の花が取れており、他にも幾つか花弁や葉の螺鈿が欠損しているようです。
黒漆が塗られておりますが、螺鈿も含め全体的にもかなり劣化が進んでいます。
まずは螺鈿が剥がれた箇所を水で濡らして確認。。。
なにか溶けて来て綿棒が黒くなりました。
どうやらに何らかの黒色成分が入った膠のようです!

これは膠がだいぶ経年変化して接着力が落ちているようですね。
水で直ぐに溶けてしまいます。
あっさり溶けてベースのフラット面が出て来ました。
しかし、周囲で固く付着している部分あり。カッターで削って見ますと、、、

これは漆のようですね。。。
製作当時、螺鈿が膠で貼られた後に
周囲に上塗りされた黒漆が螺鈿の裏側に回って固まったもののようです。

全体的にかなりの付着物、汚れがあることも確認。
これは、最初にクリーリングしてから修理する必要がありますね。
さて、これからこの御品もしっかり修理、補強して参りましょう。
綺麗に仕上がりますように!(^.^)
また新たな修理ご依頼品=和櫛が届きました。
現在当工房では修理品を幾つか抱えておりますが、
この御品もしっかり修理して行きたいと思います。
螺鈿で車紋様と花や葉があしらわれている櫛です。
菊の花が取れており、他にも幾つか花弁や葉の螺鈿が欠損しているようです。
黒漆が塗られておりますが、螺鈿も含め全体的にもかなり劣化が進んでいます。
まずは螺鈿が剥がれた箇所を水で濡らして確認。。。
なにか溶けて来て綿棒が黒くなりました。
どうやらに何らかの黒色成分が入った膠のようです!
これは膠がだいぶ経年変化して接着力が落ちているようですね。
水で直ぐに溶けてしまいます。
あっさり溶けてベースのフラット面が出て来ました。
しかし、周囲で固く付着している部分あり。カッターで削って見ますと、、、
これは漆のようですね。。。
製作当時、螺鈿が膠で貼られた後に
周囲に上塗りされた黒漆が螺鈿の裏側に回って固まったもののようです。
全体的にかなりの付着物、汚れがあることも確認。
これは、最初にクリーリングしてから修理する必要がありますね。
さて、これからこの御品もしっかり修理、補強して参りましょう。
綺麗に仕上がりますように!(^.^)
2023年01月23日
長く感じる1月・・・
長く感じる1月・・・
2023年が始まって3週間ちょっと、、、長く感じる1月です。
今月残りの工房作業は、鞘塗りと修理1点がメインです。
しかし、新たなご依頼品にも手を付け出して、、、
早めに動いて来月へ繋げましょう。
今年は兎も角「すぐGo!」です(^^;

ご覧頂けない修理案件。
金梨地粉を使って修理ですが、中々苦労しております(^^;

新しいご依頼品。
粒貝サンプルを幾つか作って、2月の本番へ。。。

だいぶ前に友人から依頼のあった案件も、、、
もう始めんとですね(^^;

納期が無いとついつい、、、ではダンメ!!(;'∀')

そして、、、先日は、前からイクイク詐欺をして中々行かなかった「らぁめん蔵持」へ。

ここのチャーシューはメガ盛り!
スープをすする最後の最後までチャーシューが残っていたのは生まれて初めて。
食べても食べてもチャーシューが一向に減らんとです(^^;
☆上質な麺とスープ、そしてお肉を目いっぱい召し上がりたい方はココへ(笑)
2023年が始まって3週間ちょっと、、、長く感じる1月です。
今月残りの工房作業は、鞘塗りと修理1点がメインです。
しかし、新たなご依頼品にも手を付け出して、、、
早めに動いて来月へ繋げましょう。
今年は兎も角「すぐGo!」です(^^;
ご覧頂けない修理案件。
金梨地粉を使って修理ですが、中々苦労しております(^^;
新しいご依頼品。
粒貝サンプルを幾つか作って、2月の本番へ。。。
だいぶ前に友人から依頼のあった案件も、、、
もう始めんとですね(^^;
納期が無いとついつい、、、ではダンメ!!(;'∀')
そして、、、先日は、前からイクイク詐欺をして中々行かなかった「らぁめん蔵持」へ。

ここのチャーシューはメガ盛り!
スープをすする最後の最後までチャーシューが残っていたのは生まれて初めて。
食べても食べてもチャーシューが一向に減らんとです(^^;
☆上質な麺とスープ、そしてお肉を目いっぱい召し上がりたい方はココへ(笑)
2022年12月22日
螺鈿硯箱の修理⑯ 完成・・・
螺鈿硯箱の修理⑯ 完成・・・
長期間を要した螺鈿硯箱の修理が完了しました。
所々中断を挟みながら、ようやく完成した次第です。
☆本日夕方発送~明後日のクリスマスイブにお客様の元へ届く予定です。

完成した様子です。
まずは斜め右方向から。

左斜め方向より。

蓋=上面の様子。

引き出しの付いた正面の様子です。
苦労したお花=No.4グループの螺鈿も
何とかここまで出来上がりました。。。

左側面です。

右側面です。
その昔、最初の製作において膠で接着されたこと、
そして、一旦何らかの接着剤が使われた補修が入ったことが、
今回の修理に苦労した要因となりました。
欠損螺鈿も大小様々あり、
色味や輝きの合わせに腐心しましたし、
経年変化の表現や、修理の過程で欠損や劣化した毛打ち=金線の補修も
この2週間ほどで工夫しながら対処した次第です。

お花螺鈿の毛打ち=金蒔絵の輪郭線補修の様子です。

金消し粉を蒔いて、、、

プチプチと穴を開けて、、、経年変化=エイジング表現を。
やはり、こういう手間をかけないと、
新しく補完したものは既存の様子に馴染みませんもんね(^^;
修理した螺鈿や金線は、全て仕上げの段階でエイジング加工を施しました。

修理前の一枚=お花螺鈿。
過去の修理で違う場所に貼られていた螺鈿もあり、
もう大変な状況でしたが、、、(^^;

これでやっと納品となります。
お客様がご満足頂けるよう願うばかりですが、
出来る得る限りのことはさせて頂いたと思います。
あとは無事にお客様の元へ届きますように。
(冬将軍が来ておりますので)
ご依頼、誠にありがとうございました!
良いクリスマスを!
☆鮮明な修理完成画像をご覧になる場合は
当工房アメブロへ⇒
長期間を要した螺鈿硯箱の修理が完了しました。
所々中断を挟みながら、ようやく完成した次第です。
☆本日夕方発送~明後日のクリスマスイブにお客様の元へ届く予定です。
完成した様子です。
まずは斜め右方向から。
左斜め方向より。
蓋=上面の様子。
引き出しの付いた正面の様子です。
苦労したお花=No.4グループの螺鈿も
何とかここまで出来上がりました。。。
左側面です。
右側面です。
その昔、最初の製作において膠で接着されたこと、
そして、一旦何らかの接着剤が使われた補修が入ったことが、
今回の修理に苦労した要因となりました。
欠損螺鈿も大小様々あり、
色味や輝きの合わせに腐心しましたし、
経年変化の表現や、修理の過程で欠損や劣化した毛打ち=金線の補修も
この2週間ほどで工夫しながら対処した次第です。
お花螺鈿の毛打ち=金蒔絵の輪郭線補修の様子です。
金消し粉を蒔いて、、、
プチプチと穴を開けて、、、経年変化=エイジング表現を。
やはり、こういう手間をかけないと、
新しく補完したものは既存の様子に馴染みませんもんね(^^;
修理した螺鈿や金線は、全て仕上げの段階でエイジング加工を施しました。
修理前の一枚=お花螺鈿。
過去の修理で違う場所に貼られていた螺鈿もあり、
もう大変な状況でしたが、、、(^^;
これでやっと納品となります。
お客様がご満足頂けるよう願うばかりですが、
出来る得る限りのことはさせて頂いたと思います。
あとは無事にお客様の元へ届きますように。
(冬将軍が来ておりますので)
ご依頼、誠にありがとうございました!
良いクリスマスを!
☆鮮明な修理完成画像をご覧になる場合は
当工房アメブロへ⇒

2022年12月17日
螺鈿硯箱の修理⑮ 螺鈿表面削りと磨き・・・
螺鈿硯箱の修理⑮ 螺鈿表面削りと磨き・・・
螺鈿硯箱の修理は、いよいよ最終段階へ入りつつあります。
螺鈿自体の再接着、補完が完了し、
これからは表面的な仕立てがメインとなります。

全体の色調を合わせるため、表面に付着した摺り漆や汚れ、
僅かに残っていると思われる膠をカッターで慎重に削り落とします。
毛打ちの金線や特徴的な幾つかの汚れは残しながらの作業になりますので、
たいへん気を使いますし、時間も数日を要しました(^^;

難しいNo.4の螺鈿も、、、

茶色の表面が削られて、白くなりました。

次に、傷などをわざと付けるエイジング処理を。
補完した新しい螺鈿に、ニードルと定規を使って
既存螺鈿から続く直線的な深い傷を入れます。

こちらはフリーハンドで、ランダムに入った傷を入れますが、、、
ともかく既存螺鈿に似せてやることが肝要です。

そして、、、胴擦り粉と綿棒を使って表面を磨きます。
膠らしき付着物も、最後にはこそぎ落とされてクリヤーになりました。
毛打ちの金線が思いの外強く付着しており、
摩耗せずに残り気味となり、作業しやすく助かりました(^-^;

最後は指にも胴擦り粉を僅かに付けて、
螺鈿を全体的に優しくなでるように磨き、表面処理が完了。
次の工程は、毛打ち(金線)の補修となります。
これからいよいよ仕上げ感が出て来る段階に入り、
徐々に苦労が報われた感じになって来ますね。
つづく。。。
螺鈿硯箱の修理は、いよいよ最終段階へ入りつつあります。
螺鈿自体の再接着、補完が完了し、
これからは表面的な仕立てがメインとなります。
全体の色調を合わせるため、表面に付着した摺り漆や汚れ、
僅かに残っていると思われる膠をカッターで慎重に削り落とします。
毛打ちの金線や特徴的な幾つかの汚れは残しながらの作業になりますので、
たいへん気を使いますし、時間も数日を要しました(^^;
難しいNo.4の螺鈿も、、、
茶色の表面が削られて、白くなりました。
次に、傷などをわざと付けるエイジング処理を。
補完した新しい螺鈿に、ニードルと定規を使って
既存螺鈿から続く直線的な深い傷を入れます。
こちらはフリーハンドで、ランダムに入った傷を入れますが、、、
ともかく既存螺鈿に似せてやることが肝要です。
そして、、、胴擦り粉と綿棒を使って表面を磨きます。
膠らしき付着物も、最後にはこそぎ落とされてクリヤーになりました。
毛打ちの金線が思いの外強く付着しており、
摩耗せずに残り気味となり、作業しやすく助かりました(^-^;

最後は指にも胴擦り粉を僅かに付けて、
螺鈿を全体的に優しくなでるように磨き、表面処理が完了。
次の工程は、毛打ち(金線)の補修となります。
これからいよいよ仕上げ感が出て来る段階に入り、
徐々に苦労が報われた感じになって来ますね。
つづく。。。
2022年12月13日
螺鈿硯箱の修理⑭ 継ぎ目&縁埋め・・・
螺鈿硯箱の修理⑭ 継ぎ目&縁埋め・・・
硯箱の螺鈿修理は日々こつこつと。。。
螺鈿は全て貼り終わり、
これからの仕上げ作業がまた勝負どころであります。

螺鈿貼り付け後の初期乾燥も終わり、
いよいよ仕上げの工程へ入って行きます。

まずは継ぎ目埋めの作業から。。。
継ぎ目が目立たなくなるよう白漆で埋めて行き、、、

綿棒などを使って拭き取ります。。。

こちら一番大変なNo.4グループ。
小まめに地道に白漆を擦り込んで行き、、、

丁寧に拭き取って行きます。。。
この継ぎ目埋めは繰り返す必要がありそうですが、
とりあえすは乾燥を完了させ、次は縁埋め作業を実施。

既存螺鈿の縁(際)は、螺鈿の角が立たないよう
どうやら漆パテ(錆)を擦り込ませ、ガードしてあったようです。

錆を作って縁を埋めて行きます、、、

指で一旦擦り込んでから、、、

綿棒で拭き取り、、、

最後も指を使って、螺鈿の縁や木地周辺に
錆を馴染ませる仕上げを。。。

後々補修は必要かもしれませんが、
まずは既存の様子と似通っているので良しとします!

こういう角もしっかりやっておかないと、、、

研いだ後に錆を馴染ませて。。。

全ての縁埋め作業が完了したところで、、、
ん!?補修した螺鈿の光り方に違和感あり。
躊躇なく取り外しに掛かります。。。

はい、やり直しですね!
引き続き仕上げに向けて、日々こつこつ作業を。
つづく。。。
硯箱の螺鈿修理は日々こつこつと。。。
螺鈿は全て貼り終わり、
これからの仕上げ作業がまた勝負どころであります。
螺鈿貼り付け後の初期乾燥も終わり、
いよいよ仕上げの工程へ入って行きます。
まずは継ぎ目埋めの作業から。。。
継ぎ目が目立たなくなるよう白漆で埋めて行き、、、
綿棒などを使って拭き取ります。。。
こちら一番大変なNo.4グループ。
小まめに地道に白漆を擦り込んで行き、、、
丁寧に拭き取って行きます。。。
この継ぎ目埋めは繰り返す必要がありそうですが、
とりあえすは乾燥を完了させ、次は縁埋め作業を実施。
既存螺鈿の縁(際)は、螺鈿の角が立たないよう
どうやら漆パテ(錆)を擦り込ませ、ガードしてあったようです。
錆を作って縁を埋めて行きます、、、
指で一旦擦り込んでから、、、
綿棒で拭き取り、、、
最後も指を使って、螺鈿の縁や木地周辺に
錆を馴染ませる仕上げを。。。
後々補修は必要かもしれませんが、
まずは既存の様子と似通っているので良しとします!
こういう角もしっかりやっておかないと、、、
研いだ後に錆を馴染ませて。。。
全ての縁埋め作業が完了したところで、、、
ん!?補修した螺鈿の光り方に違和感あり。
躊躇なく取り外しに掛かります。。。
はい、やり直しですね!
引き続き仕上げに向けて、日々こつこつ作業を。
つづく。。。
2022年12月12日
籃胎漆器お弁当重箱の納品・・・
籃胎漆器お弁当重箱の納品・・・
籃胎漆器お弁当重箱が完成しまして、本日納品であります。
☆ビフォーアフターもご覧下さい(^.^)

アフタ~全体像。

斜め上からパチリ。

結局、、、竹編みのところも全て漆浸み込ませました。
ポロポロ状態でしたので。。。
内側だけ修理しても、結局外側から崩れ出したら
折角の修理が何にもなりません。

摺り漆が剥げたところも、所々補修。

箱を展開した様子。。。

蓋内側のビフォー。
こうして振り返りますと、凄い状態でしたね(・_・;)

小口などの修理前状態。。。
バキバキです(^^;

あ~やっとこれで納品ですね。
年末年始でよろしくご活用を!(^.^)
籃胎漆器お弁当重箱が完成しまして、本日納品であります。
☆ビフォーアフターもご覧下さい(^.^)
アフタ~全体像。
斜め上からパチリ。
結局、、、竹編みのところも全て漆浸み込ませました。
ポロポロ状態でしたので。。。
内側だけ修理しても、結局外側から崩れ出したら
折角の修理が何にもなりません。
摺り漆が剥げたところも、所々補修。
箱を展開した様子。。。

蓋内側のビフォー。
こうして振り返りますと、凄い状態でしたね(・_・;)

小口などの修理前状態。。。
バキバキです(^^;
あ~やっとこれで納品ですね。
年末年始でよろしくご活用を!(^.^)
2022年12月07日
螺鈿硯箱の修理⑬ 螺鈿貼り付け本番・・・
螺鈿硯箱の修理⑬ 螺鈿貼り付け本番・・・
硯箱に塗った白漆が、
21時間経ってようやく半乾きになりました。
いよいよ貼り付け本番~慎重に螺鈿を接着です。。。

端材にも塗っていた白漆が、
ようやくペッタンとする感じになり、、、

螺鈿の切れ端も貼ってみて確認し、、、

葉っぱ螺鈿パーツをピンセットで慎重に置きます。。。

葉っぱ先端のちっちゃな螺鈿も置いてから、
指でしっかりと圧着、、、

綿棒も使って細目にしごきます。。。

際にはみ出過ぎの白漆を拭き取って、、、

完了~良い感じです。
これで第1弾のパーツ貼付けはOK。
他のパーツもこの調子でやって行きましょう。
つづく。。。
硯箱に塗った白漆が、
21時間経ってようやく半乾きになりました。
いよいよ貼り付け本番~慎重に螺鈿を接着です。。。
端材にも塗っていた白漆が、
ようやくペッタンとする感じになり、、、
螺鈿の切れ端も貼ってみて確認し、、、
葉っぱ螺鈿パーツをピンセットで慎重に置きます。。。
葉っぱ先端のちっちゃな螺鈿も置いてから、
指でしっかりと圧着、、、
綿棒も使って細目にしごきます。。。
際にはみ出過ぎの白漆を拭き取って、、、
完了~良い感じです。
これで第1弾のパーツ貼付けはOK。
他のパーツもこの調子でやって行きましょう。
つづく。。。
2022年12月06日
螺鈿硯箱の修理⑫ 螺鈿貼り付け・・・
螺鈿硯箱の修理⑫ 螺鈿貼り付け・・・
螺鈿硯箱の修理作業は、
これから接着する螺鈿の裏側に塗った漆(裏彩色)が
5日程経ってようやく乾いて来ましたので、
いよいよ螺鈿貼り付けを行うことに。。。

まずは、先行分の一ヵ所を。
先に貼っておくと、他の面の螺鈿貼付がしやすくなりますので、
まずはこの葉っぱ螺鈿を貼ることに。。。
接着用の白漆を均等に大枠でヘラ付けして行きます。
前回も書きましたが、この白漆は本当に粘り気が強く
平筆では平滑に塗れないものですから、ここは小ヘラを使用です。
また、このような螺鈿接着においては
呂瀬漆という生漆と黒漆を半々に混ぜたものを通常使いますが、
今回は出来るだけ白色を立たせたいので、
あえて螺鈿の裏彩色に使ったのと同じ白漆を使うことにしました。

ヘラ付けでは対応できない貼付箇所の縁は、、、
このように蒔絵筆で丁寧に塗ります。
さて、この先行分として塗った白漆、
乾燥するのにかなり時間がかかるのですが、
この前に裏彩色で塗った時、半乾きになるタイミングが約10時間。

そして、ようやく5日経ってほぼベト付きが無くなりました。
しかし、ここ数日更に寒くなってきました。
ということは、接着するタイミング=半乾き状態になるのは更に遅くなる可能性が!
たぶん14~16時間ほどではないかと見ていますが、果たして、、、(・_・;)
つづく。。。
螺鈿硯箱の修理作業は、
これから接着する螺鈿の裏側に塗った漆(裏彩色)が
5日程経ってようやく乾いて来ましたので、
いよいよ螺鈿貼り付けを行うことに。。。
まずは、先行分の一ヵ所を。
先に貼っておくと、他の面の螺鈿貼付がしやすくなりますので、
まずはこの葉っぱ螺鈿を貼ることに。。。
接着用の白漆を均等に大枠でヘラ付けして行きます。
前回も書きましたが、この白漆は本当に粘り気が強く
平筆では平滑に塗れないものですから、ここは小ヘラを使用です。
また、このような螺鈿接着においては
呂瀬漆という生漆と黒漆を半々に混ぜたものを通常使いますが、
今回は出来るだけ白色を立たせたいので、
あえて螺鈿の裏彩色に使ったのと同じ白漆を使うことにしました。
ヘラ付けでは対応できない貼付箇所の縁は、、、
このように蒔絵筆で丁寧に塗ります。
さて、この先行分として塗った白漆、
乾燥するのにかなり時間がかかるのですが、
この前に裏彩色で塗った時、半乾きになるタイミングが約10時間。
そして、ようやく5日経ってほぼベト付きが無くなりました。
しかし、ここ数日更に寒くなってきました。
ということは、接着するタイミング=半乾き状態になるのは更に遅くなる可能性が!
たぶん14~16時間ほどではないかと見ていますが、果たして、、、(・_・;)
つづく。。。